対面営業と非対面営業とを比較/理想の営業スタイルを探る


新型コロナウィルスの蔓延が拡大し、1年を経過しましたが、終息はいまだに見通せず、経済は疲弊した状況が続いています。政府は企業に対し、人流を抑制する観点から、これまで以上にテレワークの推進を促し、企業側も訪問を前提とした営業スタイルの見直しを迫られています。
「対面営業」と「非対面営業」、それぞれの長所と短所を洗い出し、理想的な営業の形を探ることで、企業を存続させるためのヒントが見出せるかもしれません。

「対面営業」のメリット・デメリット

対面で商談しているビジネスマン
「対面営業」と「非対面営業」、それぞれのメリットとデメリットを改めて整理しておきましょう。まずは、「対面営業」からです。

対面営業のメリット

これまで営業活動といえば、まずは顧客先へ出向いてご機嫌を伺い、担当者に顔を覚えてもらうことから始まりました。B to B 企業が相手の場合、担当者は複数部門に存在するため、引継ぎなどで名刺を配って回ると、終わるころには名刺箱が空になる、なんてこともしばしばでした。「対面営業」などという表記も、ここ数年で定着したに過ぎず、営業といえば対面によるやり取りが前提だったのです。
コーネル大学・組織行動学の准教授、バネッサ・K・ボーンズ氏は2017年4月、興味深い研究結果を発表※1しています。
研究の参加者45人に、各々まったく面識のない10人(計450人)に対し、ある簡単な調査を依頼させました。参加者全員に同じ書式、同一の内容で要求をさせたそうです。唯一つ違うのは、参加者の半数には対面で、後の半数には電子メールで依頼を行わせたことです。
調査結果によると、450人の被験者のうち、要求通りのリクエストに応えた人の数は、対面によるリクエストの方が、電子メールによるものより、34倍にものぼるという結果が出ました。この結果から同氏は、「自社が、電子メールとテキストベースのコミュニケーションのみで運営されているのであれば、直接会話することで、より効果的なコミュニケーターになりうることを検討するべきだ」と述べています。
これらのことから、対面による方が、より効果的なコミュニケーションを取れると解釈できますが、この事実は営業現場にもあてはまるでしょう。対面による情報提供や交渉であれば、売り手の熱意も伝わると共に、買い手の理解も深まり、商談の成約率も向上するものと思われます。
※1 A Face-to-Face Request Is 34 Times More Successful than an Email, April 11, 2017
https://hbr.org/2017/04/a-face-to-face-request-is-34-times-more-successful-than-an-email

対面営業のデメリット

ではここからは、対面営業のデメリットについて見てみましょう。
B to Bビジネスを例にとると、従来の営業は「御用聞き営業」というスタイルが主流でした。これは、営業が顧客の要求を聞き取り、その都度、受注に反映させるものです。一顧客に対し、繰り返し「お伺いをたてる」ことで、顧客との関係を深める手法です。
営業が顧客との信頼関係を築き、受注を勝ち取ることは、これまで「営業の王道」というべきものでした。この営業手法に異を唱える人は少ないでしょうし、今後も王道であり続けることでしょう。ただ、この御用聞き営業にも、課題はありました。顧客の要求を聞き出すために、何度も先方へ出向く必要があること。そして、やっと聞き出した要求が、本当に顧客の抱える課題の解決には、結び付かない場合があることです。
もしそうであれば、訪問にかかった時間や、交通費などの経費は無駄なコストになってしまいます。「営業とはそうしたものさ。それを乗り越えてこそ、トップセールスの道も開かれる」と、ベテランの営業マンから聞こえてきそうです。
しかし、ビジネスを取り巻く状況は、変化しつつあります。
企業は事業を成長及び継続させるために、売上を維持していかなければなりません。その売上に大きく貢献するのが、営業部門です。
超少子高齢化を迎え、労働人口は右肩下がりの状況が続く現在、十分な営業人員を確保するのは、大手企業ならともかく、中小企業では難しくなっています。それでも、売上数字を確保していかなければ、企業は存続できません。限られた人数で、現状維持、もしくはそれ以上の売上を上げるためには、営業1人1人の生産性をいかに向上させるか、という発想の転換が必要なのです。
今まで、当たり前とされてきた対面営業では、「100件まわって1件、商談化できれば御の字」とばかりに、根性論がまかり通っていました。ただこれからは、前述したようなコストを削減し、限られた営業リソースをいかに効率よく活用するか、が問われる時代を迎えているのです。

「非対面営業」のメリット・デメリット

屋外でモバイルPCを操るカジュアルなスタイルの男性
次に、「非対面営業」のメリット、およびデメリットについて述べておきます。

非対面営業のメリット

「非対面営業」とは、相手と対面することなく、電話やメール、LINEやSLUCKなどのチャットツール、あるいはZOOMといった会議ツールなどで、オンラインによる接触を図り、案件化から商談に持ち込み、成約を獲得するまでのプロセスを指します。
アメリカでは「リモートセールス」、または「インサイドセールス」と呼ばれ、1990年代から普及が始まり、現在では営業活動を活性化する新たな手法として、多くの企業が取り入れています。その背景としては、広大な国土を有するアメリカでは、直接相手先企業を訪問することが難しいケースがあること、そして2000年代にかけて、高速インターネット網が急速に整備されたことが考えられます。
非対面営業のメリットとして、まず挙げられるのが、移動することなく、顧客との接点を得られることでしょう。この利点には2つの側面があり、1つは商談のために移動する必要が無くなるため、商談案件数が増加することです。これまで、訪問による営業では、どんなにフットワークの軽い営業マンでも、1日に回れる企業は3~4件が限界でした。しかし、オンラインによる営業に切り替えることで、1日にコンタクトを取れる企業は6~8件に増やすことが可能になり、必然、案件の絶対数も増加し、成約率を向上させることにも繋がります。
そしてもう1つの側面は、顧客へ訪問しないのであれば、移動にかかる時間と経費の削減にもなる、ということです。自社から遠隔地にある企業を訪問する場合、交通費や宿泊費などの出張費がかさむこともあり、今までは必要経費としてみなされていました。ただ商談が成約し、十分な売り上げが見込めるのであれば問題はありませんが、商談が空振りに終わる、あるいは成約しても大した売上数字が期待できないのでは、見過ごせないコストと言わざるをえません。
メリットの2つ目は、営業エリアを拡大できることです。
訪問営業が主流であった時代は、対象とする商圏エリアに営業所を設け、各営業が担当した企業に出向き、顧客対応をしていました。ただこれでは、あまりに営業所から遠い企業は営業が訪問することができず、おのずとカバーできるエリアは限られてしまいます。ところが非対面営業であれば、顧客とのオンラインによるコンタクトが基本ですから、移動による制限は受けません。自社と物理的に距離のある企業はもちろん、海外の企業であっても、営業の対象としてリストに加えることが可能になります。

非対面営業のデメリット

では次に、非対面営業のデメリットについてです。
メールやチャット、ビデオ会議ツールを利用した商談では、オンラインを介したやり取りになるため、対面による営業に比べると、訴求力がやや希薄になりがちです。
前述した、コーネル大学のバネッサ・K・ボーンズ氏の研究結果が示す通り、対面による会話の方が、非対面よりも効果的なコミュニケーションを取ることが可能です。
営業活動が、人と人との情報交換や交渉ごとをベースにするなら、対面営業は五感のすべてを活用し、よりきめ細かく、質の高いコミュニケーションが図れる手法と言えるでしょう。一方、非対面営業は、コミュニケーションを視覚と聴覚のみに頼ることになるので、訴求力において、やや劣ると言わざるを得ません。
またモニター越しであると、商材によっては商品の魅力を表現しきれないという難点もあります。商品説明の際、相手に商品を手に取ってもらえないため、使い勝手や肌触り、質感、場合によっては臭いや味覚など、視覚・聴覚だけでは伝えきれないリアルな体験は省かれてしまいます。時にはこうした実体験が、相手にとってどのような価値をもたらすか、言葉以上に雄弁に物語ることもあるのです。

相手企業と自社の商材を見つめ、「対面営業」と「非対面営業」とを使い分ける

メモ帳に「TARGET」の文字。黒い縁取りのルーペが「TARGET」の文字を拡大している。」
自社がターゲットとする企業の規模や、売り込もうとしている商材をもう一度、見つめ直してみましょう。そうすることで、「対面営業」と「非対面営業」とを使い分け、それぞれのメリットを効果的に活かすことが可能になります。
例えば、御社が大手企業に対し、大がかりで高額なシステムを販売している場合、複数部門の担当者と、数回にわたって交渉する必要があります。商談が専門性の高い内容になるほど、関係者の数は増えることもあり、オンラインでの商談のみで完結させるのは難しくなります。このようなケースでは、最初のアプローチは非対面で効率よく行い、案件が商談化した時点で対面営業に切り替え、きめ細かく対応しながら成約を目指します。
反対に中小企業を相手に、比較的低価格で売り切り型の商品を販売しているのであれば、リモートツールを活用した非対面営業で、クロージングまで行います。低い単価の商品の場合、オンラインにより商談件数を増やし、移動時間に要する時間や交通費を削減して、売上数字を維持することが可能になるのです。

まとめ:「対面営業」と「非対面営業」の長所を組み合わせ、相乗効果を狙う

テーブル越しに握手するスーツ姿の男性
今回は、「対面営業」と「非対面営業」、それぞれのメリット、デメリットを比較し、営業効果を最大化させる手法は存在するのか、考察してみました。
対面営業のメリットは、訴求力の高さと、良質なコミュニケーションが取れることです。デメリットは、移動に要する時間とコストがかさむこと、十分な売り上げが見込めないのであれば、それらは無駄になってしまうことでしょう。すべての営業プロセスを対面で行っていては、限られた営業リソースをいたずらに浪費してしまいます。
一方、非対面営業のメリットは、オンラインで顧客との接点を持つため、商談の絶対数を劇的に増やすことが可能な点で、これは成約率の向上にも繋がります。また、訪問するための移動がないので、時間や経費の節約にもなります。地理的な制約を受けることもないため、遠隔地にいる顧客や海外の企業も、営業対象に加えることができるのです。反対にデメリットは、モニターを介しての商談では、対面に比べて訴求力では劣ること、言葉では表現しきれない商材の魅力を、リアルには伝えきれないことが挙げられます。
対面営業と非対面営業、それぞれのメリットを「いいとこ取り」して、営業における最大効果を狙いましょう。それには、自社がターゲットとする企業の規模と、提案する商材の価格帯を把握し、2つの営業手法のメリットを効果的に組み合わせることが大切です。
企業を継続・成長させる上で、売上維持は欠かせない課題です。これからの営業現場を取り巻く環境を考えると、営業1人1人の生産性をいかに上げていくかが、問われる時代を迎えるでしょう。
少しでも理想に近い営業スタイルを確立するには、経営者の視点で自社の事業を見据え、足りない部分は外部のプロの手を借りるという選択肢もあります。
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