オウンドメディアにおける校正・校閲


オウンドメディアという概念が、マーケティング施策の重要なツールとして認識され始めています。オウンドメディアとは、「OWNED=所有する」から派生しており、企業や団体が自ら所有するメディアを指します。広義には、企業や団体が情報発信する際に用いるメディア、すなわち自社サイト、カタログ、会報誌など、WEBや紙媒体を問わず、すべてのツールが含まれます。ただ、昨今注目を集めているオウンドメディアは、もう少し狭義の意味合いとなり、具体的には自社で運営するサイトとなります。さらに、マーケティング戦略の観点から眺めると、単に企業紹介や製品情報を掲載するサイトではなく、企業がターゲットとする消費者に対し、良質なコンテンツを届けるためのメディア、となるでしょう。では、この「良質なコンテンツ」とは、何でしょうか。それは、「自社がターゲットとする顧客、あるいは見込み客が欲しがっている情報」ということになるでしょう。そしてもう1つ大切なことは、その情報がしっかりとした事実に基づき、正しい日本語で書かれているか、ということです。ここで重要視されるのが、「校正・校閲」という作業ですが、オウンドメディアの運営において、どのような意味を持つのでしょうか。
今回は、オウンドメディアと校正・校閲作業との関係について考えてみることにしましょう。

この記事の目次

オウンドメディアと校正・校閲との関係について

握手を交わす人とロボット
オウンドメディアにとって、校正・校閲がどのような意味を持つのか、考えて見ます。

紙媒体における校正・校閲

新聞社や雑誌社など、紙媒体に重心を置いている企業には、「校正・校閲部」と呼ばれる専門部署が存在します。記者や小説の作者が書いた文章を、誤字・脱字、表記の誤りはもちろん、内容が事実に基づいたものであるか、校閲記者が徹底的に精査するセクションです。なぜこのように、時間を割いて文章を校正・校閲する必要があるのでしょうか。それは、もし原稿に何らかの誤りがあっても、一度印刷されてしまうと修正がきかなくなってしまうからです。これが紙媒体の怖いところで、後から修正箇所が見つかった場合は、後日、訂正記事を載せるか、場合によっては刷り直しという事態にもなりかねません。そうなれば、多大な費用が生じることになり、経営を圧迫することにもなってしまいます。そうならないために、紙媒体を発行する企業は、校正・校閲作業に重きを置いているのです。

オウンドメディアの運営における校正・校閲

一方、ネットメディアでは、校正・校閲に対して、紙媒体ほど神経質ではないようです。その理由としては、ネットメディアに掲載する情報は、修正が容易に行えることにあります。インターネットの発展を背景に、パソコンやスマートフォンなどの普及とともに、一般企業や個人でも簡単に情報を発信し、収集できるようになりました。それにともない、ネット上の情報量は日々拡大しています。情報のアップデートは秒単位で行われ、「昨日アップロードした情報が、今日にはもう時代遅れ」という事態を招いています。これは、一般企業が運営しているオウンドメディアにおいても、同じ状況が見られます。「大量の情報を、他社に先駆けてアップしなければ」という焦りから、ろくに文章を吟味せずに掲載してしまう傾向が見られます。掲載した記事に多少の不具合があっても、簡単に訂正ができるため、校正・校閲は後回しにされてしまうようです。実際、オウンドメディアを実施している企業で、記事を校正・校閲する専任者を置いているケースはまれで、担当者が兼任していることがほとんどです。

オウンドメディアにおいて校正・校閲が重要な理由

平積みにされた書籍とメガネ
ここでは、オウンドメディアの運営において、校正・校閲が重要である理由について、解説しておきます。

インターネットメディアの2つの特性

インターネットにおけるメディアの特性は、2つあります。1つは、費用をかけずに誰でも情報発信ができ、アップデートが容易であること。個人あるいは一企業でも、最小限のインターネット環境が整っていれば、簡単に情報公開が可能で、内容に訂正箇所があれば、その都度、書き換えられます。そしてもう1つは、情報の即時性の高さと圧倒的な拡散力です。ある製薬企業が自社サイトに、特定の薬品の効能を解説するコラム記事を掲載したとしましょう。アップされた記事は、地球上のどこにいても、リアルタイムで読むことが可能です。また、その記事の内容は、閲覧者により、TwitterやFacebookなどのSNSで拡散される可能性もあります。これは、マーケティングにあまり費用をかけられない企業にとっては、広報・宣伝面において、強力な武器となることでしょう。

発信した情報は完全には消せない

しかし万一、記事に事実無根の内容が含まれていたら、どうでしょう。自社サイトであれば、即座に修正もできるでしょうが、拡散された記事はもはや訂正は不可能です。ファクトに基づかない記事は、発信した企業名とともに、不特定多数の目に触れることになるのです。
「デジタル・タトゥー」という言葉を、ご存知でしょうか。タトゥーとは「入れ墨」のことですが、肌に刷り込んだ入れ墨が消せないように、一旦、インターネット上にアップされた情報は、取り消すことができないという意味の造語です。先に触れた製薬企業のように、誤りのある記事を掲載してしまうと、その記事はネット上で独り歩きしてしまい、削除することができなくなります。そればかりか、この製薬企業は、でたらめな情報を発信した企業として、信用が失われることにもなるのです。
このようなことを防ぐ意味でも、ネットメディアにアップする文章は、入念に校正・校閲する必要があることがお分かり頂けたでしょうか。

オウンドメディアを成功させる校正・校閲/事例紹介

人差し指と黄色い電球のイラスト
最後に、校正・校閲に注力した結果、オウンドメディアの運営に成功した事例をご紹介しましょう。
「弁護士ドットコム株式会社」
「税の専門家をもっと身近に」というコンセプトのもと、日本でも最大級の規模を誇る税務相談ポータルサイトを運営する同社。ユーザーの求める情報の発信を念頭に置き、良質なコンテンツの一定量の確保が課題でした。しかし、税務という専門分野では、ユーザーが身近に感じる話題を提供し続けることには、おのずと限界がありました。そこで同社は、記事の執筆をデファクトコミュニケーションズに依頼し、税務の周辺にまですそ野を広げて、コンテンツの量を大幅に増やしました。弁護士ドットコムでは、記事の信憑性を何よりも重視しています。デファクトコミュニケーションズは、専門家の執筆・監修、さらには徹底した校正・校閲作業により、コンテンツの質にもこだわりました。弁護士ドットコムはコンテンツの質と量を維持し、サイト流入数は前年比の5倍以上、問い合わせ件数も前年比の約3倍という結果がもたらされたのです。
「弁護士ドットコム」
https://www.zeiri4.com/

まとめ:オウンドメディアを成功に導く上で、校正・校閲は不可欠であり、良質な校正・校閲を望むならプロに依頼するべき。

テーブルをはさんで握手を交わすスーツ姿の男たち
今回は、オウンドメディアを運営する上で、校正・校閲はどのような意味があるのか、また必要な理由と、校正・校閲に尽力した結果、オウンドメディアを成功に導いた企業の事例などを紹介しました。
インターネットメディアでは、発信した情報は瞬時に世界中を駆けめぐり、一度、拡散されると完全に消し去ることは不可能です。それだけに、掲載する記事は紙媒体同様、いえ、それ以上に校正・校閲に気を配る必要があります。とは言え一般企業においては、オウンドメディアの運営に振り分けることのできるリソースは限られています。そこで上手に利用したいのが、コンテンツ制作のプロフェッショナルです。弊社では、コンテンツの企画に始まり、記事の執筆、校正・校閲、専門家による監修まで、ワンストップで良質なコンテンツをご提供しています。

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