コンテンツマーケティングとSEO対策とはどう違う?/施策の特徴と関係性について詳しく解説


経営に携わっておられる方、あるいはマーケティング関連の部門で働いておられる方であれば、「コンテンツマーケティング」というマーケティング用語はご存知でしょう。
マーケティング手法の1つに過ぎないこの施策が、ここ5、6年の間に注目を集めてきたのには理由があります。
この手法が認知されはじめた頃は、単なるSEO対策の一手段くらいにしか認識されていませんでした。いまだに両者を混同して、その効果を実感できていない企業が多く存在するのも事実です。
そこで今回は、コンテンツマーケティングという施策を正しく理解し、SEO対策との違い、どのような関係性があるかを把握することで、その効果を最大化するにはどうすればよいか、解説しましょう。

コンテンツマーケティングとは?まずは本質を理解する

ipadを操作するイラスト

コンテンツマーケティングの定義

コンテンツマーケティングの第一人者であり、Content Marketing Instituteの創始者のジョー・ピューリッジ氏は、コンテンツマーケティングを、以下のように定義づけています。
「コンテンツマーケティングとは、自社が明確に顧客と位置付けるユーザーを引きつけて維持し、最終的には収益性の高い購買行動を促すマーケティング手法である。そのために、ユーザーにとって価値があり、関連性があり、一貫性のあるコンテンツを、作成・配布することを重視して、戦略的にアプローチを図る必要がある」。
一方的に自社製品やサービスを売り込むのではなく、自社にとっての潜在顧客や見込み客が抱える課題を解決するため、彼らにとって有益なコンテンツを提供すること。これが、コンテンツマーケティングの本質です。

コンテンツマーケティングの目的

コンテンツマーケティングの先進国であるアメリカでは、マイクロソフトやP&G(プロクターアンドギャンブル)、シスコシステムズなど、世界に名だたる大企業が、コンテンツマーケティングを積極的に活用しています。これらの企業は、コンテンツマーケティングを利用する理由として、売り上げ数値の増加、コストの削減とともに、「企業に忠誠心を抱く良好な顧客の獲得」を挙げています。自社に好感を持ち、そこから徐々に製品・サービスに関心を抱いてもらい、
最終的には購買行動を起こしてもらうこと。これこそが、コンテンツマーケティングの目的なのです。
※1「CONTENT MARKETING INSTITUTE」
https://contentmarketinginstitute.com/

SEO対策とは?

モバイルPCを見ながら談笑する二人の男性と一人の女性


企業が運営するサイト、いわゆるオウンドメディアにおいて、SEO対策は避けては通れません。情報発信のためには有力なツールである企業サイトも、ユーザーに訪問してもらえなければ意味がないのです。

SEO対策とは何か?

検索エンジンシェア推移表

SEOとは、「Search Engine Optimization」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと、「検索エンジン最適化」となります。
検索エンジンとは、Googleに代表される、インターネット上のサイトを検索するサービスのことです。インターネットがビジネス利用され始めた頃は、人の手を介してサイトの情報を収集しカテゴリー化する、「ディレクトリ型」が大半でしたが、現在はクローラーを駆使した「ロボット型」という形式がほとんどです。
クローラーは、検索エンジンごとに種類が異なります。Googleであれば「Google bot」、Bingなら「Bing bot」といった具合です。そこで気になるのが、各サービスのマーケットシェアではないでしょうか。
Statcounterのサイトで公表している、「検索エンジン市場シェア日本」※2
で各サービスの推移を見ると、直近の2021年12月では、Googleが77.01%、Yahoo Japanが17.6%、Bingが4.91%と続きます。

※2「検索エンジン市場シェア日本」
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/japan
ただ、Yahoo Japanの検索エンジンは現在、Googleのものを採用しているため、国内の検索エンジン市場の実に94%以上を、Googleが占めていることになります。従って、Googleの検索エンジンにどのように対処するかで、検索結果において自社サイトが上位表示されるか否か、が左右されると言っても過言ではありません。

なぜ、SEO対策が重要なのか

Googleが検索エンジンサービスを始めた動機は、「世の中のすべての事象をカテゴライズ化し、データベース化すること」でした。その後Googleは、検索エンジンのアルゴリズムを何回もアップデートさせてきました。そして常に目指したのは、「ユーザーの利便性を向上させ、彼らにとって正確で有益な情報を届けること」にほかなりません。
このことから、SEO対策のあるべき姿が、おぼろげながら浮かんでくるとは思われませんか。すなわち、どのような顧客層が自社のターゲットになるのか。ニーズや年齢層、性別、職業等、具体的な属性を明確にし、ペルソナとなる人物像を設定することです。次に、その人物が求める情報や、有益と推測される情報をコンテンツ化すること。さらには、作り上げたコンテンツが検索エンジンに発見され、評価されることでしょう。
一昔前のSEO対策では、外部の業者に費用を払って被リンクを施し、強引に検索結果の上位表示を狙うなど、力技が横行したこともありましたが、現在では最早通用しません。そんなことをすれば、かえってペナルティを食い、表示順位を下げられてしまうでしょう。
目指すべきは、「ユーザー本位」ということになりますが、これは、コンテンツマーケティングが掲げる理念と合致する部分が多いのです。

コンテンツSEOとは?

大きなPCの画面に向かう男性のイラスト


コンテンツマーケティングとSEO対策とは似通ったコンセプトを持ちながら、正確には異なる手法に、「コンテンツSEO」があります。

コンテンツSEOとは何か

ユーザーの検索クエリから検索意図を読みとり、彼らのニーズを推察して良質なコンテンツを作成し、オウンドメディアで継続して発信するものです。オーガニック検索から、ユーザーの自社サイトへの自然流入を促す、SEOの手法の一つです。検索キーワードや共起語を選び、ユーザーの検索の意図を解析し、ニーズに沿ったコンテンツを作成して配信するのです。

コンテンツマーケティングとの違い

コンテンツマーケティングとコンテンツSEOとでは、どのような違いがあるのでしょう。
ユーザーにとって有益なコンテンツを作り、自社サイトへの流入増を図る、という点では同じですが、ターゲットとする相手と目的が異なります。
コンテンツSEOでは施策の対象はあくまで、検索サイトで何かを探しているユーザーです。そして目的は、自社サイトへの自然流入を、コンテンツの力で促進させることなのです。
一方、コンテンツマーケティングでは、施策の対象は検索利用者だけではありません。自社サイトへの流入経路は、検索だけではないからです。例えば、あるトピックについて、自社がSNSで取り上げられたとしましょう。その記事が拡散され、多くの人の目に留まり、サイトに訪問してくることは大いにあり得ます。また、ネット上のユーザーだけではなく、広告などのペイドメディア、会社案内や店頭に配布されている商品説明書、チラシなどの紙媒体を主体としたオウンドメディアを介して、サイトを訪れる人たちもいるでしょう。これら複数のチャネルからの訪問者に対し、それぞれのニーズに則したコンテンツを提供し、自社に好感を抱かせることが第一歩です。そこから徐々に製品・サービスに関心を持ってもらい、最終的には購買行動を起こしてもらうことがコンテンツマーケティングの目的なのです。

コンテンツマーケティング、SEO対策、コンテンツSEOとの関係性

背中を向けてデスクトップPCを操作する人のイラスト


ここまで、それぞれの施策について考察してきましたが、お互いにどのような関係性で結ばれているのでしょうか。
コンテンツマーケティングは、自社の見込み顧客に対し、有益となるコンテンツを継続して提供することにより、彼らと信頼関係を築き、ひいては自社製品・サービスの購買行動に至らせることが目標です。
しかし、折角の良質なコンテンツも、ユーザーにリーチしなくては意味がありません。そこで、SEO対策により、自社サイトを検索結果の上位に表示させ、自然流入の増加を促し、コンテンツが1人でも多くの目に触れることが重要になります。そのためには、検索エンジンに評価される必要がありますが、タグの使用や内部リンクの設置など、技術的な工夫が不可欠です。
コンテンツマーケティングにより、ユーザーを利するコンテンツの充実は、SEO対策に資することにもなり、両者は補完し合う関係といえるでしょう。
そしてコンテンツSEOは、コンテンツの質という側面からサイトへの集客を狙ったSEO対策の一環であり、コンテンツマーケティングの効果の最大化を担う施策でもあるのです。

「コンテンツマーケティング=コンテンツSEO」という勘違いによるデメリット

眉間に手を当て、悩んでいるスーツ姿の男


コンテンツマーケティングとコンテンツSEOとの関係について、もう少し詳しく述べておきます。
コンテンツマーケティングという言葉が、マーケティング関係者の間で流布し始めた頃は、業界のトレンディとして受け止められ、「SEO対策の一手法」ぐらいの認識でした。コンテンツを呼び水に、自社サイトへの流入が増えればそれで良し、という考え方です。これでは、コンテンツマーケティング=コンテンツSEOという発想から抜け出すことができません。しかしそれでは、コンテンツマーケティングの効果を、最大に引き出すことは不可能です。

「検索しない見込み顧客」を相手にできない

コンテンツSEOは、検索により自分の欲しい情報を探す、見込み顧客=リードを自社サイトに引き寄せるための施策です。企業の情報発信手段であるオウンドメディアは、オンラインのサイトだけではありません。パンフレットやチラシなどの紙媒体、売り場の販売員からの口コミなど、アナログによる情報収集手段は多く存在します。自社の製品・サービスに関心を持ちながら、ネット検索しないリードもいることを忘れないでください。コンテンツマーケティングとコンテンツSEOとを混同していると、これらのリードの獲得に失敗してしまうかも知れません。
また顧客は、2つに分類できることはご存知ですね。
自らの欲しいものに気付いてさえいない、「ニーズが潜在化」した層と、欲しいものは分かっているけれど、どの製品を選ぶかはまだ決めていない「ニーズが顕在化」した層です。前者は、自分でもニーズに気付いていないのですから、検索行動は起こしません。従って、コンテンツSEOだけに偏っていては、こうした潜在顧客を取りこぼしてしまうことにもなるのです。

集客が目的になってしまう

もし、ターゲットとする顧客が、検索行動を頻繁に行うとしても、コンテンツSEOにこだわっていては、サイトへの集客だけで施策の目的は果たしたことになってしまいます。
コンテンツマーケティングの定義を、もう一度思い出してください。
「コンテンツマーケティングとは、自社が明確に顧客と位置付けるユーザーを引きつけて維持し、最終的には収益性の高い購買行動を促すマーケティング手法である。そのために、ユーザーにとって価値があり、関連性があり、一貫性のあるコンテンツを、作成・配布することを重視して、戦略的にアプローチを図る必要がある」。
コンテンツマーケティングの最終的な目的は、顧客に購買行動を取らせることです。マーケティングには、「見込み顧客を育てる」という発想があります。これを、「リードナーチャリング」と呼びますが、これはまさに、ユーザーがサイトを訪問してからが勝負です。魅力的なコンテンツで来訪者を自社の存在に気付かせ、信頼感を醸成し、購買行動を起こさせる、顧客接点の最適化です。
それには、集客したユーザーのニーズに応じて、様々なコンテンツを用意する必要があるのです。例えば、家や不動産、金融商品など、商材が高額で検討期間が長いほど、手を変え、品を変えて、コンテンツにより顧客を囲い込み、購入へといざなう努力が重要になるのです。

まとめ:それぞれの施策を正しく理解し、相乗効果を狙って活用しよう

透明なボードにマジックで文字を書き込むスーツの男性


今回は、コンテンツマーケティングとSEO対策、コンテンツSEOのそれぞれの特徴と違い、お互いの関係性と、コンテンツマーケティングとコンテンツSEOとの混同による弊害について、詳しく解説しました。
コンテンツマーケティングは、自社がターゲットとする顧客に対し、彼らにとって有益な情報を継続して提供することにより、自社との友好な関係を築き、最終的には自社製品・サービスの購買行動を起こさせる施策です。
これに対してSEO対策は、主にGoogleの検索エンジンに適切に対応することにより、自社サイトを検索結果の上位に表示させることが目的です。コンテンツSEOは、SEO対策の一環であり、コンテンツ作成の側面からユーザーにアプローチを試みる手法です。
しばしば、コンテンツマーケティングと、コンテンツSEOは同義とみなされますが、似て非なるものです。混同することによるデメリットも、正しく理解してください。
コンテンツマーケティングとSEO対策、コンテンツSEOとは、それぞれ補完する関係にあり、特徴を把握して、施策の効果を最大化しましょう。
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大庭隆之
大学卒業後、新聞社に勤務。企業へのインタビュー記事作成業務を経たのち、広告制作会社に勤務。退社後は、フリーランスのライターとして活動中。得意分野は、ビジネス、マーケティング、各種マーケットリサーチなど。
コンテンツマーケティングを成功に導く3つのステップ