コンテンツ制作で重要な校正・校閲/作業を実施する上でのポイント

大きなPC画面に浮き上がる書類と小人サイズのビジネスマンたち


最近では、個人や企業でも、独自に情報発信ができるようになりました。ことに企業の場合、自社サイトに独自のコンテンツを掲載し、自社ブランドの向上やマーケティングに役立てる手法は広く浸透しています。
オウンドメディアの運営において、読者に役立つコンテンツ制作は欠かせません。また、誤字・脱字のない、適切な表現で書かれた文章は、読む者に説得力を与えます。そして、一番大切なことは、「記事に書かれている内容は事実か」、ということでしょう。
文章に誤りがないか、内容が事実に基づいたものであるかは、校正・校閲作業を通して確認されます。
これまで、主に紙媒体において、校正・校閲作業は重要視されてきました。しかし今では、WEBコンテンツ制作においても、注目を集めています。
今回は、WEBコンテンツ制作における校正・校閲とは何か、作業を怠った際のリスク、作業のコツなどについて解説します。

この記事の目次

WEBコンテンツにおける校正・校閲という作業

WEBコンテンツにおける校正・校閲という作業
校正は、印刷物を制作する工程の一部で、元原稿とゲラと呼ばれる刷り物を突き合わせ、違っていれば赤字を入れ、修正していく作業です。
また校閲は、文章の内容にまで踏み込み、事実に反していないか、不適切な表現がないかを探し、正していく業務です。大手新聞社や雑誌社には、校正・校閲部門があり、担当者が作業にあたります。紙媒体は、一旦、印刷工程を経てしまうと修正はできません。それだけに、専任者は文章力、一般常識、教養、法令知識など、持てる力を総動員して業務を遂行しています。
その点、コンテンツ制作においては、校正・校閲作業は軽んじられる傾向にあります。なぜなら、WEBメディアにアップロードした文章は、もし内容や表記に誤りがあっても、簡単に修正ができるからです。
だからといって、書いたそばから記事をアップしていては、誤字・脱字まみれの品位に欠ける文章が、読者の目に触れることになります。そうなると、いくらコンテンツが読者にとって有益な内容であっても、読み手に受け入れられるものではありません。それどころか、情報を発信する側の良識が問われてしまいます。
WEBコンテンツの制作においても、校正・校閲に力を入れることは、コンテンツの品質保持には重要であり、企業ブランドを向上させる上で、決しておろそかにはできない作業です。

校正・校閲を軽視するどんなトラブルが起こるか

校正・校閲を軽視するどんなトラブルが起こるか
WEBメディアにおいて、あらゆる文章が生まれては消えていく昨今。
一般ユーザーは、スマートフォンやPCなどのITツールを用いて、いつでも気軽に必要な情報を手に入れることが可能になりました。例えば、気になる身体の症状をネットで検索すれば、病名や症例、治療法、施術してくれるクリニックなど、数多の情報が瞬時に取得できます。しかし、今入手した情報が正しいものであると、誰が保証してくれるのでしょうか。

インターネットメディアの低い信頼性

総務省が2019年に発表した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」※1によると、メディアの信頼度について、興味深い調査結果が報告されています。
同調査では、10代から60代までの1,500名に対して、新聞、テレビ、インターネット、雑誌の4つのメディアについて、それぞれのメディアに信頼できる情報がどの程度あるか、アンケートを行いました。
それによると、最も信頼度が高かったのは新聞で68.6%、次いでテレビの63.7%、インターネットの32.2%、雑誌の16.8%が続きました。新聞やテレビに比べて、インターネットメディアの情報の信頼度は、半分程度ということになります。
この調査結果は、WEBメディアにおいて情報発信する者にとって、貴重な課題を残しています。すなわち、サイトで扱うコンテンツの質を高めることが、ユーザーの信頼性を向上させることにつながるということです。それには校正によって、記事の誤字・脱字、不適切な表現を改め、校閲作業で、書かれた事柄が事実と整合性が取れているか、の確認を行うことが重要になるのです。
※1
総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000644168.pdf

校正・校閲を怠ると発生するトラブル

では、校正・校閲作業を省くと、どんなトラブルに見舞われるのでしょうか。
・健康や美容に関する記事で事実無根の内容が含まれる場合
体調に異常を感じた場合、多くの方はインターネットによる検索で、思い当たる症状に関する情報を集めています。ネットに漂う情報は、医師の手によって書かれた信頼のおけるものから、にわかライターが執筆した信ぴょう性に欠ける記事まで、玉石混交の状態です。
例えば、ある健康法が「がんに効果的」と書かれ、それが事実と相反する内容であるとします。その健康法を読者が鵜呑みにして実行し、健康を害すれば、取り返しがつきません。場合によっては、訴訟問題にまで発展するケースもあり得ます。
記事の内容が、事実に基づいたものであるか、校閲の過程で十分に調べておくことが求められるのです。
・金額や連絡先、固有名詞に関する間違い
ある企業の売上高や取引額、市場シェア、商品の正規価格など、明らかに開示されている
数字が間違って記載されると、その企業に不利益がもたらされる場合があります。
また、個人名や住所、電話番号などに誤りがあると、関係者に迷惑がかかることもあります。原稿に記されている数字や固有名詞、連絡先などに間違いがないか、校正の段階で確認しておきましょう。

インターネットメディアにおける校正・校閲のコツ

インターネットメディアにおける校正・校閲のコツ
ではここからは、WEBコンテンツ担当者が、実際に校正・校閲を行う際のポイントについて見ておきましょう。

できれば原稿は紙に出力して校正を行う

WEBコンテンツであれば、多くの人はPCのディスプレイ上で確認して終わり、ではないでしょうか。しかし、もしその原稿に間違いが許されないとしたら、必ず紙に出力して校正を行うようにしてください。
これには、科学的な根拠があるのです。
トッパン・フォームズ株式会社は、国際医療福祉大学の監修のもと、ダイレクトメールに関する脳科学実験※2を実施しました。同実験では、近赤外光イメージング装置を用い、人間がある行動を取った際に、脳のどの部分が反応するかを測定したのです。
それによると、同一の情報でも、透過光を使うディスプレイと、反射光を利用した紙媒体では、脳はまったく違う反応を示しました。脳内で情報を理解しようとする「前頭前皮質」という箇所が、紙媒体の方に強く反応したというのです。
このことから、脳に情報を理解させようとするなら、ディスプレイよりも紙媒体の方が優れていることが証明されたのです。
※2
https://www.toppan-f.co.jp/news/2013/0723.html

校正は色分けして行う

プリントアウトした原稿を、元原稿と突き合わせながら校正を行いますが、その際は必ず、赤・青ペンと蛍光マーカーを用意してください。
誤字・脱字など、修正する文字は、赤字で書いてください。大抵、文字は黒字で印字されていますから、誰でも一目で識別できるように、修正内容は朱文字で書くことが望ましいでしょう。
修正した内容を補足する時には、青字で書くようにしてください。修正内容を赤字、補足内容を青字で表記しておくと、混同することなく、作業もはかどります。
再校を校正する時は、初校の修正がきちんと直っているかどうか、蛍光マーカーでチェックしてください。これにより、前回の赤字修正が見過ごされていないか、確認することができるのです。

誤字・脱字、表記のゆれ、数字、固有名詞などの確認

まずは、誤字・脱字のチェックを行います。例えば、ある美容法の紹介記事で、「ぜひ、お試ください」という文言があったとします。お分かりの通り、正確には「ぜひ、お試しください」ですね。ケアレスミスといえばそれまでですが、あまりにも多いと、せっかく内容が良質でも、読者は読む気が失せてしまいます。
また文章の中で使用されている言葉に、統一性がないことを「表記のゆれ」といいます。「コンピュータ」と「コンピューター」、「ディスプレイ」と「ディスプレー」など、同じことを指しているのに、表記が統一されていないと、読みにくさが生じてしまいます。紙媒体の校正では、「記者ハンドブック」など、参照するべき規範のような書籍が存在します。ただ、WEBコンテンツであると、用語集まで使用して、表記の統一に気を配ることは少ないかもしれませんが、あらかじめ用意しておくと、作業はスムーズに進むでしょう。
ほかにも、金額や数量、電話番号や住所など、数字を使用する文章は事実と間違いがないか、入念にチェックしてください。個人名や地名などの固有名詞、商品名などについても同様です。

まとめ:インターネットメディアにおいて、益々重要になる校正・校閲。プロに依頼してその精度を高めることが、メディアの質を向上させる。

インターネットメディアにおいて、益々重要になる校正・校閲。プロに依頼してその精度を高めることが、メディアの質を向上させる。
WEBコンテンツの作成において、校正・校閲作業がいかに重要であるか、ご理解頂けたでしょうか。
WEBコンテンツの制作では、校正・校閲に力を入れることは、記事の品質を保つ上で欠かせませんし、企業ブランドを向上させる上でもおろそかにはできない行程です。
しかし、リソースの潤沢な大手企業ならともかく、人員も資金も限られた中小企業では、オウンドメディアの担当者がすべてに目を配ることは不可能です。
そこで注目して頂きたいのが、プロに依頼するという選択肢です。
弊社では、コンテンツ編集・校正サービスである「Edit-us (エディタス)」をご提供しております。コンテンツ制作後の編集や校正、さらに専門家による監修作業までを、一貫して行っています。
WEBコンテンツの精度を今以上に高めたい、とお考えなら、是非、一度お問い合わせください。

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