スマートフォンやタブレットの普及に伴い、WEBメディアの存在はより身近なものになりました。一般企業においても、自社の製品やサービスを消費者に知らしめ、マーケティングに結びつけるという観点から、オウンドメディアの運営が盛んに行われています。リードや顧客に有益な情報を提供し、自社ブランドを向上させるためには、魅力的なコンテンツの作成が欠かせません。
しかしそのコンテンツも、誤字・脱字が多く、表記の間違いが目立つようでは、読み手は読む気が失せてしまいます。それだけならまだしも、文章に問題のある表現が含まれていたり、事実と反する内容が書かれていたら、情報発信した企業の信用を損なうことにもなりかねません。
そこで重要となる作業が、「校正・校閲」です。オウンドメディアを担当されている方の中には、「校正・校閲なんて、新聞社や雑誌社なんかの業界レベルの話でしょ。一般の企業でそこまでこだわる必要があるのかな」と思われる向きもおありでしょう。
ところがWEBコンテンツにおいても、いえ、WEBコンテンツだからこそ、校正・校閲作業をおろそかにできない理由(わけ)があるのです。
今回は、WEBコンテンツを作成する上で、校正・校閲が欠かせない訳と、実際の校正方法などについて解説します。
この記事の目次
WEBコンテンツにおいて校正・校閲が重要な理由
新聞や雑誌のような紙媒体は、一旦、印刷工程を経てしまうと修正はできません。それだけに、大手新聞社や雑誌社では、校正や校閲専門の部署を設け、専任の要員を校正・校閲作業に従事させています。また、印刷物というものは、原稿が入稿してから、組版→製版→製本という過程を経ます。各工程で多くの人が目を通すわけで、その都度、誤りがあればチェック機能が働きます。それゆえに読者は、新聞や書籍、雑誌などをある程度、信頼感を持って受け入れるのです。
一方、WEBメディアは、速報性が最大の特徴です。書き手が文章を発信したら、ダイレクトに読者に届けられます。そしてもう一つの特徴が、更新作業が容易に行えることです。WEBメディアにおいては、時間をかけて完璧な内容の文章を作成するよりも、完成度が6~7割でもまずアップロードして、間違いがあれば即修正するほうを優先する傾向にあるようです、それは読む側も心得ていて、「ネットの記事は、割り引いて受け取れ」くらいに思っている方は少なくないようです。
総務省情報通信政策研究所の、「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」※1によると、各メディアの信頼度を調査では、10~60代までの全世代でみると、最も信頼度が高かったのは新聞の68.6%であり、インターネットは32.2%と、新聞の半分以下という結果が出ています。
WEBコンテンツを配信する側は、読み手の信頼を回復することが、コンテンツの質を担保する上での課題といえるでしょう。そのために重要視されているのが、校正・校閲作業なのです。
※1総務省情報通信政策研究所
「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000644166.pdf
WEBコンテンツの校正・校閲を怠ると発生するリスク
前述したように、WEBメディアの長所は、その速報性と更新の容易さにあります。だからこそ、メディアコンテンツを配信する側は、紙媒体に関わる人間に比べると、校正・校閲を軽んじる方は多いように思われます。しかしその長所は、同時にある脆弱性をはらんでいます。
「デジタルタトゥー」という言葉をご存知でしょうか。
インターネット上に一旦公開された情報は、後から削除したり、編集したりすることが難しいことを、「タトゥー(入れ墨)」に例えた表現です。ある企業が、事実とは異なる情報を自社サイトに掲載したとします。情報は瞬時に世界中を駆け巡り、地球の反対側にいる人が、アップロードしたと同時に閲覧しているかもしれません。それだけではなく、事実無根の情報は、SNSやブログを介してさらに拡散される場合もあります。担当者が間違いに気づき、サイト上で修正したとしても、ログはネット上に永遠に残るのです。
オウンドメディアや、SNSなどで取り上げられた情報は、企業の責任のもとに発表されたとみなされます。もし内容に、事実と反する情報や、差別的発言などが含まれていたら、企業のブランドイメージを著しく落とし、信頼性に劣る企業としてのレッテルを貼られてしまうかもしれません。
WEBコンテンツの具体的な校正方法
ここからは、オウンドメディアに従事する方が、実際にどのように校正・校閲を行えばよいか、その方法について説明しましょう。
原稿はプリントアウトして校正すること
校正作業の鉄則として、「原稿は必ず印刷して、赤字を入れる」こととされています。これは、ディスプレー上で文章を読むよりも、紙に印字された活字を目で追う方が理解しやすい、という事実に基づいています。
トッパン・フォームズ株式会社が行った脳科学実験※2によると、同じ情報でも、紙媒体(反射光)とディスプレー(透過光)とでは、情報を理解しようとする前頭前皮質の反応がまったく違うことが分かりました。つまり、紙媒体の方が前頭前皮質の反応が強く、ディスプレーよりも、情報を理解させることに優れていることが証明されたのです。
※2トッパン・フォームズニュースリリース
https://www.toppan-f.co.jp/news/2013/0723.html
紙で校正するには、赤・青・蛍光ペンを使い分ける
紙の原稿に、校正・校閲記号を書き込んでいく際は、少なくとも、赤・青・蛍光ペンの3色を使い分けるようにしてください。
校正・校閲で書き込む修正は、誰が見ても一目瞭然であることが必要です。修正する文字は、赤字で書きましょう。
次に、修正する文字を補足する内容は、青字で書き込んでください。補足する内容が、修正する文字と混同されないための工夫です。
原稿が再校であれば、以前指摘した修正が直っているか、確認する作業も伴ってきます。もし、赤字が修正されていたら、蛍光マーカーで消し込むようにしましょう。
文章が誰に対して書かれているかをチェック
書き手がいる以上、読み手は必ず存在します。コンテンツを発信する側は、常に誰に対して行うのか意識することが重要です。オウンドメディアに掲載する文章は、誰に対して書かれたものなのか、何を伝えようとしているのか、自問しながら読み進めることです。
例えば自社の商品が、高齢者をターゲットにした健康器具であるとします。サイトに掲載する商品紹介が、器具の構造や技術的な説明に終始していたら、読者が機械に詳しくないお年寄りであれば、理解できないでしょう。読む相手を想定して、伝えるべき情報をどのように表現するか、内容を読み手の目線で眺めることが必要になるのです。
誤字・脱字、表現のゆれ、数字、固有名詞などのチェック
校正の基本ともなる作業で、まずは文字が間違っていないか、文字が抜けていないかを見ます。
また、文章で書かれている表記が、統一されていないことがあります。これを「表記のゆれ」といいます。例えば、同じ文章内に、「WEBメディア」と「ウェブメディア」が混在して使用されていると、紛らわしく読みにくい印象を読み手に与えてしまいます。表記のゆれを正すことで、読みやすく内容も相手に伝えやすくなります。
さらに、金額や数量、電話番号、住所や年月日など、掲載する数字には細心の注意を払ってください。人名や地名、商品名などの固有名詞についても同様です。
書かれた内容は事実か
文章の内容が、事実に基づいたものなのか、必ず確認するようにしてください。この作業は、校正というよりも、校閲の領域になります。
校正は、書かれた原稿に忠実に従い、誤字・脱字などを洗い出し修正していく作業です。
校閲は内容にまで踏み込んで、書かれた文章が事実に裏付けられたものであるか、調べる仕事です。これは「ファクトチェック」と呼ばれるもので、出典にあたるか、ネット検索で調べるとしても、少なくとも2つ以上の情報源を探し、情報を比較して整合性があるか、確かめるようにしましょう。
まとめ:WEBコンテンツの価値を高めるには、校正・校閲作業が重要だが、より精度の高い校正・校閲を求めるならプロに依頼するべき
オウンドメディアを運営する上で、コンテンツの質を高めることは最重要課題です。それには情報をアップロードする前に、入念に文章を校正・校閲する作業が求められます。
ただ、一般企業の場合、媒体社と違って専門部署を設ける余裕はなく、担当者が発信する情報のすべてに目を配ることは、なかなか難しいものです。そこで注目したいのが、外部のプロの存在です。
弊社では、コンテンツ編集や校正・校閲、専門家による監修に特化したサービス、「Edit-us(エディタス)」を提供しております。御社のオウンドメディアの価値を高め、企業ブランドを向上させるために、弊社にお気軽にご相談ください。
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