「まだ見ぬ顧客」に企業の魅力を伝えよう!

ビジネス系サイトのイラスト・イメージ

貴社のwebサイトには、どのような情報が掲載されているでしょうか? サイト内の各ページは、基本情報として「企業概要」「事業紹介」「商品・サービス紹介」「IR情報」「CSRレポート」「企業理念」「代表挨拶」などを掲載しているケースが多く見られますが、実はそれだけでは不十分であると言えます。

企業サイトに掲載する基本情報は、企業を紹介する上での最低限必要になるデータであるため、企業の商品や魅力を十分にアピールできるというものではないのではないでしょうか。

 

商品やサービスを探しているユーザー(見込み顧客)が検索して企業サイトにたどり着いても、基本情報だけであれば質ではなくスペックで比較するしかなく、他に高スペックもしくは低価格の商品・サービスがあれば簡単に心が離れることにもつながってしまいます。

近年の消費者の特徴として、「共感できる商品・サービスを求める」という分析結果があります。2015年に発表された野村総合研究所「生活者1万人アンケートにみる日本人の価値観・消費行動の変化」によると、消費者の価値観は以下のように変化していました。

野村総研「生活者1万人アンケートに見る日本人の価値観・消費行動の変化」2015年

この記事の目次

・とにかく安くて経済的なものを買う

2000年:50.2% → 2015年:34.5%

・自分のライフスタイルにこだわって商品を選ぶ

2000年:22.9% → 2015年:31.8%

・自分の好きなものはたとえ高価でも貯金して買う

2000年:16.1% → 2015年:21.7%

・自分が気に入った付加価値には対価を払う

2000年:13.0% → 2015年:22.0%

かつては商品の価格やスペックが最重要視されていたものが、自分のライフスタイルとの親和性や付加価値を重視し、それに対してお金を払うことにも積極的な消費者が増加傾向にあるのです。

また、2015年のヤラカス舘 SoooooS.カンパニーが発表した「生活者の社会的意識・行動調査」の結果によると、「商品は物そのものが重要で、物がよければ背景やストーリーは気にしない」という消費者が39.4%であるのに対し、「商品の背景やストーリーまで含めて商品の価値」だと考える消費者が60.6%と大きく上回りました。

これらの結果からも、ユーザーは単なる商品やサービスのスペック情報だけを求めているのではなく、商品・サービスにかける企業の思いやストーリーを知りたがっていることが分かります。

そして、それらを伝えるコンテンツを制作することで、企業サイトに来訪したユーザーの心をつかんで購買行動に結びつけることができるようになるのです。

企業の魅力を伝えるためには、マーケティングやセールスプロモーションにも使える「コンテンツ」を制作することが何よりも重要になるのです。

「使えるコンテンツ」を制作する

企業サイトのコンテンツといえば、短期間で多くの人々の注目を集めて話題となる、いわゆる「バズる」ものを作らなければならないのかと思いがちです。確かに商品やサービス、企業自体の認知度を高めるためにバズコンテンツは大きな役割を果たしますが、その効果は一過性になりやすく、購買につながりにくいという課題もあります。

そこで重要になるのが、企業のアセット(資産)となるコンテンツです。爆発的な集客につなげることは難しいですが、長期的にコンテンツの価値が下がらず、ユーザーの共感を呼ぶことで購買につながりやすいという特徴があります。

例えば企業ヒストリーであれば、創業からの歴史を振り返り重要な局面を掘り下げ、どのような思いでその局面を乗り切ってきたかを紹介します。時系列ごとに出来事を羅列した沿革として記載する以上に、企業の想いや熱意が伝わりやすくなるでしょう。

商品やサービスの魅力を伝えるためには、プロジェクトストーリーも有効です。商品やサービスのスペックだけでなく、開発までの道のりを紹介し、関わる人々の想いや企業の価値観を明確にすることでユーザーは共感し、大きな付加価値を感じるようになります。

これらのコンテンツによって、企業サイトに他社とは異なる個性が生まれます。そして、ユーザーは商品・サービスに対する認知以上のイメージを企業に対して抱くようになり、ファンとなっていくのです。

経営者や担当者の言葉

コンテンツ制作でカギを握るのは、商品やサービスに想いのある経営者や担当者です。企業ヒストリーは経営者や創業者だからこそ知り得る情報や当時の気持ちがあるでしょうし、プロジェクトストーリーは商品・サービスに関わったメンバーだからこそ語れる想いがあるはずです。

コンテンツ制作では彼ら、彼女らにインタビューすることで、熱量を持った言葉をつむぎだすことができます。それを文章や写真などで再構成することで、その企業にしか出せない個性と想いを表現できるようになります。

例をあげてみましょう。テーブルマーク株式会社のプロジェクトストーリーでは、冷凍さぬきうどんの開発プロジェクトを取り上げています。商品開発部長と企画戦略のチームリーダーによるインタビューで、試行錯誤して開発したうどんが15年かけてヒットしたという歴史が語られています。商品に対する熱い想いが伝わってくるため、思わず一度手にとってみたいと感じるのではないでしょうか。

デファクトコミュニケーションズの経営者インタビュー事例「株式会社a2media」はこちら

テーブルマーク株式会社のプロジェクトストーリーは▶こちら

集客につながるコンテンツ

どれだけ優れたコンテンツを制作したとしても、誰にも見てもらうことがなければ意味がありません。リード獲得や新規顧客獲得に向けたコンテンツを戦略的に制作したり、既存のコンテンツをSNSなど他媒体で紹介し、新たな流入を確保したりする必要があります。

コンテンツには様々な形式や種類がありますが、中でも集客に効き企業のマーケティングでも活用しやすいコンテンツをいくつか紹介します。

セールスコンテンツ

自社の商品やサービスを売り込むことを目的としたコンテンツです。商品・サービスのプロジェクトストーリーを紹介したり、他社商品にはない魅力を深堀したりします。商品やサービス自体に興味を持ってもらい、共感して購買意欲を高めることを意識した内容にします。セールスコンテンツは、Webプロモーションのランディングページに設定したり、メルマガなどで紹介して購買につなげたりといった手法もよく使われています。

問題解決型コンテンツ

ユーザー(見込み顧客)が抱えている悩みや問題を解決する情報を、積極的に提供するためのコンテンツです。自社商品やサービスを露骨に宣伝するのではなく、ユーザーの悩みに寄り添い解決に導くことで、エンゲージメントを高めていくことを目的としています。企業が解決するのが得意とする悩みからコンテンツを展開していくと、自社商品やサービスを認知してもらうきっかけになります。

ニュースコンテンツ

様々なジャンルのニュースを継続的に提供するのがニュースコンテンツです。新聞社などが提供するニュースの中で、業界に関わるものやユーザーとの親和性が高いものを紹介したり、過去に制作したコンテンツから選択的に配信したりします。それにより、ターゲット層のユーザーをサイトに流入させることに期待できます。

企業が使うべきメディア

制作したコンテンツを掲載するメディアとして、よく使われる代表的なものをみてみましょう。

<自社メディア>

  • コーポレートサイト
  • オウンドメディア
  • ランディングページ
  • メールマガジン
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • LINE
  • YouTube

<他社メディア>

  • プラットフォームメディア
  • ブランドメディア・業界メディア
  • 一般メディア
  • テレビ、ラジオ
  • 新聞、雑誌
  • 書籍
  • フリーペーパー

他社メディアは膨大なリーチ数が見込めますが、広告掲載料が発生するためコストがかかるという課題があります。とくに、テレビや新聞・雑誌などのマスメディアは広告掲載料が高く、中々手が出せるものではありません。

一方で、自社メディアであればコンテンツ制作のコストはかかるものの、広告掲載料が必要ないので手軽にスタートできるという特徴があります。とくに、オウンドメディアで掲載したコンテンツをTwitterやFacebookなどのSNSで紹介し、新規ユーザーにリーチさせるという手法は頻繁に取られています。

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各メディアの特徴とメリット・デメリット

コンテンツマーケティングを行う上で、よく用いられるメディアの特徴とメリット・デメリットを紹介していきます。

メールマガジン

インターネット黎明期から、Webマーケティングの定番として活用されてきたのがメールマガジン(メルマガ)です。2017年にピーシーフェーズ株式会社が行った「メルマガに関する調査結果」によると、89.4%がメルマガに登録しているという結果となっていました。

また、企業情報の入手元はメルマガが37.4%と最も多く、届いたメルマガの中で興味のあるものを読むと回答した人が65.3%となりました。この結果からも、メルマガはリード獲得や顧客との関係性構築において、重要な役割を果たしていることが分かります。

ビーシーフェーズ「メルマガに関する調査結果」

Twitter

140文字という短い文章でつぶやきを行うTwitterは、とくに10代から20代の若者から支持を集めているSNSです。総務省の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、2016年時点で全年齢のTwitter利用率が27.5%であるのに対し、10代は61.4%、20代は59.9%と圧倒的に高い数字を示しています。

また、2018年の株式会社テスティーの調査によると、約半数のTwitterユーザーが企業アカウントをフォローしているという結果に。商品購入時に商品写真や情報をアップするTwitterユーザーは、男性が83.9%、女性が72.8%となっており、他のSNSユーザーに比べて圧倒的に情報共有されていることが分かりました。

企業アカウントでは、キャッチーな内容でフックにして注目を集めることと、拡散性が高いため平易にまとめて誰にでも分かりやすくすることが大切になると言えるでしょう。

2018年 テスティー「商品購入時の共有方法」

Facebook

実名でアカウントを作成するFacebookは、ビジネスパーソンにも活発に利用されているSNSです。前述の総務省の調査によると、Facebookの全年齢の利用率は32.3%となっており、中でも20代が54.8%、30代が51.7%、40代が34.5%と高い数値を示しています。

投稿に字数制限がないためコンテンツ内容や商品・サービスの情報を詳細まで記載することができ、メリットを分かりやすく訴求しやすいメディアだと言えます。

2016年 総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
~Facebookの年代別利用率~

Instagram

若い女性を中心に人気を集める写真投稿型SNSのInstagramも、マーケティングに活用することができます。前述の総務省の調査では、Instagramの全年齢の利用率が20.5%であるのに対し、10代女性の利用率が41.2%、20代が56.6%、30代が42.7%と圧倒的に高くなっています。

写真で商品やサービスを訴求できるため、飲食やアパレル、家具家電などBtoC向け商材との相性がよく、ハッシュタグを投稿につけることで思わぬリーチを広げることにも期待できます。

2016年 総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
~Instagramの年代別利用率~

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1982年生まれ、金融経済新聞「デリバティブジャパン」で編集記者としてキャリアをスタート。 金融市場にまつわる予測記事の執筆や日経ラジオでのマーケットアドバイザーなどに従事する傍ら、銀行・証券・投資信託会社などに向けた販売企画・営業資料・白書の作成などで制作経験を積む。 その後、楽天グループ、アクセンチュア本部にて、三井住友銀行、みずほ銀行、また地銀などに向けたデジタルマーケティング、コミュニケーション戦略設計・実装などでコンサルティング経験を積んだ後に現職。 主な著書に『経済ニュースは嘘をつく』(実業之日本社)、『原油相場』(パンローリング社)、『FXで勝つ 為替相場&チャートの見方・読み方』(すばる舎)などがある。
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