コンテンツを利用した集客戦略(マーケティングのコツ)

これまでの記事で紹介しているコンテンツストラテジーは、企業戦略全体の鏡のような包括的で大きな概念です。それに対してコンテンツマーケティングは、集客というきわめて具体的な目的を持ったものです。webコンテンツを利用した集客に関する戦略を具体的かつ詳細にご説明していきましょう。

 

この記事の目次

コンテンツマーケティング・ファネル~インフルエンサーが生まれるまで

コンテンツマーケティングが目指す集客のプロセスを是非知っていただきたいと思います。コンテンツマーケティング戦略の世界的な第一人者であるジョー・ピュリッジが提唱する、『コンテンツマーケティング・ファネル』のフレームワークを見ていきましょう。

《ファネルの各領域が表すビジネス目標》

  • 【訪問者】商品やサービスの認知を上げること
  • 【見込み客】多くの見込み客をつくり出すこと
  • 【販売機会】【売り上げ】見込み客を顧客に変えること
  • 【満足】購入後の付加価値の創出や、満足感の再確認を誘発すること
  • 【維持】顧客を顧客として維持し続けること
  • 【アップセル】他の商品やサービスまで手を伸ばしてもらうこと
  • 【エヴァンジェリスト化】熱烈なファンが、コンテンツを生み出しはじめること

ジョー・ピュリッジの定義した、コンテンツと顧客の相互作用の最終ステージが『エヴァンジェリスト(伝道師)化』です。この段階においては、顧客は顧客であることを超越し、あたかもその企業や組織の広報宣伝担当であるかのように機能する外部リソースとなっていきます。

マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、顧客に製品とサービスを合わせ、おのずから売れるようにすることである

PeterFerdinandDrucker
引用:『ドラッカー365の金言』(2005・ダイヤモンド社・上田惇生訳)

ニッチからバズを生み出せる企業が勝つ

  • 《商品・サービスに関する情報の信頼度》
  • (ベンダー企業の提供する情報)<(ユーザ個人の提供する情報の集積)

ネットワークメディアの進化による個人発信の爆発的な広がりは、『とても珍しいものほど誰もが知っている』という認知のねじれを、世界中の至るところに生み出しています。知っている―それも、視聴覚的に。私たちは、体験したこともないことがらを、文字情報ではなく映像と音声で『知っている』ことが当たり前の世界を生きているのです。人類の歴史の中で初めて。

このパラダイム転換によって、消費者の購買意欲の源は、未知なるものや高価なものに対する憧れから、発信源の人物に対する共感へと急速にシフトしています。そして、物質的な豊かさの飽和が、このシフトにさらに拍車をかけています。

消費者が求めるものは、生活インフラではなく、人生インフラ―わたしがわたしらしく生きることに対して、波長の合う商品やサービス―へと変化しているのです。それが一体何なのかを推し量るうえで、商品やサービスそのものに関する情報よりも、自分以外のユーザの価値観が垣間見える体験的な情報のほうが、圧倒的に信頼度が高いということを、現代の消費者のほとんどが知っています。

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インフルエンサーがバズを生み出す

web上のバズ(情報の猛烈な拡散)を獲得することが、ネットワーク時代のマーケティングが目指すべき価値のひとつです。バズを生み出す原動力として重要な役割を果たすのが、共感者を数多く集めるすべに長けた、影響力の強い熱心な発信者―インフルエンサーです。

自社の商品やサービスの独自性を『語るニッチ』から、インフルエンサーを『語らせるニッチ』へ。多くのインフルエンサーをエヴァンジェリスト化したとき、コンテンツは自己増殖を始めます。商品・サービスがコンテンツを媒介として、『おのずから売れるようにする(ドラッカー・先述)』ステージに到達する瞬間です。

スターバックス・カフェの熱烈なファンの多くは、コーヒーの味よりも、カフェの空間やカフェスタッフのサービスを話題にすることを好むというデータがあります。ルイ・ヴィトンの熱烈なファンがニセ・ヴィトンのバッグを購入することはありませんが、IKEAの熱烈なファンは、IKEAの商品ではない『IKEAっぽいモノ』を喜々としてIKEAの商品と並べます。そして、『IKEAライフを楽しむ自分』の話の中で、その商品を語ってしまうのです。

私たちがデジタルコンテンツを「コミュニケーションに利用できる道具」と位置づけている意味の一つは、一方通行のアナウンスの仕方ではなく、どのようにすればユーザが自ら語りたくなるのかを詳細まで分析・科学し、デザインに落とし込むことを、コンテンツ創出プロセスの生命線と捉えていることにあります。

実剛健・寡黙なモノづくり国家のままでは勝てない時代

二つ折りの『パカパカ』ケータイの雄であったNECブランドを、憶えていますか? NEC子会社であるNECモバイルコミュニケーションズは、2014年に1機種、その後2016年に1機種をリリースした実績があります。しかし、その後2016年3月に解散、携帯電話事業はNEC本体に吸収されました。

当時親会社への債務の総額は、1,012億円。15年前ならばおよそ信じがたいニュースです。しかし、いったい何人がこのニュースに衝撃を受けたでしょうか?2016年の時点で、NEC製のケータイは多くの若者にとって『なじみが薄いもの』であり、ミドルからシニアの年代にとっては『懐かしいもの』になっていたことでしょう。

NECをはじめとする国内メーカーは、シェアが縮小し続ける中においても、非常に品質に対して誠実な開発を続けていたはずです。しかし、日本のケータイ(所謂ガラケー全般)が携帯電話市場の中で、次第に利用されなくなっていき、確かに競争力を失い、失速していったのは疑いようもない事実です。

モノづくり大国・日本の誇る、頑強で美しく機能的なハードウェアに、時代の中心で存在感を発揮するAndroidOSを載せても、国内市場の頂点に日本メーカーが返り咲くことはありませんでした。それは、なぜなのでしょうか?

appleはなぜ黒船だったのか

『ガラケー』は世界的に見ても、飛び抜けてニッチなプロダクトでした。このニッチがバズを生み出せなくなってしまった理由を、先に述べた2つの視点から紐解いてみましょう。

かつては日本じゅうの街に、iモードケータイを片手に得意げに闊歩する学生やビジネスパーソン、エグゼクティブが溢れていました。その頃、ガラケーは確かに『人生インフラ』として、様々なユーザに対して価値観の一部を担っていたのです。

ところが、スマートフォンという技術革新が起こります。『人生インフラ』を提供することを通じて『語らせるニッチ』を生み出すプロダクト開発の方法論―それはいずれもノウハウではなく、ノウホワイの領域の蓄積―に非常に長けたappleに、消費者は一気に取り込まれてしまいました。

国産のケータイの位置づけは、一気に『生活インフラ』に変わってしまいました。そして、その苦境の中にあってさえもなお、ほとんどの日本メーカーのコンテンツは『語る』姿勢をとり続けていたと言えます。後の携帯電話市場がどのように変化したかは、ご存知の通り。かつての業界の雄でさえ、ビジネスを手放すことになっていきました。

情報発信力が高くセルフブランディング意識のあるユーザ層ほど早く、appleの提供する新しい人生インフラを選択していったように見えます。この大きな成功を決定づけた要因のひとつが、当時すでに完成されていたappleのコンテンツマーケティング戦略です。iphone3Gが日本国内ではじめて販売された2008年のappleのサイトと、2018年現在のappleのサイトを比較しても、その骨子はほとんど変化していません。

How?(どのような特質の)

What?(何なのか)

の領域にある情報量を少なくすることで、

Why?(なぜ作ったのか?/なぜ欲しいのか?)

にダイレクトに訴えかけるコンテンツの枠組みが整えられ、成熟していました。

最新機種が発売直後から比較的簡単に(それも、webオーダー経由でも!)入手できるようになった今も、たくさんの熱狂的なエヴァンジェリストたちが夜を徹して行列を作っていますね。その光景は、巨額の費用投下が必要となる広告宣伝と同等以上のインパクトを、コストをかけず自動的に生み出すことを実現しています。

まとめ

マーケティングやブランディング戦略に、単一的な答えは有りません。また、もともとない情熱が顧客に引火することもありません。企業のコアアイデンティティは何か、ということと、その正確な伝え方を考慮して、どんどん先に進めていきましょう。必要であれば、弊社のコンサルティングサービスや制作サービスをご検討ください。

 

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