なぜ今、非対面営業という手法が求められるのか/その背景と理由、導入事例の紹介

「非対面営業」という言葉は、一度は耳にされたことはおありでしょう。これまでのように、対面による商談が正攻法とすれば、非対面での営業は援護射撃程度に認識されている方が多いのではないでしょうか。
かつては営業といえば、「靴をすり減らして、お客さんを何件回れたか」が勝負でした。
訪問される側の買い手も、どれくらいの頻度で自社を訪ねてくるかで、営業マンの熱意を計ったものです。しかしこの1年、世界が新型コロナの脅威にさらされると、事態は一変しました。
根性論を振りかざした訪問型営業は、過去のものになりつつあります。非対面営業を正確に理解し、効果的に実施することが求められる時代が近づいているのです。
今回は、非対面営業が求められる背景と理由、実際に成果を上げている企業の事例をご紹介します。

この記事の目次

非対面営業が求められている背景

外国の街並み
深刻な出生率の低下と、親の介護や育児などで離職を余儀なくされる労働者の増加などで、労働力人口の減少が加速していた社会現象を踏まえ、2016年9月、当時の安倍内閣は対策の切り札として「働き方改革」を掲げ、労働者1人1人の生産向上の観点から、テレワークの推進を促しました。
ただその頃は、出社しての勤務が当たり前であったこと、また実施にあたっては、IT環境を整えるための初期投資が必要であったことから、多くの企業はテレワークに踏み切ることに消極的でした。
しかしその後、2020年3月の世界的な新型コロナウィルスの感染者拡大を受け、政府は第1回目の「緊急事態宣言」を発令し、企業に対して在宅勤務への早急な移行と、在宅勤務率を全体の7割に引き上げるよう求めました。
企業側も、そのような政府の強い姿勢に後押しされ、半ば見切り発車的に、在宅勤務へと舵を切りかえたのです。社内会議やリモート営業に欠かせない、WEB会議システムを提供するZoom Video Communications Incの株価は、新型コロナの拡大が顕在化する前の2020年1月28日には$71.51であったものが、以降はうなぎ登りに推移し、2020年10月19日には$568.34と、実に8倍もの値上がりを示しました。※1
営業及びマーケティングのための、CRMプラットフォームを提供するHubSpot Japan株式会社が2020年12月に実施した「日本の営業に関する意識・実態調査2021」※2によると、B to Bビジネスにおけるテレワーク導入率は、54.4%と半数を超えました。さらにその内訳をみると、全体の77.0%が「直近1年以内に導入している」ことから、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、営業組織においても、テレワークが急速に浸透していることが見て取れます。
※1

※2
https://www.hubspot.jp/hubfs/PressRelease_HubSpot_20210208.pdf?_ga=2.14569783.1630157024.1616156427-565520731.1595410946

「非対面営業」が必要とされる理由/営業現場での意識の変化

「WHY」の文字と「?」
このようなビジネスを取り巻く変化を背景に、営業手法においても変容を迫られることになりました。
前述した意識調査によると、電話やEメール、ビデオ会議ツールを用いた「非対面営業」については、導入率は36.4%で未だに低い数値となっています。ただ、構成比をみるとそのうちの45.0%が、やはり直近1年以内に導入したと答えており、この1年で営業現場においても大きな意識変革が生じたことが分かります。
また同調査では、売り手側の回答者に、非対面営業導入前後の気持ちの変化を聞いたところ、74.2%が「以前は訪問営業が当たり前だったが、そうではなくなった」と回答し、63.3%が「今まで自社の業種は、非対面営業はできないと思っていたが、意外に可能だった」と答えています。(複数回答)
さらに買い手の意識を探ると、2020年12月の調査時点では、「非対面営業が好ましい」と答えた人は38.5%と、「訪問営業が好ましい」と回答した35.0%を上回っています。加えて買い手に対し、「買い手にとって、どのような人物が誠意のある営業担当者か」との質問を投げかけると、1位は「できないことを明確に伝えてくれる」が47.9%、2位が「短時間で内容の濃い商談をしてくれる」で41.4%と、「足を運び、対面で話してくれる」の23.9%を大きく引き離す結果となりました。
以上のことから、営業の現場においては、買い手が好ましいと感じる営業担当者は、実際に自社に足を運ぶ営業ではなく、短時間で中身のある商談をしてくれる営業だということが明らかになりました。
もはや、汗をかいて得意先をまわってナンボ、という根性論を振りかざした営業手法は、時代遅れになりつつあります。まして、新型コロナ禍の終息が見通せない現在、対面営業は敬遠される傾向にあり、それを打破する方法の1つとして、非対面営業に注目が集まっているのも自然な流れと言えるでしょう。

各業界に見る「非対面営業」導入事例

両手を上に向けて広げるビジネスマン
「非対面営業」という手法が求められている理由は、新型コロナウィルスの感染拡大を防止し、多様な働き方を実現するためです。2020年4月7日に初めての「緊急事態宣言」が発令されてから、はや1年が経過しました。飲食業界や旅行業界などのB to Cビジネスでは、様々な取り組みがなされてきました。また、B to Bビジネスにおいても、非対面による営業への転換が模索されています。ここでは、各業界における非対面営業の導入事例についてご紹介しましょう。

保険業界/アフラック生命保険株式会社

アフラック生命保険株式会社では、すでに2016年4月から全社的に在宅勤務を導入しており、時間と場所に囚われない働き方の実現に向け、テレワークの推進を経営トップ自ら推進しています。
社員のほとんどが、全国85営業部・支社に勤務する営業社員であり、日頃から取引先である代理店に足を運び、コミュニケーションを図ってきました。移動時間の短縮や効率を上げるため、テレワークによる代理店とのコミュニケーション改革に取り組みました。
全営業支社にWEB会議システムを導入し、社内はもとより、代理店とのテレワークを可能にしました。カメラ付きのPCやタブレット端末、スマートフォンがあれば、代理店側に設備の負担を求めることなく、WEB会議が行えます。これにより、営業社員は実際に代理店に足を運ばずとも、気軽にオンライン上でやり取りできるようになりました。
営業現場での所定外労働時間は、前年同期比で16.6%減少しました。このコミュニケーション改革は、移動時間とコストの削減にとどまらず、これまでの「訪問してナンボ」の営業スタイルを変え、非対面営業を定着させることでしょう。
アフラック生命保険株式会社・プレスリリース
https://telework.mhlw.go.jp/wp/wp-content/uploads/2019/11/b1f8afaae39dfec5c8971ea75f45e5be.pdf

不動産業界/住友不動産株式会社

住友不動産株式会社は、新築マンションの非対面による販売手法である「リモート・マンション販売」を、全国の販売物件を対象に実施しています。
顧客が家の購入を検討する際、初期段階で行う「情報収集」、「モデルルーム見学」、「申し込み・契約」、「重要事項説明」、「物件引き渡し」までを、顧客の要望に応じて、非対面で行う取り組みです。
「オンライン見学会」では、顧客は実際にモデルルームへ出向くことなく、オンライン上で販売スタッフから、各種の案内や住宅ローンの相談を受けることが可能です。
さらに同社は、非対面販売を強化するため、都内のマンションギャラリー内に、「住友不動産リモート販売センター」を開設しました。新規集客5物件に対し、各エリア・部件ごとに配置される営業部員を一拠点に集約し、接客を行っています。
住友不動産株式会社・プレスリリース
http://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/20200601_release_remote-mansion.pdf
http://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/20200709_release_sumitomo-remotehanbaicenter.pdf

まとめ:ビジネスにおいても、「非対面営業」という新たな形態が生まれている

空に向かって手を広げるスーツ姿の男
今回は、「非対面営業」が求められる背景とその理由、実際に実践して効果を上げている企業の事例についてご紹介しました。
政府は2016年9月から、今後到来する労働力人口の低下を見据え、「働き方改革」を掲げ、その一環としてテレワークを推進しました。当初は実施に消極的だった企業側も、新型コロナウィルスの蔓延防止の観点から、真剣に取り組まざるを得ない状況となりました。
営業の現場においても、売り手側、買い手側双方に意識の変化が見られます。売り手ははじめ、非対面による営業に懐疑的でしたが、実行してみると意外にも可能であることに気付きます。買い手も、頻繁に訪問されるよりも、短時間に中身の濃い提案をしてくれる営業に好感を抱くことが分かりました。
対面によらなくても、顧客とのコミュニケーションを密に図り、商談、成約、納品までをオンラインで行う企業も存在します。
「非対面営業」と真摯に向き合い、自社の事業にどのように生かせるか、他社の事例を参考にお考えになってみてはいかがでしょう。
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ウルマル編集部
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