本来は「白書」という意味の「ホワイトペーパー」ですが、昨今ではマーケティング用語として幅広く使われています。ホワイトペーパーにはブランディングとマーケティングの2つの側面があり、企業価値を高めるツールとして注目を集めています。今回は、ホワイトペーパーの2つの働きについて解説します。
この記事の目次
ホワイトペーパーはブランディングに役立つ
ホワイトペーパーは、顧客の抱える課題解決のため、参考になるような質の高い情報やデータを提供し、なおかつ、その解決に自社の製品やサービスが貢献できることを示す報告書です。
営業ツールが、自社の製品・サービスの導入メリットを前面に押し出すという、提供側の視点で書かれたものであるのに対し、ホワイトペーパーは顧客側の視点で、見込み客を対象にして、顧客の直面する課題解決につながる情報を提供することが目的となっています。
ホワイトペーパーは見込み客や既存クライアントに対して、自社の製品やサービスをPRできる格好のツールです。広告やメールマーケティングなどとはことなるプロモーション方法で、自社のブランドを高める戦略として注目を集めています。
「この会社の製品を買えば、必ず満足を得られる」という、企業と消費者との約束がブランドです。ブランディングは、その企業の製品やサービスが、消費者にどのような価値を与えるかを発信する活動です。
ただこれは、現実的な価値だけではなく、自社の企業理念、事業体験などに共鳴してもらうことで、相手の心にフックをかけて好印象を抱いてもらうことが重要になります。
ホワイトペーパーの種類
ホワイトペーパーには、いくつかの種類があります。
ある課題を取り上げ、課題の要因の分析、解決までの道のりの提示、自社製品・サービスの紹介などで構成されている「課題可決型ホワイトペーパー」や、自社製品・サービスの導入による問題解決の事例を紹介している「事例紹介型ホワイトペーパー」などが主流です。
これらのホワイトペーパーにより、課題を解決した顧客との間には信頼関係が醸成され、自社のブランディングに大きく貢献することになります。
またほかにも、「市場調査・業界調査型ホワイトペーパー」というものがあり、これは自社が所属する市場や業界を調査し、自社製品・サービスのポジションを明確に目的にはおすすめです。
このホワイトペーパーは、現状では取り立てて課題に直面していない、潜在顧客を対象とした文書です。比較的広い範囲の顧客向けに作成されたホワイトペーパーであるため、自社の認知度をアップさせ、ブランド価値を向上させる効果があります。
ホワイトペーパー・マーケティング
マーケティングツールとしてのホワイトペーパー
マーケティングとは、消費者のニーズを明確につかみ、そのニーズを満たす製品やサービスを開発し、宣伝により認知を図り、販売して消費者に届ける一連の流れを指します。
ホワイトペーパーは、おもにBe to be企業が、自社製品・サービスの導入を検討しているターゲット顧客のリード情報を取得する手法として活用します。上述したマーケティングフローで見ると、これは消費者ニーズの明確化にあたります。また企業がリード情報を分析し、顧客がホワイトペーパーの内容を理解することにより、優良顧客へと育成するナーチャリング効果が期待できます。
ホワイトペーパーの活用場面
ホワイトペーパーは作成しただけでは、意味がありません。消費者の目に触れるよう、効果的な露出方法を考える必要があります。
自社サイトに掲載して訪問客にダウンロードしてもらう
まず考えられるのは、自社のWEBサイトに掲載して、訪問客にダウンロードしてもらう方法です。サイトに訪問した閲覧者は、「問い合わせフォーム」や「資料請求フォーム」に入力する人は少ないようです。せっかく自社サイトに来てくれた訪問者に連絡を取りたくても、プロフィールが分からないために、こちらからアプローチができません。
そこでホワイトペーパーを利用することで、潜在顧客のプロフィールを収集することが可能です。サイトのページ中に、「ホワイトペーパーダウンロード」といったコンバージョンポイントを設定し、潜在顧客のプロフィールを獲得することができるのです。
第3者が運営する外部メディアを利用する
オウンドメディアで公開する以外に、外部のホワイトペーパーダウンロードサイトを利用する手法もあります。マーケティング業界や製造業界、さらにはIT業界といった特定の顧客に向けたホワイトペーパーを収集し、ダウンロードを促すサイトが存在します。
これらのサイトでは、数百本にもおよぶ企業のホワイトペーパーを掲載しています。閲覧者は個別の企業サイトをいちいち訪問しなくても、プロフィール情報を入力するだけで、大量のホワイトペーパーを集めることができます。
企業側にすれば、オウンドメディアからダウンロードしてもらうよりも、はるかに多くの潜在顧客に働きかけることが可能になります。ホワイトペーパーダウンロードサイトには、以下のようなものがあります。
- マーケティング会社資料・広告媒体資料 ▶ 「マーケメディア」
- 製造技術データベースサイト ▶ 「イプロス」
- TechTargetジャパン▶「ホワイトペーパーダウンロードセンター」
より効果的なホワイトペーパーを作成したいならプロに依頼
ホワイトペーパーは、企業のブランディングとマーケティングに貢献するツールの一つです。企業の認知度を向上させ、顧客の信頼を得るためには、製品・サービスを中立的に伝えることが重要です。
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そのためには、適切かつ綿密な調査と関係者へのヒアリングを行い、その結果をホワイトペーパーに落とし込むことが求められます。また、企業がその業界において専門性を有し、十分にコンサルテーションができることを証明しなければなりません。
白書という形態を取る以上、経験者による調査と調査結果に基づいた分析と考察が必要です。それには、ホワイトペーパーの企画・制作に対応するプロに依頼するという手もあります。
まとめ
ホワイトペーパーには、企業のブランド価値を向上させ、リード獲得・ナーチャリングなどのマーケティングツールとしての働きがあります。この記事では、ホワイトペーパーの2つの機能についてご紹介しました。ホワイトペーパーは作って終わり、というものではありません。有効活用してこそ、企業価値を高める会社の「資産」となりうるのです。
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