「中小企業こそマーケティングに注力すべき3つの理由」

段ボールに座ってPCを操作する女性のイラスト

「マーケティング」という言葉は、ビジネスシーンでは当たり前に使われるようになってから久しいですが、大手企業と中小企業とでは、とらえ方にいささかの違いがあるようです。とりわけ中小企業は、マーケティングの重要性には気づいていても、実行に移すのに二の足を踏んでいる会社は少なくありません。

今回は、中小企業がマーケティングの実行にためらうのはなぜか、またマーケティングを行うことで、中小企業の事業にどのようなメリットがあるのかをご説明します。

 

 

この記事の目次

1.マーケティングの本質と中小企業が抱える課題

ひかる電球をさす指とはてなマーク

まずマーケティングについて、おさらいしておきましょう。

1-1 マーケティングとは?

マーケティングとは、企業が消費者に商品やサービスをたくさん買ってもらい、その対価として企業は利益を上げ、消費者も満足する、という一連のサイクルをいいます。商品をより効率よく、多く買ってもらうためには、マーケットをどうとらえるか、どのような商品を作るか、価格をいくらに設定するか、販売や広告宣伝をどう行うか、などの戦略が必要になります。これらすべてが広い意味でのマーケティングであり、現在では、企業経営において重要な位置を占めています。

市場にモノがあふれ、他社との差別化を図れない限り、現代のビジネス状況で生き残るのは難しいでしょう。商品の企画から価格設定、セールスプロモーション、販売チャネルの選定、販売活動、アフターサービスまでを一貫して考えるマーケティングは、経営活動そのものといってもいいのではないでしょうか。

1-2 中小企業が抱える課題

ではこれほど重要なマーケティングが、中小企業においては中々実践されないのはなぜでしょう。それには、中小企業が抱えるいくつかの課題が影響しているのです。

まず考えられるのは、経営者のマーケティングに対する意識の低さと、限られた経営資源です。

中小企業の経営者は独自の技術力、商品やサービスに自信を持っています。そのような経営者の決まり文句は、「いいモノを作れば売れる」というもの。ただ、その会社の商品が「いいモノ」かどうかは、誰が判断するのでしょう。

この言葉には、消費者からの視点が欠けています。得意な分野で収益を上げてきた中小企業は、マーケットのニーズを把握して、新たな市場や顧客を獲得しようという、マーケティングへの取り組みが消極的なように思われます。

また大企業であれば、多くの予算と人材をマーケティング活動に注ぐことができるでしょうが、中小企業ではそうもいきません。もしそんなことをすれば、限られた経営資源が、これまで収益を支えてきた生産・営業部門へ行き届かないからです。

このような状況から、中小企業には社内にマーケティング知識やスキルを持った人材が不足する事態も起こりがちです。大企業に比べて事業規模の小さい中小企業では、新たにマーケティング部門を設ける余裕はなく、社員が本業とかけもちすることが多いようです。これではマーケティングの専門知識や、ノウハウを持つ人材が育ちにくいと言わざるを得ません。

2. マーケティングのメリット :経営資源の最適化

スーツ姿の男性と人型のシルエット

このような課題に直面している中小企業が、それでもマーケティングを実行するべきメリットについてお話ししましょう。

マーケティングは、顧客が「お金をはらってでも欲しい」という商品やサービスを、最短距離で届けるための活動です。そのためには顧客ニーズを探り出し、そのニーズを満たす商品提供に、自社のヒト・モノ・カネを集中しなければなりません。限られた経営資源の最適化をうながす意味でも、マーケティングは有効な手法です。

3. マーケティングのメリット :ブランディング

黒板にBRANDINGの文字

マーケティングを行うメリットは、経営資源の最適化だけではありません。

マーケティングには、自社のブランドを高める効果があります。ブランドを持つことで他社との差別化を図り、顧客に自社や商品に対して良いイメージを持ってもらうことができます。

ブランドは、「この商品を買えば、必ず満足させる」という、顧客との約束です。ブランドを向上させることを、ブランディングと呼びます。これにより「あの商品なら、あの会社」と顧客に思ってもらい、囲い込みにもつなげることができるのです。

4. マーケティングのメリット :収益源の拡大

¥マークを手のひらに乗せる男性

中小企業において、マーケティングによる経営資源の最適化やブランドの向上は、収益の拡大につながります。

中小企業が売上を確保するには、大手企業の受注に頼るか、あるいはピンポイント的な市場に顧客を絞り込むか、収益基盤が偏りがちです。事業が順調に回っているうちはいいのですが、大手からの受注が減少したり、規模の小さい市場に競合があらわれると、とたんに収益はしぼんでしまいます。

このような状況から抜け出すには、収益源を増やすことが一番です。マーケティングにより、これまでの顧客の購入単価や購入率を上げ、ただの顧客を「上顧客」へと昇華させることができます。また、新たな顧客を開拓するために、実行可能な指針を示してくれるでしょう。

まとめ:中小企業こそ積極的にマーケティングを実施しましょう

大手企業と異なり、人材や予算が限られる中小企業では、マーケティングの効果についてはあまり理解が得られないようです。しかしマーケティングによる、経営資源の最適化、ブランド力の向上、収益源の拡大など、中小企業ほどその効果は顕著にあらわれます。

中小企業こそ、マーケティングに積極的に取り組むべきでしょう。

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ウルマル編集部
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