コンテンツマーケティングとは何か?/コンセプトから施策の進め方まで、初心者にも分かりやすく解説

透明なアクリル板に書かれた「CONTENT MARKETING」の文字」

インターネットがかつてないほど進化し、社会生活及びビジネスに浸透している今日。老若男女、誰でもスマートフォンを手にし、欲しい情報を指先一つで入手できるようになりました。また、東京に住むOLが愛猫の写メを撮り、SNSを介して、ブラジルに居る友人にシェアして「いいね」をもらうなど、日常茶飯事です。

インターネットとITツールの普及により、消費者は、「情報収集力」と「情報拡散力」という2つの大きな力を手に入れたのです。これにより、企業におけるマーケティングの在り方も、変化を迫られました。

これまでマーケティング・プロモーションといえば、企業や商品・サービスにとって都合の良い情報のみを消費者に押し付ける、「プッシュ型」が主流でした。しかし、誰もがスマホで簡単に情報を手に入れるようになると、消費者は企業起点の情報では満足できなくなります。従来、マスメディアの独壇場だった「情報の収集と拡散」という行為は、消費者がスマホという掌に収まる「メディア」を手にしたことで、一気に大衆化したのです。

そのような状況では、企業からの情報の一方通行は消費者に敬遠されるようになります。反対に、消費者から「見つけてもらう」マーケティング手法である、「コンテンツマーケティング」が存在感を高めることになりました。

コンテンツマーケティングとは、コンテンツの力で顧客との良好な関係を築き、自社や商品・サービスへの興味を誘い、購入、あるいはこちらの意図する行為へと導くマーケティング手法です。
「言葉ぐらいは知ってるけど、結局、何をすればいいのか分からない」とお嘆きの経営者の方に向けて、今回はコンテンツマーケティングの基礎知識から、具体的な始め方、施策の効果を最大化するためのノウハウまで、分かりやすく解説します。

この記事の目次

コンテンツマーケティングの基礎を理解する

コンテンツマーケティングの基礎を理解する

マーケティングの先進国であるアメリカにおいて、コンテンツマーケティングの概念が注目され始めたのは、2010年代に入ってからです。

日本においては2014年頃、マーケティングのトレンドとして、マーケターの間でささやかれるようになります。当時は、「新たなSEOの手法である」、あるいは「サイトにブログ記事を掲載して、自社の認知度を上げることである」など、様々な意見が飛び交いました。しかし、これらはコンテンツマーケティングそのものを言い当てたものではありませんでした。

では一体、コンテンツマーケティングとは何でしょう?

アメリカにおける、コンテンツマーケティングの最大級の団体、「Content Marketing Institute=コンテンツマーケティングインスティテュート(以下、CMI)」※1では、コンテンツマーケティングを以下のように定義しています。

Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.

「コンテンツマーケティングとは、価値のある一貫したコンテンツを作成・配布することに焦点を当てた、戦略的なマーケティングアプローチである。明確に定義されたオーディエンスを引き付けて維持し、最終的には収益性の高い購買行動を促すことを目的としている」。

このことから、コンテンツマーケティングという施策がどのようなものか、何となくイメージできるのではありませんか。

すなわち、ターゲットと定める顧客に対し、彼らにとって価値のあるコンテンツを継続して提供することにより、自社の存在に気付かせ、自社の商品・サービスに興味を抱いてもらい、最終的には購入してもらうことなのです。

※1Content Marketing Institute
https://contentmarketinginstitute.com/what-is-content-marketing/

「コンテンツマーケティングは存在しない」という議論

「コンテンツマーケティングは存在しない」という議論

コンテンツマーケティングが、マーケティング手法として体系化されたのは2000年代以降ですが、コンテンツを利用して、自社の顧客に何らかの行動を起こさせる、という手法は古くからありました。コンテンツマーケティングが「古くて新しい」と称される所以です。

コンテンツマーケティングを分解していくと、既存のマーケティング手法のどれかに行き当たるので、アメリカにおいては、「コンテンツマーケティングは幻覚であり、実は存在しない」という極論が展開されています。既存のマーケティング手法を合体させて、新たにネーミングしただけで、取り立てて新しい概念ではない、という訳です。

コンテンツマーケティングの本質は、分解しても見えてきません。なぜかと言えば、コンテンツマーケティングとは、コンテンツを起点としてまとめられた、統合的な技術の総称だからです。ブログ記事の作成・公開、SEO対策、SNSマーケティング、動画マーケティングなど、各手法を統括して成果を生み出す、「コンテンツありき」のコンセプトなのです。

コンテンツマーケティングのメリット

コンテンツマーケティングのメリット

企業の活動として、一定の資金と人的リソースをつぎ込むのであれば、それに見合うだけの利益が見込めなければなりません。

コンテンツマーケティングといえども、マーケティングの一手法である以上、一長一短の側面があることは否めません。大事なことは、施策に着手するからには、メリット・デメリットについては、十分に理解しておくことです。そうすることで、コンテンツマーケティングが、投資に対して見返りのある施策であるか否か、判断する基準を手に入れることができるからです。

それではまず、メリットから見てみましょう。

思い立てば今日からでも始められる

メリットとして先ず挙げられるのが、手軽に着手できる点です。ブログ記事を書いて配信するなら、必要なものは、パソコンとインターネット環境、それと記事を作成する担当者のみです。

将来、自社の製品・サービスを購入してくれる可能性のある見込み顧客や、自社の既存顧客が、「こんな情報を欲しがっているのでは?」と思い浮かべながら、まずは文章を書いてみると良いでしょう。

コンテンツマーケティングのコンテンツは、テキストベースのブログ記事はもちろん、ホワイトペーパーやeブックなどのダウンロードコンテンツ、イラスト、動画、音声など、あらゆるデータ形式が存在します。しかし、単に文章を書いて配信するだけなら、通常業務の延長線上なので、今日からでも始められるでしょう。コンテンツマーケティングのメリットとして、まず挙げられるのが、初心者でも手を付けやすい点です。

広告費を削減できる

企業が商品を宣伝や、自社のイメージアップを図る際、テレビやラジオ、新聞・雑誌などのマスメディアに出稿費を支払って、広告を出しています。マスメディアへの広告出稿は、あらゆる層に情報を拡散する点においては、優れた手法です。広告効果もすぐに現れるため、大手企業のプロモーションにおいては、今も主要な戦略であることに変わりはありません。

ただ、広告の出稿を止めてしまえば、効果は長くは続きません。広告の効果を持続させるためには、広告費が高額になることは、織り込んでおかなければなりません。

WEBメディアにおいても同じことが言えます。リスティング広告を出す場合でも、広告費を支払い続けなければ、自社サイトやLP(ランディングページ)への流入はストップしてしまうのです。

一方、コンテンツマーケティングは、記事の作成を外注すれば、その費用はかかりますが、一旦公開すれば、それ以上のコストはかかりません。さらに広告とは違って、広告費を払い続けなくても、コンテンツを閲覧するために、読者はサイトに流入してくるでしょう。コンテンツマーケティングは、広告費を削減する効果もあるのです。

コンテンツの資産化が図れる

広告出稿の場合、効果に即効性があることは、先に触れました。ただし、出稿を止めてしまえば、せっかく作成した広告コンテンツは人目に触れず、消滅してしまいます。

その点、コンテンツマーケティングでは、一旦、コンテンツを作成して公開すれば、サイトのアカウントを削除でもしなければ、読者はいつでも閲覧することができます。ブログ記事であれば、本数が増えれば増えるほど、記事の内容に興味を抱く見込み顧客=リードの流入数は増加するでしょう。コンテンツマーケティングを継続することにより、コンテンツはリード獲得のために資産化され、アーカイブとして蓄積されるのです。

顧客ロイヤリティの向上

コンテンツマーケティングの先進国であるアメリカでは、シスコシステムズやマイクロソフト、P&G(プロクターアンドギャンブル)など、世界の名だたる大企業が、コンテンツマーケティングを積極的に利用しています。

これらの企業がコンテンツマーケティングを採用する理由として、売り上げ数値の増加、コストの削減のほかに、「企業に忠誠心を抱く、良好な顧客を獲得できる」からと答えています。

このように、顧客が企業に抱く忠誠心を、「顧客ロイヤリティ」と呼びます。
顧客ロイヤリティとは、企業や製品・サービスに対し、消費者が愛着を感じることを意味します。自社サイトへの訪問者に、欲しがりそうな情報を記事として、継続して提供することにより、「このサイトに来れば、有益な情報が手に入る」という認識を持たせることが肝要です。これを長期的なスパンで繰り返すことにより、訪問者はその企業の製品やサービスにも関心を持ち、いつか同じような製品を購入しようとする時には、無意識のうちに自社と他社とを差別化し、自社のブランドを思い浮かべ、購入するようになってくれるでしょう。

ソーシャルメディアとの親和性の高さ

コンテンツマーケティングと、FacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルメディア(SNS)との相性の良さも、メリットの一つに数えられるでしょう、

人間という生き物は、何か情報を手に入れると、「誰かに話したくてたまらない」という気質を持っています。企業側で宣伝をせずとも、人の口を介して評判が上がって商品が売れる、いわゆる「口コミ」という現象は昔からありました。

しかしSNSが登場して以来、消費者が持つ情報拡散力は、飛躍的に向上しました。ユーザーが自分の晩御飯の献立を写メに取り、SNSでシェアすれば、ネットの繋がる環境にいる人物なら、誰でも閲覧することが可能です。それどころか、アップロードされた情報に対し、「いいね」をしたり、感想を述べることで双方向のコミュニケーションを図ることもできるようになりました。SNSの情報共有機能とシェア機能を活用することにより、「口コミ」による情報伝播も、かつてないほどの広がりを見せたのです。

自社のオウンドメディアに、ブログ記事、動画などのコンテンツを公開し、読者が魅力を感じたり、あるいは役に立つと認めれば、彼らはSNSで勝手に拡散してくれます。そして、SNSに掲載された記事を読んだ別のユーザーも、コンテンツに興味を抱けば、自社サイトに流入してくるでしょう。この連鎖により、企業は潜在顧客を多く獲得することができるという訳です。

コンテンツマーケティングのデメリット

コンテンツマーケティングのデメリット

では今度は、コンテンツマーケティングのデメリットについて見てみましょう。繰り返しになりますが、施策には長所・短所があります。負の側面もあらかじめ理解しておくことで、施策の遂行をスムーズに進めることができるのです。

成果が確認できるまでに時間がかかる

多くのマーケターが、コンテンツマーケティングの難しさについて尋ねられると、「効果が現れるまでに時間を要する」と答えています。

株式会社basicは2019年11月に、全国のB to B企業のマーケティング担当者へのインターネット調査を行いました。※2

それによると、「成果を感じるまでにかかった時間」を尋ねたところ、「6か月未満」と回答した人は全体の8.8%に過ぎず、「6か月から1年未満」と答えた人が26.3%、「1年以上」という回答が35.1%、「2年以上」との返事が10.5%という調査結果が得られました。このことから、企業のマーケティング担当者は、コンテンツマーケティングの効果について、実感を得るまでに少なくとも、半年以上は見込んでいる実態が明らかになりました。

情報をあらゆる層に、無差別的に拡散し、すぐに効果を期待するのであれば、マスメディアへの広告出稿の方が、はるかに早く効果を実感することができるでしょう。成果を感じるまでに、時間を要すること。これがまず挙げられる、コンテンツマーケティングのデメリットです。

※2 「オウンドメディア実態調査」
https://fo-pro.s3.amazonaws.com/files/5df1cb7d67b45e004781a10c/20191212-%E3%82%AA%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%99%E3%83%A1%E3%83%86%E3%82%99%E3%82%A3%E3%82%A2%E5%AE%9F%E6%85%8B%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%83%AC%E3%83%9B%E3%82%9A%E3%83%BC%E3%83%88.pdf

施策の行程が多岐に渡ること

コンテンツマーケティングのデメリットとして、施策の行程が数多く、かつ戦略設計が複雑である点を挙げる方がいます。施策の目的を定め、企画の立案にはじまり、ターゲット顧客の設定、良質なコンテンツの作成と公開、SEO対策、SNSマーケティングを用いた顧客接点の創出、リードナーチャリング、効果想定の実施とコンテンツ修正など、軽く挙げただけでも、やるべきことは数限りなくあります。

コンテンツマーケティングの概念が、日本のビジネスシーンでも浸透し始めた当初は、「マーケティングのトレンドだから」と、安易に手を出した企業の多くは、この行程をこなしきれずに施策を打ち切ったようです。

人的リソースの確保が困難

コンテンツマーケティングに取り組むにあたり、必要な人材の確保がネックになっているケースが多いようです。これは主に、中小企業や小規模事業者に見られるのですが、担当者を決めて、ブログ記事の作成や更新作業を本業と兼任させたまでは良かったのですが、作業が追いつかずに、結局は施策の遂行が破綻してしまうパターンです。上記で触れたように、コンテンツマーケティングという施策は、効果を出すためには時間がかかり、こなす行程も多くかつ複雑で多岐に渡ります。確かなスキルと知見を有する人材の確保が必須となる訳ですが、大概の企業では、外部の代行会社に行程の一部、場合によっては全てを任せる、という選択をしています。

コンテンツとは何か?

コンテンツとは何か?

コンテンツマーケティングの目的は、有益なコンテンツにより顧客接点を作り、こちらの意図する行動を顧客に取らせることです。企業であれば、自社の認知拡大から顧客の興味を自社製品・サービスに向けさせ、ゆくゆくは購買行動を取らせることにほかなりません。

コンテンツの力が、施策の成否を分けるといっても過言ではありません。まさに「コンテンツありき」のマーケティング手法、ともいえるのです。

では、この「コンテンツ」とは何を指すのでしょうか。コンテンツという言葉は、あまりに範囲が広いため、人により解釈は異なります。ある人は、「テキスト主体のブログ記事」と言うでしょうし、ある人は「動画や音楽を駆使したビデオコンテンツ」を指すかもしれません。

コンテンツという言葉は、本来、「中身」を意味します。従って、メディアはあくまで器であり、顧客とのコミュニケーションを図る上でのコンテンツとは、顧客が本当に欲しがっている情報、伝えるべき情報、ということになるのです。

そして、コンテンツマーケティングにおけるコンテンツは、多くの種類や形態が存在します。そこでこの項では、コンテンツの種類を幾つかご紹介します。事前に種類を把握しておけば、施策の目的とターゲットに合わせて、最適なコンテンツを選ぶことができるでしょう。

コンテンツの種類「コラム記事型コンテンツ」

コンテンツの種類「コラム記事型コンテンツ」

コンテンツマーケティングにおけるコンテンツは、コラム記事型は最も一般的な形です。テキストベースのコラム記事は、誰でも簡単に始めることができます。目的に応じて、視点を変えて書き分けることで、1つのテーマを幾つものコンテンツとして再利用することが可能です。

コラム記事型は、いくつかに分類できます。

お役立ち系コラム

コラム記事型の中では、多くの企業が取り入れています。多くのユーザーは、自分が何かについて知りたいと思いついたら、まずスマートフォンを取り出して、インターネット検索を行うでしょう。検索キーワードで上位表示されたサイトを閲覧し、求める情報が見当たらなければ、別のサイトへと移り、ネットサーフィンよろしく、満足する情報が見つかるまで、このネット検索は繰り返されるのです。

ただ、もしあるサイトに、いわゆる「お役立ち情報」が掲載されていたらどうでしょう。サイトを訪問したユーザーは、検索の手を留めて、コラムに気を引かれるかもしれません。コラム記事を一読してくれれば、それだけでも、来訪者のサイトでの滞在時間を延ばすことができます。ユーザーがブックマークを付けてくれれば、何度もサイトを訪れてくれるかもしれません。ユーザーに自社の存在を認知させ、取り扱う商品やサービスにも関心を寄せてもらえれば、コンテンツの役割は果たしたと言えるでしょう。

コンテンツマーケティングにおいて、一定の成果を上げている企業サイトの多くは、お役立ち系記事を積極的に公開しています。

例えば、ある生命保険会社が運営しているオウンドメディアでは、サイトのコンセプトに「お金」と「生活」を掲げ、「就職」、「結婚」、「出産」、「リタイア後の人生」など、それぞれのライフステージにまつわるお金の話を、コラムとして掲載。現代人のお金に対する興味を喚起させ、同社の存在を認知させるのです。これにより、自社ブランドの向上に繋がり、読者がいつの日か、保険の購入や見直しを意識した時、おのずと同社を思い出すという仕掛けです。

面白系/バズり型コラム

インターネットの普及と共に、消費者の情報発信力は飛躍的に向上しました。
自分が面白いと思ったネタは、SNSなどを介して、容易にシェアできるようにもなったのです。ある事柄が、インターネット上の口コミを通して、各種メディアで取り上げられる様子を、「バズる」と呼びます。

コラム記事型コンテンツの中でも、SNSでバズることを目的に作られたものは、「バズりコンテンツ」と称されています。自社の公開したコンテンツが、SNSでうまくバズらせることができれば、広告費用をかけずに情報を広めることが可能です。また、拡散された情報を受け取った他のユーザーが、興味を抱いてサイトに訪問してくることも十分にあり得るでしょう。面白系・バズり型コラムは、サイトへの自然流入を拡大させるコンテンツでもあるのです。

アンケート/調査系記事

ネットリサーチを駆使し、消費者へのアンケート調査の結果を公開しているサイトが多く見られるようになりました。実際のデータ基づいて書かれた記事は、読者の信頼性も高く、注目を集めやすいコンテンツとして重宝されています。

「Questant」や「Google フォーム」など、無料で提供されるテンプレートを使って、自社の製品やサービスについて、顧客の率直な意見を募ることができます。顧客の生の声は、製品の向上に反映させることができるほか、アンケートの集計結果に自前の意見を加えて公表することにより、1つのコンテンツ記事として成立します。

経営者/社員へのインタビュー記事

経営者へのインタビューでは、創業から受け継がれる企業理念や、事業を通して社会へ伝えたい思いなど、トップだからこそ語ることのできるメッセージを聞き出してコラムにまとめます。

また社員には、その会社で働くことでどのようなやりがいや、喜びが得られるか、あるいは仕事での失敗談など、人となりや職場の雰囲気が伝わるエピソードを聞いて記事にします。

採用サイト向けのコンテンツに多く見られるのですが、「企業は人なり」というように、働く人たちの素顔が浮かび上がるような記事は、会社のカラーが滲み出るものです。

経営者が語る企業理念や思いに共感した顧客が、自社と他社との差別化を図り、自社製品を購入し続けるきっかけにもなるため、顧客エンゲージメントの強化にも繋がるのです。

コンテンツの種類「コラム記事型以外のコンテンツ」

コンテンツの種類「コラム記事型以外のコンテンツ」
オウンドメディアで公開するコンテンツは、従来はテキストベースのコラム記事が主流でした。しかしコンテンツは、コラム型だけに限定されません。イラストやインフォグラムを多用したホワイトペーパーやeブック、動画や音声を多用したビデオコンテンツなど、色々な種類が存在します。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーは、ある課題を抱え、解決策を知りたいと頭を悩ませている企業の担当者に対して書かれた報告書、という考え方ができます。

その企業が独自に行ったアンケートや調査結果、あるいは自社製品の導入事例、商品の使い方の解説など、多岐に渡ります。ホワイトペーパーは、自社が扱う商品・サービスについて、開発者や技術担当者の意見を解説したものが多く、専門的な内容が、サイト上では公開しきれないほどのボリュームで書かれています。映画に例えるなら、WEBサイトに掲載されているコラム記事は予告編、ホワイトペーパーは本編、ということになるでしょう。

そして、ホワイトペーパーの入手方法には、ある仕掛けが施されています。サイト内の記事の内容に沿って、関連キーワードに近い場所へクリックボタンを設置しておきます。それにより、記事に書かれた内容以上の情報を欲している読者を、入力フォームへと誘導するのです。

入力フォームでは、読者は「氏名」、「年齢」、「企業名」、「所属している業界・業種」、「役職名」、「連絡可能な電話番号」など、個人情報の入力を求められます。企業側はこれらの情報を、ホワイトペーパーの提供と引き換えに獲得できる仕組みになっています。

企業側は読者を、自社サイトに偶然訪れた来訪者か、それとも、見込み顧客=リードの可能性のあるユーザーか、見定めたいと考えています。「個人情報を提供してでも、詳細な製品情報が欲しい」という意思をくみ取り、単なる読者からもうワンランク上のステップである、見込み顧客=リードになる見込みあり、という判断をしているのです。

動画コンテンツ

その訴求力の高さから、今後さらに注目を集めるものと思われるのが、動画コンテンツです。文章や静止画のみのコラム記事に比べ、動きや音声のインパクトにより、視覚や聴覚に訴えかける効果は抜群です。テキストだけでは伝えづらい、商品説明や取り扱い方法、操作手順、事例の紹介などには、その情報量の多さから、動画はより適しています。

ただ、文章を書けばすぐに公開できるコラム型記事とは違い、動画の作成には、色々と準備や時間、場合によっては金銭的費用が発生します。クオリティを追求するのであれば、それなりの撮影・編集技術や機材が必要になり、外部のプロダクションに作成を依頼するとなれば、さらに費用がかさむことになります。

しかし動画は、一度完成させてしまえば、オウンドメディアで配信するのはもちろん、WEB広告のコンテンツとして活用したり、SNSで公開したりと、活用の裾野は広げることが可能です。

メールマガジン

メールマガジンは、コンテンツマーケティングがビジネスシーンで存在感を増す以前から、顧客をつなぎとめるツールとして活用されてきた手法です。

企業側から、伝えたい情報を不特定多数の相手に、一斉に届けることが可能です。

インサイドセールスなどでも利用しているように、うまく使えば、リードナーチャリングにも効果を発揮するコンテンツではあります。ただし、他のコンテンツに比べると、メールマガジンはプッシュ型としての性格が強く、相手が関心を持たない内容のメールをしつこく送り続けると、企業への心証は悪くなってしまうので、配信には細心の注意を払う必要があります。

ランディングページ

「Landing Page=ランディングページ」は2つの意味を持っています。1つは、そのサイトを訪れる読者が、最初に閲覧するページという意味。もう1つは、リスティング広告やSNSを見たユーザーが、バナーやリンクをクリックして訪れる、商品・サービスの情報に特化したページを指します。

コンテンツマーケティングにおいては、通常、一般的にランディングページといえば、「商品・サービスの情報に特化したページ」の意味で使われています。ランディングページは、ページ訪問者に対し、ある特定の行動を起こしてもらうことを目的として作成されています。

ランディングページに訪問してきたユーザーに、起こして欲しい行動の一つには、商品に関する問い合わせがあり、これは売り上げに直結するアクションです。また、もう一つの行為としては、サンプルの申し込みや無料の会員登録が挙げられます。これにより、潜在顧客の個人情報を入手できるからです。加えて、展示会や説明会、イベントへの参加申し込みがあり、これは見込み顧客の獲得が見込まれます。

企業側は、サイトへの訪問者ははなから、商品・サービスについて関心を持っているものと解釈しています。従って、ページに掲載されるコンテンツは、該当する商品・サービスのみの情報に限定されている場合がほとんどです。そして、他のページへ移動してしまわないように、ランディングページ以外のページへのリンクボタンをあえて設置せずに、訪問者を囲い込んでしまうのです。その方が、CVR=コンバージョン率を向上させることができるからです。

セミナー

コンテンツマーケティングにおいては、セミナーや展示会など、参加者を募っての催し物も、コンテンツの一つと考えています。セミナーへの参加者にしてみれば、自身が抱える疑問に、専門家が直接答えてくれる、めったにない機会でもあります。また、普段なら会えない有識者と、対面でやり取りができる切っ掛けも貰えるのですから、まさに一石二鳥という訳です。

しかし、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、対面でのセミナーは敬遠されるようになり、それに代わって、WEB上でのオンラインセミナーが主流となりつつあります。ウェブとセミナーとの造語である「ウェビナー」という言葉も、昨今ではすっかり定着したようです。

CONTENT MARKETING INSTITUTEが公表している「2017 TECHNOLOGY CONTENT MARKETINGS Benchmarks, Budgets, and Trends -North America」※3という調査報告書によると、アンケートに回答したアメリカ企業の約95%が、 コンテンツマーケティングの手法を取り入れていると回答しています。

また、コンテンツマーケティングを実践している企業の中で、「あなたの会社で遂行しているコンテンツマーケティングにおいて、成功するために必須の戦略は何か」との質問に対しては、1位が「ブログ」で全体の57%、2位が「eブック/ホワイトペーパー」のダウンロードコンテンツと「ウェビナー」で49%、3位が「ソーシャルメディア」で40%という結果が出ています。

「B2B CONTENT MARKETING 2017 Benchmarks, Budgets, and Trends -North America」※3
https://contentmarketinginstitute.com/wp-content/uploads/2017/03/2017_Technology_Research_FINAL.pdf

ウェビナー(オンラインセミナー)では、主催者と参加者との双方が、パソコンあるいは、スマートフォンの画面を介して、お互いの顔を見ながら会話します。これにより参加者は、実際の会場にいるようなライブ感覚を味わうことが可能です。参加者はプレゼンターに直接質問したり、参加者同士で会話を交わしたりと、双方向なやり取りができることが最大の特徴です。

主催者側はウェビナーの開催中でも、話の内容に応じて資料を差し替えたり、追加のファイルを共有することができます。また、参加者の動向をリアルタイムで観察することができるため、ネットを介して、参加者の関心度合い、参加度合いをリアルにモニタリングすることが可能なのです。

さらに、ウェビナーの内容は録画しておけるので、後日、欠席した参加希望者もコンテンツを閲覧することができます。録画したセミナー内容は、自社独自の動画コンテンツとしてSNSで公開したり、自社サイト上で配信したりと、二次利用、三次利用が可能です。

ウェビナーでは、参加者は実際に会場に出向く必要がないため、オフィスやホテルのロビーなど、都合の良い場所から視聴できます。移動時間が節約できるため、オンラインセミナーを視聴する前後に、リモート商談やミーティングをセッティングすることも可能です。

これまで、セミナーへ参加する場合は、半日あるいは一日がかりでしたが、ウェビナーであれば、ネット環境とPCであれば参加できるので、仕事のスケジューリングも柔軟に調整できます。このような理由から、参加者はウェビナーに対する抵抗もあまり感じることがないようです。

コンテンツマーケティングの具体的な進め方①「施策の目的を定める」

施策の目的を定める

企業の事業活動の一環であるならば、コンテンツマーケティングにも、明確な目的の設定が必要になります。大体の民間企業は、利益の追求が経営上の至上命題ですから、最終的にはコンテンツマーケティングの目的も、「売り上げの向上」ということになります。

しかしこれでは、目的としてはあまりにも大雑把であり、現場の担当者は何から手を付ければ良いのか、戸惑ってしまうのではないでしょうか。そこで目を向けて欲しいのが、「コンバージョン」という考え方です。

コンバージョンとは、英語の「Conversion=CV」という意味であり、日本語に訳すと「転換」、「変換」となります。マーケティング用語では、潜在顧客が自社の見込み顧客に変化することを指し、自社のWEBサイトへの訪問者が、商品・サービスの購入や資料請求など、こちらの意図する行動を起こす状況を表しています。

コンバージョンは、コンテンツマーケティングにおいては、効果を測る指標としても用いられますが、業界や扱う商材によって種類は様々です。

サイト内での商品・サービス購入

B to C ビジネスにおいて、化粧品や健康食品、電子書籍やWEBサービスなど、比較的安価な商品を扱っているECサイトでは、訪問者にサイト内で商品・サービスを購入してもらうことが、コンバージョンであり、最終目標ということになります。

問い合わせフォームへの記入

B to Cビジネスの場合、買い手側の立場に立つと、個人が決定権を持っていることが多いようです。そうなると、サイト内での商品・サービス購入もスムーズに行われやすいのですが、商材が不動産や一戸建てなど、商材が高額で、購入するまでに検討期間が長く、サイトからの購入は期待できない場合、事情は異なります。また、生命保険や高級車のように、顧客との対面販売が主流となる業界では、問い合わせフォームへの個人情報の記入がコンバージョンとなります。

一方、B to Bビジネスにおいては、企業が製品・サービスを購入する場合、組織としての合意を得ることが条件となります。総務部門、財務部門、購買部門など、複数の部署が関係するため、各部門のニーズ、納期、予算については経営の立場から判断が下されてはじめて購入に至るのです。

B to B ビジネスでは、購入までの検討期間は比較的長く、また、一旦取引が始まると、売り手企業と買い手企業との関係は長期に渡ることが多いのです。ことに、機械やシステムなど、設備投資に関わる取引の場合、予算も高額で失敗は許されない、という心理も働き、製品・サービスの選定には慎重を期す傾向が強いようです。

上記のような理由から、B to B ビジネスにおいても、サイト運営側では、最初の顧客接点として、問い合わせフォームを介してのやり取りを重視しています。この「ファーストコンタクト」が、その後の顧客との良好な関係構築を左右することにもなるため、多くのB to B 企業が問い合わせフォームへの記入を、コンバージョンに据えているのです。

ホワイトペーパーやEブックのダウンロード

前述したように、ホワイトペーパーは、課題を抱えた企業の担当者向けに書かれた報告書の総称です。

内容は、製品の詳しい解説、導入事例、あるいは、独自に調査した研究レポートなど、様々です。中には、開発者や技術担当者の意見を解説したものも多く、より専門的な内容が、サイト上では公開しきれないほどの文字量で書かれています。

そして、ホワイトペーパーの入手方法に関しては、サイトの導線設計において、ある目論見が隠されています。サイト内の記事の内容に沿って、関連キーワードに近い場所へクリックボタンを設置しておくのです。これにより、読者を入力フォームへと、さりげなく誘導できます。

上述した問い合わせフォームと同様に、入力フォームでは、読者は個人情報の入力を求められます。企業側はこれらの情報を、ホワイトペーパーの提供と引き換えに獲得できる仕組みになっています。

企業側は読者を、自社サイトにたまたま訪れた訪問者か、それとも、見込み顧客=リードの可能性のある潜在顧客か、見極めたいと考えています。「個人情報と引き換えにしてでも、詳細な製品情報が欲しい」という意向から判断して、単なる読者からワンランク上の見込み顧客=リードになる見込みあり、とみなしているのです。

サイトへの訪問者はこの行為により、資料や事例集など、サイト上では得られない、より詳細な情報を手に入れることができます。またサイト運営側は、入手した顧客情報をリスト化してインサイドセールスと共有することにより、商談機会の創出を狙っています。従って、ホワイトペーパーやeブックなどのダウンロード数の増加を、コンバージョンの対象としている企業も多く見受けられます。

無料体験版の申し込み

B to C ビジネスでは、自社の取り扱う商材が、健康食品、コスメなどの美容関連である場合、無料の試供品の申し込みをコンバージョンに設定するケースもあります。もちろん、試供品の提供と引き換えに、読者の連絡先は獲得できるので、営業やインサイドセールスがそのリストをもとに、電話やメール送信などでフォローし、案件創出へ結びつけることができます。

セミナーや展示会への参加申し込み

主にB to B ビジネスにおいて、自社サイトで公開されているコンテンツや資料だけでは、伝えることが難しい製品の技術的な情報提供を行いたい時。あるいは、見込み顧客の囲い込みを狙うのであれば、セミナーや展示会への参加者数の獲得をコンバージョンとする企業も多いようです。

メーカーにおいて、生産ラインの見直しに伴う、システムの導入を検討している場合、買い手側の担当者は、売り手側の技術責任者に対し、専門的な質問をぶつけたいと考えているかもしれません。そのようなニーズに対しては、セミナーや展示会での質疑応答の機会を設け、適切に対応することにより、自社の存在を印象付けることができるでしょう。

また建設業なら、モデルルームの見学会や内覧会、学校法人や学習塾などの各種スクール経営ならば、オープンキャンパスや無料体験レッスンへの参加希望者数をコンバージョンとして設定することも可能です。

コンテンツマーケティングの具体的な進め方②「ペルソナの設定」

ペルソナの設定

先に触れた、CMIが提唱しているコンテンツマーケティングの定義を、今一度思い出してください。

「コンテンツマーケティングとは、価値のある一貫したコンテンツを作成・配布することに焦点を当てた、戦略的なマーケティングアプローチであり、明確に定義されたオーディエンスを引き付けて維持し、最終的には収益性の高い購買行動を促すことが目的」です。

再度、定義を読まれて、気になることはありませんか?「価値のある一貫したコンテンツ」とは、一体、「誰にとって」価値のあるものなのでしょうか。「明確に定義されたオーディエンス」とは、自社にとって、どのような存在であるかが問題なのです。

ターゲットを誰に設定するかによって、作成するべきコンテンツも違ってきます。自社の扱う商品・サービスを軸に、コンテンツマーケティングにおけるターゲットを定めましょう。その際、参考になる考え方が「ペルソナ」の設定です。

「ペルソナ」とは何か?

ペルソナとはラテン語の「PERSONA」のことであり、もともとは役者が被る仮面を意味していました。そこから派生して、俳優が演じる役割、役柄、さらには性格・人格を指すようになったのです。

心理学では、「外界へ適応するために必要な、社会的で表面的な性格」を表し、マーケティングでは、企業が商品開発する際に設定する架空の人格をペルソナと名付けました。

なぜ、架空の人格が必要になるのでしょうか。それは、すべての消費者の要求を満たす商品・サービスは、どこにもないからです。自社の商品・サービスを届けるに相応しい人物像を探すためには、無数にいる消費者の中から、最大公約数的な人物像を探り出して、それに肉付けするのが一番です。

顧客が生身の人間である以上、ペルソナも血の通った人格に限りなく近づける必要があります。そのためには、性別、年齢、名前、学歴、職業、収入など、定量的な属性はもちろん、悩みや趣味・趣向、人生観など、定性的なデータも加え、より具体的な人物像を生み出してください。

B to C とB to B とでは、「ペルソナ」の解釈が異なる

B to C ビジネスとB to B ビジネスとでは、ペルソナの意味合いが異なることを理解しておきましょう。

B to C ビジネスにおいては、商品・サービス購入の際の決定者は個人です。その人物の属性を細かく分析し、ペルソナに反映することは十分に意味を成します。

しかしこれが、B to B ビジネスになると、商材の買い手は企業という組織体になります。購入の意思決定者は購買担当者だけではなく、他部門をまたいで関係者が介在するのであれば、彼らの意見にも耳を傾ける必要があります。そうしておいてから、購買担当者の上席の同意を取り付けた上で、はじめて購入へと至る訳です。

このようなプロセスを経るのでは、誰か1人をターゲットとしてペルソナの設計を行っても、あまり意味がありません。

B to B ビジネスでは、例えば、ある企業で大掛かりなシステム導入の話が動き出したとすると、意思決定に関係する人は複数人存在します。経営者を筆頭に、予算管理の責任者、システム部門の責任者、システム導入に伴い、作業行程が変わる可能性のある他部門の関係者、そして最初に接触したシステム導入の担当者を含め、少なくとも5人以上でしょうか。

そうなると、買い手側企業の担当者1人のペルソナだけを設定しても、不十分ということになります。そこでまず、ターゲットとして照準を合わせる企業群を定め、その中で導入に関与する関係者の人物像を固めるのです。

個人のペルソナ設定において、属性情報は必須ですが、これは企業においても同様です。企業版ペルソナの設定に欠かせない要素が、「Firmographics=ファーモグラフィクス」です。ファーモグラフィクスを作成するには、自社の収益がどのように構成されているか、把握することから始まります。次に、売上上位20%に入る顧客企業を抽出し、企業規模、従業員数、社歴、年間売上額、拠点数、業種・業態、取扱商品・サービス、直面しているであろう課題などの項目で分類・整理し、企業版ペルソナを設定します。その上で、購入関係者1人1人のペルソナ設定を進めると良いでしょう。

コンテンツマーケティングの具体的な進め方③「購買行動プロセスを理解する」

購買行動プロセスを理解する

マーケティングにおいては、企業がターゲットとする消費者は、購買行動プロセスのどの位置にいるかで幾つかに分類されます。

AIDMA理論

消費者を理解する上で、マーケティングには重要なコンセプトがあります。

それが、「AIDMA理論」です。1920年代、アメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱した考え方で、「Attention=注意」、「Interest=興味」、「Desire=欲求」、「Memory=記憶」、「Action=行動」の頭文字を取ったものです。

消費者は当初、ある企業や取り扱う商品・サービスに気付き(Attention)、興味を抱き(Interest)、手に入れたいと思うようになります(Desire)。そしてそれを記憶し(Memory)、最終的に購買行動に至る(Action)という行程を辿ります。

この流れの中で、Attentionのフェーズにいる消費者を「潜在顧客」、Interest、Desireのフェーズにいる消費者を「見込み顧客=リード」、その後、Memoryを経て、Actionすなわち、購買行動を起こす消費者を「顧客=ホットリード」というように分類するのです。

AISAS理論

2000年代に入り、インターネット環境が整備されるにつれて、消費者は積極的に行動して、情報を収集するようになりました。これに伴い、消費者の購買行動プロセスも大きな変化を遂げます。マーケティングでは、その変化に敏感に反応し、新たな理論が提唱されました。それが、電通が提唱した「AISAS理論」です。

「Attention=認知」、「Interest=興味・関心」、「Seach=検索」、「Action=行動(購入)」、「Share=共有(拡散)」の5つの購買行動モデルです。

ここで重要なことは、新たに「Seach=検索」と「Share=共有(拡散)」が加わっている点です。以前は、企業が情報を発信する際、自社の商品・サービスの宣伝ポイントなどを、マス媒体を利用して一方的に押し付ける形が主流で、「プッシュ型」の広告とも呼ばれていました。

しかし、インターネット環境が整い、消費者がパソコンやスマートフォン、タブレットなどのITツールを所有するようになると、状況は一変します。消費者がある商品について知りたいと思ったら、ITツールを使って、自ら情報収集に動くようになりました。これにより、情報のやり取りにおいては、企業側と消費者は、互いにイーブンな関係に立ったのです。

そして、インターネットを通した情報検索の進化と同時に、消費者の情報発信力も劇的に強化されました。マスメディア全盛の時代には、AIDMA理論において、購買行動プロセスは行動(購入)で完結していました。ところが、AISAS理論では、購入した後の消費者行動にも着目しています。

消費者がある企業の商品・サービスを購入し、満足を感じたならば、レビューやSNSなどで感想や評価を拡散するのが日常のこととなりました。レビューやSNSを見た別の消費者は、もしその商品・サービスを知らなければ、取り扱っている企業のサイトを検索し、自分の力で情報を集めようとするでしょう。

この消費者同士が起こす連鎖は「口コミ効果」と称され、AISAS理論では、「Share=共有(拡散)」と名付けられています。企業側はここまでを想定して、マーケティングの施策を設計する必要があるのです。

コンテンツマーケティングは、潜在顧客を顕在顧客へ変え、さらに見込み顧客=リードとして商品を購入する顧客に育て、最後は自社のファンにして、顧客体験を他人に伝播してもらう仕組み作りでもあります。それぞれのフェーズの顧客が求める情報を、コンテンツとして作成し、最適なタイミングで提供することが戦略であり、重要なポイントとなるのです。

ZMOT理論

Googleは2011年に、消費者が購買に至るまでの行動の変化を「ZMOT」と名付け、公表しました。これは、「Zero Moment Of Truth」の頭文字を取ったもので、「FMOT」を意識したコンセプトです。

FMOTは、2004年にP&G(プロクターアンドギャンブル)社が提唱した理論であり、消費者が商品の購入を決める最初の瞬間を指しています。それまでは、消費者の行動を、3段階に分けて解釈していました。つまり消費者は、ある商品をテレビCMや雑誌広告で知ることで刺激を受け、店頭を訪れて商品を購入し、商品を持ち帰って使用する、というパターンです。

P&G社はこの中で、消費者は店頭でのPOPや商品陳列、販売員からの情報提供に、購入意思を大きく左右される、と説きました。例えば、ある人がテレビCMで芳香剤の新商品を知り、それを買いに店頭に足を運んだとしましょう。陳列棚へと向かい、お目当ての商品に手を伸ばした際、何気なく他社の商品が目に入ります。その時、「広告の品」の文字と半額の値札が目に飛び込み、結局、その人は他社の商品を手にして店を出たのです。P&G社は、消費者の購入決定に大きな影響を及ぼすのは、店頭における体験であると理論付けたのです。

インターネットの普及による、検索行為の習慣化と、Googleの検索エンジンのアルゴリズムの進化により、このような購買行動の様式は、大きく変わりました。

Googleが公表している消費者調査報告書「Winning The Zero Moment Of Truth」※4によると、アメリカ人の70%が消費購入前にはレビューを見ていると答えています。また、消費者の79%がショッピングにスマートフォンを利用しており、子を持つ主婦の83%が、テレビである商品の広告を見て興味を抱いたら、ネット検索をしていると回答しました。

このような背景から、数百万人もの買い物客は、店に入る前に、「何を購入するか」という決断を下しているという事実が判明したのです。

以上のような状況では、企業側は消費者に対し、どのような情報を提供すればよいのでしょうか。Googleの報告書では、ZMOTにおいては、全体の半数がネット検索と家族や友人との会話を主な情報源としており、次いで比較サイトや商品レビューを参考にしています。この段階では、消費者は広く浅く情報を集めているので、余り押しつけがましい売り込みは避け、情報収集を後押しするようなさりげないコンテンツの提供が求められるようです。

※4 Google・「Winning The Zero Moment Of Truth」
https://www.thinkwithgoogle.com/_qs/documents/673/2011-winning-zmot-ebook_research-studies.pdf

コンテンツマーケティングの具体的な進め方④「購買行動プロセスに沿ったコンテンツの作成」

購買行動プロセスに沿ったコンテンツの作成

ここまでお読みになられた方は、コンテンツマーケティングの実践において、コンテンツの種類を理解すること、目的を設定することの重要さについては、十分にご理解頂けたと思います。

ここからは、どのコンテンツを、どういったタイミングで提供すればよいのか、顧客の購買行動プロセスの各段階に合わせて考えてみましょう。

認知段階

この段階では、自社が見込み顧客と認めるターゲットに対し、彼らが興味を持ちそうな記事を作成し、オウンドメディアで公開することにより、PV数を増やすことが大切です。

この段階に相応しいコンテンツは、コラム記事型です。また、コンテンツの伝達経路は、自社サイト、サイトのSEO対策による検索流入、メールマガジン、リスティング広告、SNSなどが考えられるでしょう。

興味/関心段階

この段階では、自社のオウンドメディアで、記事を読んだ見込み顧客=リードに対し、その記事で取り上げたテーマについて、さらに深い理解を促すことが重要になります。そのためには、さらに詳しい解説を行ったり、セミナー(ウェビナー)への参加を呼び掛けるなど、相手の興味や関心を一層喚起させることが求められるのです。

この段階で求められるコンテンツは、ホワイトペーパー、動画コンテンツ、セミナー(ウェビナー)などです。伝達ルートは、ポップアップ画面から誘導する申し込みフォーム、サイト内にあるバナー広告などが適当です。

比較/検討段階

この段階までくると、見込み顧客=リードは自社を認知すると共に、商品・サービスへの関心も徐々に高まっている頃です。消費者がある商材に興味を抱いたら、次に起こす行動は他社との比較です。

比較する項目は商品機能、デザイン、価格など多岐に渡るため、詳細なデータと画像などで、ホワイトペーパーをきちんと作り込むと良いでしょう。また、商品の操作方法や取説などは、動きと音声を加えた動画で、より分かりやすく表現するようにしてください。もちろん、展示会やセミナーへの参加をメールで呼びかけるなど、キャンペーンの告知や特典の付与なども、継続して配信しましょう。

購買検討段階

見込み顧客=リードは、今はまだ、自社や自社製品・サービスに興味を持たない「コールドリード」と、購買まであと一押しのところまできている「ホットリード」に分けることができます。とは言っても、両者は別々に存在するのではなく、はじめはコールドリードでも、「育てる」ことにより、徐々にホットリードへと変えていくことができます。マーケティングでは、このコールドリードを、ホットリードへと育てる行為を「リードナーチャリング」と呼んでいます。

ここまで、購買行動プロセスの各段階に合わせ、自社のオウンドメディアにおいて、お役立ち情報や、課題解決に結び付くコンテンツの提供を通して、リードにどのような利益が得られるか、明確に提示してきました。これにより、リードの購買意識はさらに高まり、実際に商品・サービスの購入へと踏み出していくことになります。この時点で、コールドリードはホットリードへと育ち、成約確度の高いリードのリストが完成するのです。厳密には、ここまでがマーケティング部門の仕事です。

コンテンツマーケティングは、「押しつけがましいプロモーション」の対極にあり、「売り込まない」ことを基本としています。企業の中には、このことを強く意識するあまり、肝心の営業活動がおろそかになり、ホットリードが商品購入にまで至らず、施策が徒労に終わるケースが見受けられます。

コンテンツマーケティングは、見込み顧客の購入意識の変化に合わせて、コンテンツも最適なものを選ぶ必要があります。購入意欲の高まったリードに対しては、売り込みを仕掛けても支障はありません。消費者が何かを購入しようと思いついた際は、「本当にこれでいいのか?もっと他に良い商品があるかも」と、不安が付きまとうものです。そんな時に人は、誰かに背中を押してもらいたいと考えるものなのです。

リードのマインドが、購買行動プロセスの最終段階に差しかかったら、「売り込み」もコンテンツの1つと解釈してみると良いでしょう。

成約確度の高いリストは、その後、マーケティング部門の手を離れ、営業部門の手に委ねられます。営業担当やオペレーターが電話やメールを利用して、リードへ適時にコミュニケーションを重ね、購買意欲を少しずつ高めていく手法が取られます。この手法は「インサイドセールス」と呼ばれ、大手企業では、マーケティング部門と営業部門との間に、独立したインサイドセールス部門が設置されていることが多いようです。

インサイドセールスでは、オペレーターがリードに架電した際、会話を通して商品への興味の度合いを測り、口頭によるフォローを行います。必要に応じて、メールやチャットで意見交換したり、資料を送付するなどして、臨機応変に対処します。

場合によっては、この時点で逆に、オペレーターがオウンドメディアのコンテンツを案内することもあります。既に、リードは旺盛な購買意欲を持っているので、自社の製品・サービスを購入することにより、どのように課題解決に結び付くのか、具体的なイメージを呼び起こす事例の紹介など、商品購入を支援するようなコンテンツが求められます。

コンテンツマーケティングは、情報を探している人に、最適なコンテンツを絶妙なタイミングで提供するという、「押しつけがましくない」アプローチ方法です。消費者は露骨な売り込みは拒絶しますが、商品を選ぶ手伝いをしてもらうと喜びます。企業側が伝えたいことと、消費者が知りたいことのギャップを、コンテンツの力で埋めることにより、企業は消費者の購入の手助けが可能になるため、これにより両社の間に信頼関係が築かれるのです。

共有/拡散段階

高速インターネットの発達と社会への浸透に伴い、消費者はSNSなどを介して、大きな情報拡散力を手に入れました。ある商品を購入して、期待した以上の満足を得られれば、消費者はその感動体験を、TwitterやInstagramなどのSNSで「シェア」するでしょう。

そして、そのシェアされた情報は、他の消費者の目にとまり、利害関係のない第三者からの情報として、簡単に受け入れられることになります。これが、「口コミ」と呼ばれる現象です。口コミ効果は、新規顧客の獲得に寄与するほか、既に購入した顧客をさらに魅了し、自社ブランドの向上に繋げることもできるのです。

SNSによる情報の拡散は、顧客の自主的な行為であるため、企業側の思い通りにはなりません。自社の製品・サービスにより、ユーザーエクスペリエンスを高めることができれば、顧客は自身の体験を他人と共有しようとするのです。企業側としては、購入後のアフターフォローの充実ぶりをアピールしたり、製品の今後のバージョンアップ情報を開示する努力が求められます。顧客が欲しがりそうなサービスを、予測して提供することにより、顧客によるSNSでの拡散を促すことができるかもしれません。

コンテンツマーケティングの具体的な進め方④「コンテンツの届け方」

コンテンツの届け方

コンテンツマーケティングを実践する上で、担当者の頭を悩ませる事項が2つ、存在します。

1つは、有益なコンテンツを作成すること。もう1つは、作成したコンテンツを、どのような手段でターゲットに届けるか、ということです。

どんなに良質なコンテンツでも、受け取ってくれる人がいなければ、宝の持ち腐れというものです。

コンテンツマーケティングは、自社のターゲットとする顧客が有益と感じるコンテンツを、オウンドメディアを中心に展開する手法です。

このオウンドメディアとは、情報発信用に企業が所有するメディアの全てを指します。ネット上で運営される企業のコーポレートサイト、ダウンロード用コンテンツ、メールマガジン、紙媒体である会社案内、チラシ、商品の取説、営業マンや店頭販売員からの口頭説明、展示会での商品案内など、多種多様です。

顧客が求めている情報を、「いつ」、「どこで」、「誰に」届けるかが問題です。自社が持つ情報発信手段(メディア)を組み合わせ、最適な方法とタイミングでコンテンツを提供することが、コンテンツマーケティングの戦略なのです。

ただ、一般的にコンテンツマーケティングの戦略は、ネット上のサイトにコンテンツを公開し、顧客に配信する方法が多いようです。そこでこの項では、インターネットを介したコンテンツの配信方法について、考察しておきましょう。

独自ドメイン内のサブディレクトリ型

現在のビジネス環境において、どの企業でも自社のコーポレートサイトはお持ちだと思います。現在のビジネスシーンでは、もはやコーポレートサイトは名刺代わりと言っても良いでしょう。コンテンツの配信を独自のメディアで行う場合、一番手っ取り早い方法が、「サブディレクトリ型」です。

これは、既存の自社サイトの傘下にディレクトリを足していく形式で、オウンドメディアを一から立ち上げるよりもハードルは低いようです。

自社のコーポレートサイトの配下(サブディレクトリ)に、新たにオウンドメディア用のページを取り付けるイメージです。ドメイン名は、「https://〇〇〇.jp/column」といった形になります。

これにより、自社のコーポレートサイトと、取り扱う商品・サービスとのイメージを統一することが可能になります。

別ドメインのオウンドメディア型

上記のサブディレクトリ型とは異なり、こちらは既存のコーポレートサイトとは別にドメインを取得し、独立した形でオウンドメディアを立ち上げる形式です。共通したテーマに基づき、コンテンツだけを集めて、運営するメディアです。

例えば、ある化粧品メーカーでは、コーポレートサイトとは別のドメインでサイトを立ち上げ、「美」にまつわるコンセプトでコンテンツを集めて公開しています。美容から食生活、はては生き方まで、およそ「美」に関心の高いユーザーをサイトへ流入させる効果が期待できます。そして訪問回数を重ねるユーザーの中には、メーカーが取り扱う化粧品にも関心を寄せる人が出てくるでしょう。

他の媒体へ投稿するパターン

情報を発信するという観点からすると、オウンドメディアにこだわる必要はありません。他社が運営するサイトへ、コンテンツを投稿するという方法もあります。

「はてなブックマーク」というコンテンツプラットフォームを運営する、株式会社はてなという会社があります。

同社が運営している「はてなブログ」は、編集画面などがはじめから装備されており、柔軟性や操作性に優れています。独自にドメインを取得して、サイトを一から立ち上げるよりも、安価かつ手軽にコンテンツの発信を行うことができます。

また、月間1億4千万を超えるユニークブラウザを持つプラットフォームを基盤にして、複数のユーザーコミュニティにリーチできるほか、「はてなブックマーク」との相乗効果により、企業一社のオウンドメディアでは達成できないほどのアプローチを実現することが可能です。
他社が展開するメディアを利用すれば、独自ドメインを取得して一からWebサイトを立ち上げる、という時間もコストも削減できます。

ただ、既存メディアを使用するということは、他社の用意した場所に間借りすることを意味します。こちらの意図に沿わないことがあっても、自由にならないケースもあります。例えば、用意されたサイトのデザインテンプレートが気に入らなくても、勝手にカスタマイズすることはできません。

また、既存メディアによっては、「商業利用は不可」、「ドメインの移管禁止」などの制約がある場合も多いようです。あるいは、突然にサービスの提供を停止する、というケースもあり得ます。

コンテンツマーケティングに投入する予算に、少しでも余裕があるなら、独自ドメインを取得するか、既に取得しているドメインのサブドメインの使用許可を取得するかして、自社でオウンドメディアを運営する方が賢明な選択と言えるでしょう。

※5「はてなブログ」
https://hatenablog.com/guide/corporation

コンテンツマーケティングの具体的な進め方⑤「オウンドメディア開設前に準備するもの」

オウンドメディア開設前に準備するもの

ここから先は、独自ドメインを取得し、自社でオウンドメディアを開設することを想定して解説を進めます。

サーバーを準備する

自社での独自のメディアを立ち上げる際、まず準備するものはサーバーです。

サーバーとは、ネットワーク上で接続されたコンピュータ同士が、データファイルをやり取りするコンピュータやプログラムを指します。

このサーバーが介在することにより、世界中どこからでも、情報の送受信が可能になりました。ただ、大手企業でもない限り、自社で専用サーバーを用意することは現実味がありません。そこで大概の企業は、独自ドメインを取得するのと同時に、レンタルサーバーの使用契約も結んでいます。

他社のメディアのサービスを利用するのであれば、サーバーは無料、あるいは有料でもかなり低額で使用できます。しかし、メールの送受信サービスができなかったり、PHPなどのプログラミングを活用した、動的ページが出力できないなどのデメリットもあります。

その点、レンタルサーバーであれば、独自ドメインと紐づけることにより、自社のドメインメールを取得して、メールのやり取りができます。そしてサーバーに、PHPがインストールされているのであれば、PHPを利用した動的サイトの作成も可能になります。

レンタルサーバーを選ぶ際に、押さえておきたいポイントが2つあります。

1つは、自社のオウンドメディアで何がしたいのか、施策の目的を明確にしておくことです。自社サイトを起ち上げる時、レンタルサーバー選びの際に失敗しやすいのが、必要のない機能まで装備されたマシンを選択してしまうことです。これでは、一度も使用しない機能に、無駄なお金を払ってしまうことになりかねません。

もう1つは、借りようとしているレンタルサーバーが、SSL対応しているか否か、という点です。SSLとは、「Secure Sockets Layer」の略で、インターネット上の通信を暗号化するテクノロジーです。インターネットを介したデータのやり取りは、常に悪意の第三者の目に晒されていると思った方が賢明です。

SSL対応のサーバーならば、データ通信は暗号化されているため、個人情報の流出や改ざんなどは、未然に防止することができます。自社サイトのセキュリティを強化することで、ユーザーは安心してアクセスすることが可能になるのです。

外部の第三者に、個人情報が容易にハッキングされる今日。自社サイトへの来訪者を、情報漏洩というリスクから守ることは、オウンドメディアを運営する側の責任の一部と言えるでしょう。

CMSの設定

コンテンツマーケティングを本格的に推進するのであれば、それ相応の知見とスキルを持つ外部のプロに任せるのが成功への近道です。

ただ、ブログ記事の更新や簡単な画像の差し替え、サイトデザインの単純なレイアウト変更などであれば、社内の担当者が行った方が、効率面やコストからみて得策でしょう。

しかし、全くWEBの知識のない人であれば、HTMLなどのプログラミング言語やウェブデザインの習得に、時間と労力を取られ、本業に支障をきたしてしまうかもしれません。

そこで賢く利用したいのが、CMS=Content Management Systemです。

CMSは種類がいくつかありますが、その中でも「WordPress」※6は、世界中で多くの人々に利用されています。利用は基本無料で、WEBの知識がない方でも、容易にWEBサイトを作成することができます。操作性や利便性に優れ、多種類のプラグイン機能を使えば、自社のコーポレートカラーを利用したデザインにカスタマイズすることも可能です。さらに複数の人間による同時編集も行えるので、スマートフォンやタブレットを操作して、あらゆる場所から記事を投稿・修正することもできます。

他にも、「Mobile Type」※7は、国内5万サイト以上に利用されているCMSです。

バージョンアップした最新の「Movable Type 7」は、コンテンツを構造化して保存し、その出し入れを容易にする、コンテンツの拡張性に富んだCMSです。コンテンツタイプのフィールド作成により、誰でも操作しやすい投稿画面が作成され、構造化されたデータが作成できます。また、これまでのエディタに加えて、ブロックエディタを搭載。これにより、デザイン要素をコンテンツと分けることができるので、コンテンツのポータビリティを向上させました。

※6「WordPress」
https://wordpress.com/ja/

※7「Mobile Type」
https://www.sixapart.jp/movabletype/

コンテンツマーケティングの具体的な進め方⑥「SEOの基本的な考え方を理解する」

SEOの基本的な考え方を理解する

SEOとは、「Search Engine Optimization」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと、「検索エンジン最適化」という意味になります。

検索サイトの大手であるGoogleやYahooは、独自のアルゴリズムに基づいてネット上を徘徊する検索ロボットを有しており、このロボットを用いて、数多あるサイトを吟味し、評価しています。

ユーザーがあるキーワードで検索を行うと、検索エンジンは瞬時にキーワードに関連したサイトをスクロールし、検索結果を表示します。評価の高い順に、上からサイト名が掲載されるのですが、検索結果の上位に表示されるということは、それだけサイト名がユーザーの目に留まりやすくなる訳で、自社サイトへ流入する確率も高まることになるのです。

SEOの基本的な考え方

SEOで検索してきたユーザーを、自社サイトへ流入させるためには、サイトやコンテンツをどのように作成するべきでしょうか。

これを実行する上で、理解しておかなければならないことがあります。つまり、検索エンジンのアルゴリズムは、何を基準にサイトを評価しているのか、ということです。

この評価基準は、当初、サイトのボリュウムの多さと、被リンクの数に影響されていました。サイト内の記事の容量が多ければ、ユーザーにとって価値がある、と解釈されていたのです。また、被リンクの数が多ければ多いほど、外部から価値ありと認められている証拠と受け取られていました。

しかしこのような考え方は、行き過ぎた行為を生み出しました。大して中身のない、文字量だけを稼いだ記事を掲載したり、外部業者にお金を払って被リンクを増やし、強引に検索結果の上位表示を狙う、というような悪質なサイトが横行したのです。

これに対抗するために、Googleは何度か、アルゴリズムのアップデートを行いました。その結果、検索エンジンには、検索クエリ(検索意図)を満たす、有益な情報が掲載されているWEBサイトを、検索結果の上位に表示させるアルゴリズムが組み込まれることになったのです。

従って、WEBコンテンツページは、検索結果の上位に表示させることを目的に作成するのではなく、自社がターゲットとするユーザーが知りたいことを、わかりやすく説明する、というスタンスで作ることが大切なのです。

オウンドメディアを運営している方の中には、SEOを「楽に検索順位を押し上げる裏技」のように捉えている人がいるようですが、それは大きな誤解です。むしろ、ユーザーのニーズを意識した、地味なWEBコンテンツページ作りがSEOそのもの、と言っても良いでしょう。

SEOは集客手段であり目的ではない

SEOを理解する際に、もう1つ、心に留めておかなければならないことがあります。それは、SEOはあくまで集客手段の1つであり、目的ではないということです。

この稿でも何度か言及しているように、コンテンツはターゲットの目に触れなければ作った甲斐がありません。コンテンツをオウンドメディアで公開しているのなら、オーガニック検索による、自社サイトへの流入増は大きな課題です。

しかし、これだけを目的にしていると、大きな落とし穴にはまるおそれがあります。折角、自社サイトを訪問したユーザーが、コンテンツに興味を示さずに、簡単にサイトから離脱したり、一向にこちらが意図した行動を起こさない、あるいは購入行動にまで至らない、というパターンはよく見受けられます。これは、サイトへ流入してきたユーザーのニーズと、公開されているコンテンツとのミスマッチが引き起こしている現象です。

また、あることを調べるために検索を行い、サイトを訪問してきたユーザーは、既に自らの欲求に気付いている人達です。顕在したニーズを抱えた消費者、いわば、自社にとっての「顕在顧客」候補と言えるでしょう。

一方、検索エンジンを使わずに、サイトを訪れる消費者も存在します。SNSで自社に興味を持ち、ダイレクトにサイトへ訪問してくる人は増えています。あるいはチラシや、店頭における販売員の口頭説明で、自社や商品・サービスを認知する方もいるでしょう。これらの人達は、自身のニーズにさえ気づいていない、「潜在顧客」と捉えることができます。

そう考えると、SEOのみを念頭に置いたコンテンツ作成・提供は、潜在顧客を切り捨てることを意味します。コンテンツマーケティングでは、消費者の購買行動プロセスを強く意識し、各フェーズに合わせたコンテンツを作り、提供するプロセスを主眼としています。この行程の中で、見込み顧客=リードへと繋がる可能性のある潜在顧客を集める作業が「リードジェネレーション」であり、プロセスの中でも重要な部分です。

因みに、SEOだけを目的にしたコンテンツは「コンテンツSEO」と呼ばれ、コンテンツマーケティングでも、一般的なコンテンツとは明確に区別されています。
コンテンツマーケティングは、検索エンジンを利用して流入してくるユーザーはもちろん、他のチャネルからサイトを訪れる消費者、リアルな営業トークやセミナーでの案内で自社を認知する人まで、広範囲に対象を据えていることを認識してください。

まとめ:施策の目的を明確にして戦略をもって取り組もう

施策の目的を明確にして戦略をもって取り組もう

今回は、コンテンツマーケティングという施策について、コンセプトから具体的な進め方までを、わかりやすく解説しました。

コンテンツマーケティングという概念が、マーケティング先進国のアメリカで注目され出したのは2000年代に入ってからでした。

日本においては、2014年頃に、マーケティングのトレンドとしてもてはやされ、当初は、「サイトにブログ記事を掲載して、自社の認知度を上げる方法」、あるいは「SEOの新手法」との解釈が大半でした。

もちろん、そうした捉え方は間違ってはいませんが、コンテンツマーケティングの本質を言い当てたものではありません。

コンテンツマーケティングとは、自社がターゲットに定める顧客に対し、彼らにとって有益な情報をコンテンツとして提供することで、自社の認知度を上げ、取り扱う商品・サービスに興味を抱かせ、最終的には購入させるまでの一連のプロセスを指します。

もっとも昨今では、上記のようなコアなコンセプトに加えて、自社の商品・サービスにより満たされた満足感を、顧客にSNSを介して拡散させることにより、自社サイトへの流入拡大と、自社ブランドの向上効果にも期待が寄せられています。

コンテンツマーケティングのメリットは、すぐに始められる手軽さと広告費の削減効果、ブログ記事などはアーカイブとして資産化できること、そして顧客ロイヤリティを向上させることと、SNSとの相性が良い点です。

これに対してデメリットは、施策の効果を実感できるまでには時間がかかること、施策の効果を増すためには戦略が必須であり、この戦略の設計は複雑で、それなりの知識と経験、スキルがないと挫折しかねないこと。そして、中小企業などでは、人的リソースの確保が困難であることです。

従来のマーケティングが「プッシュ型」であるのに対し、コンテンツマーケティングは「プル型」、つまり、消費者の方から「見つけてもらう」マーケティングという解釈が成り立ちます。それだけに、コンテンツの質にはこだわる必要がありますが、このコンテンツをどう捉えるかが問題です。コンテンツの本来の意味は、「中身」であり、メディアはあくまで器に過ぎません。コンテンツマーケティングにおけるコンテンツとは、企業と顧客とが最良なコミュニケーションを図るために必要な、顧客が本当に欲しがっている情報に他なりません。

コンテンツには、いくつかの種類・形態があり、それらを事前に把握した上で、最適なチャネルとタイミングで顧客に届けることこそ、コンテンツマーケティングの戦略です。

コンテンツマーケティングの具体的な進め方としては、まず施策の目的を定め、コンテンツを届けるべき相手、すなわちペルソナを設定し、次いで顧客の購買行動プロセスを理解することが求められます。その上で、購買行動プロセスに沿って、各段階で最も相応しいコンテンツを作成し、届けることが重要です。

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大庭隆之
大学卒業後、新聞社に勤務。企業へのインタビュー記事作成業務を経たのち、広告制作会社に勤務。退社後は、フリーランスのライターとして活動中。得意分野は、ビジネス、マーケティング、各種マーケットリサーチなど。
コンテンツマーケティングを成功に導く3つのステップ