【コンテンツマーケティング】集客できるコンテンツを作る方法【詳しく解説】

コンテンツマーケティングは、コンテンツを資産として蓄積することができることや、長期的視点で集客が可能など、複数のメリットがある手法です。参入のハードルも低く、取り組む企業は年々増加していますが、必ずしも全てが成功しているとは言い難い現状があります。
コンテンツマーケティングを成功させるためには「集客できるコンテンツをつくること」そして「成功事例から成功の法則を導き、自社サイトの運営に適用すること」が必要です。
今回は、今すぐ実践で役立つ集客できるコンテンツを作る方法と、成功事例に基づく法則についてご説明します。

この記事の目次

集客できるコンテンツの作り方

コンテンツマーケティング担当者であれば、誰もが「集客できるコンテンツ」を作りたいと考えることでしょう。
本記事では集客できるコンテンツへの道筋を紹介しますが、本題に入る前に、改めて「コンテンツ」の意味について説明しておきます。今回の記事で使用する「コンテンツ」とは、ユーザーにとってメリットのある情報を意味します。テキストの記事、動画、音声配信、ホワイトペーパーなど、手法は問いません。ただし、実際に選択する際には、必ず自社の戦略と照らし合わせて、最も適切な手法を選ぶ必要があります。
その上で「コンテンツマーケティング」とは、サイト訪問者に対し、有益な情報を提供することで、信頼性を獲得し、最終的に自社商品の購入やサービスの利用などの目的を達成するための手法です。コンテンツマーケティングでは、記事や動画を用いてユーザーに対して情報を提供するケースが多いです。
しかし、ただやみくもに情報を集め、ブログの記事を更新し続けたとしても、求める効果につなげることは難しいでしょう。
なぜなら、ユーザーが検索エンジンを用いてあなたの会社のコンテンツページにたどり着いたとしましょう。この場合のゴールは、ユーザーが興味を持って内容を読み、次の行動に移ることです。最後まで読まずにページを離脱したり、納得がいかず他サイトのコンテンツを検索し直したりするようであれば、わざわざコストをかけて作成する意味はありません。
集客できるコンテンツとは、Googleの「品質に関するガイドライン」にも記載されている通り“検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮して作成”されたページです。
つまり、担当者が思いついたネタを手あたり次第書いたとしても、ユーザーにとってメリットのある内容になるとは言い難いものです。また、読み物としてユーザーにとって、高い満足度が得られたとしても、商品の購入やサービスの申し込みといった段階につながらなければ、企業が運営する意味はありません。
それでは、一体どうすれば良いのかと、お困りの方も多いことでしょう。
まずやるべきことは、コンテンツを大きな枠組みでとらえること、そして総合的に設計を作り出すことです。マーケティングにおける、集客できるコンテンツづくりを実践するために、やるべきことについて順を追って解説します。

準備段階:3C分析

効果的なコンテンツを設計するための準備段階として、まず3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)の分析を行います。
Customer:顧客
コンテンツマーケティングにおいては、見込み客が求める内容は重要な役割を果たします。そのため、前段階として、自社の見込み客の人物像を明確にする必要があります。いわゆる「ペルソナ」の設定です。
ペルソナの設定は、見込み客のニーズや抱えている悩みを明確にしてくれるだけでなく、複数の担当者がいる場合にも、イメージを共有し、統一感のある情報発信が可能になるといったメリットがあります。
Competitor:競合
コンテンツマーケティングを始めるにあたっては、競合他社の分析は欠かせません。売上や市場シェア、販売ルート、製品・サービスの強みと弱み、購入後のサポート内容など、さまざまな角度から情報収集を行いましょう。
競合他社の優れている部分や成功している部分に関しては、自社のマーケティングにも積極的に取り入れる方法を考えるとよいでしょう。
さらに他社分析は、準備段階の一度だけではなく、継続的に取り入れることで、より効果を発揮します。
Company:自社
競合他社の分析を終えたら、最後は自社分析です。自社の商品やサービスの強みと弱み、自社の理念や目指すもの、売上、市場シェアなどを改めて洗い出します。分析にあたっては、自社のコーポレートサイトや社内誌なども積極的に活用しましょう。
そうすることで競合他社との差別化が可能となり、打ち出すべき点や補うべき部分なども自然と明らかになるはずです。

コンテンツの目的と導きたい結果を考える

効果的なコンテンツを設計するため、次に目的と導きたい結果の分析を行います。コンテンツマーケティングにおける共通の目的としては、見込み客の増加を挙げられるケースが多いものの、ここではより具体的な目的・結果を分析します。
合わせて見込み顧客(リード)となるユーザーは何に悩み、どういった情報やサービスを欲しているのかを検討し理解すれば、どのような目的を持ったコンテンツページを作成する必要があるのかが見えてくるはずです。
(例)
目的:検索からの流入数を上げる
結果:企業や商品・サービスを認知してもらう

見込み客となる可能性のある潜在顧客を獲得するためのコンテンツが必要です。すぐに役立つ内容や雑学、面白い内容のコンテンツや、動画コンテンツを活用しサイト訪問者数を増やす方法が考えられます。
目的:商品・サービスをPRする
結果:商品・サービスを認知してもらい、購入してもらう

目的:ユーザーの疑問を解決する
結果:企業へのエンゲージメントを高める
集客力を高めるだけでなく、商品やサービスの購入(コンバージョン)を目的としている場合、エデュケーショナル(教育型)が有効です。自社の専門知識を活用し、ユーザーが知りたがっている内容に対する回答を与えることで、価値のある情報提供につながります。疑問解決に伴い、企業へのエンゲージメントも自然と高まるといったメリットもあります。
目的:話題のトピックスを紹介する
結果:サイト来訪頻度を向上させる

話題のトピックスを紹介し続けることで、見込み客に対し、好印象を与えることができれば、サイトの来訪頻度を高めることができます。的確なペルソナ設定を行うことが成功の鍵です。
このように、3C分析後、企業の利益につながる目的と結果をもったコンテンツを洗い出し、総合的に設計していきます。今後作成すべきコンテンツの方向性を明確にし、質の高いコンテンツの作成を効率的に進めていくことが可能になるでしょう。

会社が持つ情報資産を整理する

コンテンツ制作と聞くと、ゼロから作り上げる印象を抱くかもしれません。しかし、多くの会社には、これまでの情報発信において活用してきた資産があるはずです。
まず社内の情報を洗い出し、整理します。最初の段階では、コンテンツとしてそのまま使えるか、加工や選別が必要かどうかは気にする必要はありません。
主な情報資産の一例を挙げておきます。
・パンフレット
・カタログ
・営業資料
・アクセス解析
・お客さまの声(要望、指摘)
・社員の声
この段階では、マーケティングや制作の部署だけでなく、経営、営業、製造、開発などできるだけ複数の部署から意見を集めましょう。現場の声や顧客の声からは、思いがけないヒントが拾えることがあります。
ただし、この内容は既存事業のコンテンツ作成のみ有効な方法です。もし、新規事業におけるオウンドメディアを検討している場合は、この項目は無視し、次のステップへと進んでください。

運営体制を整える

コンテンツマーケティングを行うにあたり、中心となるメンバーを明確にする必要があります。マーケティング担当者だけに負担がかかることは好ましくありません。
下記メンバーを揃えることは、理想的ではありますが、ある程度の規模の企業ではない限り、社内だけでメンバーを集めることは困難です。社内メンバーで担当者と担当業務を決めた後、難しい部分に関しては、外注やマーケティング会社への依頼を検討しましょう。その上で、誰が何を担当するのか、役割分担を明確にします。
・ディレクター
・プロデューサー
・エンジニア
・マーケター
・ライター
・編集者

目的に応じたコンテンツを作成する

コンテンツは目的によってネタや書き方を工夫することで、よりユーザーのインサイトを刺激することができます。
例えば、商品・サービスをPRするコンテンツなら、企業のブランディングにも効果的であるため、商品の比較記事やメリットを訴求するレポート記事にするとよいでしょう。企業へのエンゲージメントを高めるコンテンツは、このサイトを見ると知りたいことが何でも書いてあると感じてもらえるように、やさしく分かりやすい言葉でユーザーの疑問に寄り添います。
サイト来訪頻度を上げるための話題のトピックス紹介記事は、とくにSNSとの親和性が高いはずです。検索からの流入数を向上させる記事は、SEOを意識した辞書コンテンツなどがいいかもしれません。
コンテンツづくりに悩んだら、競合他社の検索上位サイトを調査し、コンテンツ内容を参考にするのもひとつの方法です。
さらにこの段階で重要となるのは、ユーザーニーズが高い情報とコンバージョンとの距離が近いキーワードの調査です。
全てのユーザーは、何らかの意図を持って検索を行います。しかし「すぐに購入したい」「気になっているが、買うかどうかは決めていない」「知識として知っておきたい(購入するつもりはない)」など、購入意欲は人によってさまざまです。
強い購入(申込)意思を持つ人を集客することができれば、コンバージョンにはつながりやすいものの、興味を持っているだけの人に比べれば、購入意思のある人の数は少ないでしょう。また、同業他社もコンバージョンに近いキーワードやコンテンツを狙っているため、競争率も高くなります。
コンバージョンまでの距離は、単純な優劣ではありません。コンテンツ作成の優先順位を決める際に役立つほか、購入に向けた途中経過の計画を立てる際にも使える情報です。

コンバージョンまでの距離が遠いキーワードの対策

すぐに購入、申込をする可能性が低いキーワードを検索しているユーザーをターゲットとする場合、コンバージョンまでの途中に中間ゴールを設定しましょう。
購入意欲が薄い場合は、特に、自社サイトの記事だけを複数読み、納得の上、コンバージョンに至ることはごく稀です。購入意欲が薄いユーザーが購入に至るのは、担当者にとっては理想的な流れではあるものの、現実的とは言えません。
提供する製品やサービスが安価な場合は、ユーザーが衝動買いする可能性もありますが、高額な製品や相見積もりが必要なケースであれば、ユーザーは他サイトと比較したり、さらなる情報収集を行ったりすることが一般的です。
高額な製品やサービス、相見積もりが一般的な内容を販売しているのであれば、コンテンツ作成の前に、中間ゴールを設定しておきましょう。
ここで言う中間ゴールとは、サイト以外の接点を意味します。資料請求や、メールマガジン、LINE@の申込、SNSのフォローなどが好ましいでしょう。理由として、検索エンジンから流入したユーザーは、一度サイトを離脱すると、再び戻ってくる可能性が低いためです。
「あの情報、どこかのサイトで見たんだけど、サイト名を忘れちゃった」といったケースに、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。ネット上のコンテンツの数は無限にあり、全てを詳しく覚えていることは不可能です。だからこそ、一度興味を持ってサイトを訪れた人物に向けて、何らかのつながりを確保することが重要といえます。

ペルソナに合わせ、コンテンツのテイストを調整

ターゲットとなるユーザーや企業のカラーによってコンテンツのテイストを調整していくべきです。関係者全員がペルソナを共有し、どのようなネタやライティング手法が適切かを事前に検討することで、各コンテンツの軸やトーンがしっかりと定まっていくでしょう。
ペルソナは、自社のファンとなりうる存在です。例えば、あるベビーフードの会社のファン層が「健康意識が高く、多少高い価格であっても、子どもの食事に関する投資を惜しまない子育て中の女性ユーザー」であれば、子育てや食育、地産地消、食と教育など「食と子育て」「食と健康」に関するコンテンツが有効だと推測できます。ベビーフードのデザインがあたたかみのある柔らかいものであれば、コンテンツのテイストも、同じトーンに揃えるべきです。
また、ECサイトの購買データから「友人・知人の出産祝いとしてのギフト」として購入されるケースが多いと判断した場合は、購入者の声を参考に「喜ばれる出産祝いランキング」といったコンテンツを作るのもよいでしょう。
全てにおいて言えることは、あくまでもペルソナ設定を明確にし、戦略的にコンテンツを考える必要があるということです。
ペルソナ設定後は、ペルソナの現在の状態や考えていること、欲している情報といった「カスタマージャーニー」についても考慮するとより効果的です。
例えば前述した子育て中のユーザーの場合、「市販のベビーフードを食べさせていたが、添加物の多さに不安を感じた。もっと健康的なベビーフードはないだろうか」と考えている場合と、「無農薬の野菜を使ったベビーフードが欲しい。A社とB社の違いを知りたい」といった場合では、求める情報は大きく異なることがお分かりいただけるはずです。
ペルソナに関する詳しい情報は下記ページにまとめています。

コンテンツ作成のヒントとなる、顧客からの質問

営業担当者やコールセンターが知りうる顧客の質問、会社の公式ウェブサイトに送られてくるお問い合わせ内容は、コンテンツを作成する上で、大きなヒントとなってくれます。
専門用語の意味をよく質問されるのであれば、初心者向けにわかりやすく説明したコンテンツを作成しましょう。購入後のお手入れ方法を知りたいという声が多い場合は「自宅でできる簡単メンテナンス6つの方法」といったハウツー系コンテンツも良いでしょう。
自社のP Rも必要ですが、実際のユーザーが知りたいと思っている生の声は、コンテンツ作成において活用すべきです。

コンテンツの優先度をつける

コンテンツ全体の設計が完了したら、目的や導きたい結果ごとに優先度をつけていきます。潤沢な予算や人員があれば問題はありませんが、コンテンツ作成は基本的に時間と手間、お金がかかるものです。全てを一度にやりきることは、中々難しいため、本当に必要なコンテンツを検討し、優先的に効果を上げたいものから作成していくとよいでしょう。


キーワード選定にも、優先順位を見出す方法があります。おすすめは「ビジネス」「SEO」の2つの視点をもとに、総合的に判断する方法です。
ここでのビジネス視点とは、誰にどのようなコンテンツを届けるかといった戦略を元に「自社の強み」「市場のニーズ」「競合の可能性の低さ」といった条件を満たすコンテンツを優先させる考え方を意味します。
またSEO視点は、検索エンジンにおける上位表示を目指すための分析と位置付けました。キーワード選定は、どちらが欠けてもうまくいきません。
2つの視点の考え方を理解した上で、バランス良く選定する必要があります。

ビジネス視点

まず、ビジネス視点においては、いわゆる3C分析を基本とします。コンテンツマーケティングに限らず、マーケティング業界において重要とされる考え方です。
コンテンツマーケティング開始前に分析した内容ではありますが、キーワード選定においても下記の3つの条件を満たすことが重要といえます。
・自社:自社の強みを活かせるテーマ、カテゴリであるか
・市場:ターゲットとなるユーザーの検索ニーズがあるか
・競合:他社と競合する可能性が低いか
その上で、各項目をさらに詳しく分析していきます。


●自社
自社の強みは、SWOT分析等で導き出すことが可能です。その上で、強みをリスト化し、コンテンツとして活用したいキーワードとの相性を判断します。
同時に、コンテンツ作成のための体制が整っているかどうかも確認しておきましょう。
YMYLに関する分野のコンテンツを企画する場合は、特に注意が必要です。YMYLとは、「Your Money or Your Life」の頭文字を取った略称です。Googleの検索品質評価ガイドラインに登場している言葉であり、お金や健康、金融など、人の人生や暮らしに対し、大きく影響を与える内容だとGoogleが判断している分野を意味します。
Googleは、ユーザーにとってメリットのあるコンテンツを作成することを求めています。しかし、ユーザーが病気の治療法を探している際に、信憑性の低い情報や問題視されている治療法が上位表示されてしまえば、ユーザーは健康を害してしまう可能性が高まります。そう考えると、YMYLに対し、Googleが一般的なコンテンツ以上に、YMYLに対し、厳しい評価を行うことにも納得できるはずです。
もしも、自社の強みと制作したいコンテンツが、YMYL領域に該当する場合は、一般コンテンツ以上に正しく信頼できる情報を公開することが求められます。運営に使用する人的コストなども踏まえ、運用体制が整えられているかどうかも確認しておきましょう。


●市場
自社の強みを活かすことができ、さらに競合が少ないキーワードだとしても、実際の検索ボリュームが少なすぎる場合、わざわざコンテンツとして作成する意味はありません。ビッグキーワードも含め、検索ニーズの高いキーワードをリスト化した上で、狙うべきコンテンツを考えていきましょう。
ただし、注意すべき点は、検索回数だけにとらわれないことです。もし、あなたが女性向けのコンテンツを作成したいのであれば、男性と女性の検索ワードを分けて考えなければなりません。サイトを訪問する見込み客の性別、年齢、移住地などのデータを元に、属性を絞り込んだ上で、キーワードを選定するようにします。


●競合
競合性が低ければ低いほど、新しいコンテンツであっても、ユーザーの目に留まる確率は高くなります。ここまでの段階で、すでに選定したキーワードがあれば、ぜひ検索してみてください。確認すべき点は、上位表示されている記事の内容です。
「自社でも作成できそうだ」と感じるようであれば、競合性は低いと判断し、キーワードの優先順位を高めてください。逆に「オリジナルコンテンツに力を入れている」「自社の現在の運用体制では、ここまでの記事は作成できない」と感じるようであれば、競合性が高いと判断し、優先順位を下げた方が良いでしょう。

SEO視点

次に、SEO視点におけるキーワード優先順位の選定ポイントとなる点を解説します。
SEO視点は、検索サイトにて上位表示されることを目的とした観点です。つまり、現在上位表示されているサイト=競合サイトであり、競合サイトよりも良質なコンテンツを作成することで、表示順位を逆転することを目指します。


●ドメインパワー
SEO視点において、まず注目すべき点は「ドメインパワー」です。ドメインパワーとは、言葉通り、ドメインの力を表します。「パワーランクチェックツール」「MOZ」「ahrefs Site Explorer」など、有料・無料のさまざまなサイトやツールを利用することで、ドメインパワーの数値を調べることができます。
ドメインパワーは、主に下記条件から決定されます。
・被リンク(リンクを受けているサイト)の数や質
・コンテンツの質
・更新頻度
つまり、現在上位表示されているサイトが、ドメインパワーの強いサイトである場合、キーワードの優先順位を下げ、別のキーワードを探した方が無難です。
もし被リンクの数、質が自社と同程度であれば、上位表示の可能性は残されています。キーワードの優先順位を高く設定し、コンテンツ作成に取り組みましょう。


●文字数
上位表示されているコンテンツの文字数、ボリュームを調査します。Googleは、文字数が検索順位を決定する訳ではないと発表しているものの、良質なコンテンツを作ろうとすれば、文字数は必然的に増えるでしょう。
キーワードによっては、コンテンツ以外のページ(広告、Googleマップなど)が上位表示しているケースもありますが、高評価のコンテンツを制作すること、ユーザーにとってメリットのある内容を入れることを重視すれば、文字数は増えていくはずです。
また競合サイトの文字数を把握することで、新規記事の目安として役立てることができます。


●サイトタイプ
狙っているキーワードにおいて、上位表示されているサイトの種類を調べます。Webサイトには、オウンドメディア以外にも、ECサイト、公式メーカーの商品一覧など、さまざまな種類があります。
キーワードに対して、上位表示されているページが、記事(コンテンツ)ページか、それ以外のページかどうかを確認しましょう。もしも、記事以外のページである場合、コンテンツに力を入れたとしても上位表示させることは難しいため、優先順位を下げた方が無難だと判断します。
記事ページであれば、上位表示できる可能性が残されています。合わせて、上位表示されているサイトの構造や仕組みを確認し、自社サイトと類似しているかどうか確認しましょう。類似しているようであれば、より上位表示できる可能性が高いです。

具体的な優先順位とは?

ここまでキーワードの優先順位の判断基準をいくつもお伝えしてきました。全てに当てはまるキーワードが見つかれば問題ありませんが、実際には、内容を判断した上で、総合的に決める必要があります。


1.自社
最優先したい項目は、自社に関するキーワードです。自社の強み、オリジナリティを活かすことができるか、自社のペルソナ、ターゲットと一致しているかなど、自社との関係性の深いキーワードは、単に流入数を高めるだけでなく、その後のコンバージョンにつながる可能性が高いです。


2.ドメインパワー
ドメインパワーの数値は、検索エンジンからの信頼の証です。いくら自社にとってメリットの高いキーワードだとしても、競合サイトのドメインパワーで負けている場合、上位表示は困難であるケースが多くなります。
ただし、ドメインパワーは、常に一定ではありません。始めたばかりのサイトのドメインパワーは低くて当たり前ですが、丁寧なサイト運営を継続し、Googleからの信頼を獲得することで、ドメインパワーを高めることは可能です。


【ドメインパワーの上げ方】
・良質なコンテンツを増やす
・アクセス数を増やす
・良質な被リンクを増やす
・サイトを長期間運営する(定期的に更新する)
ドメインパワーを上げる方法を見て、当たり前すぎるとガッカリされた方もいるかもしれません。しかし、全ては「ユーザーファースト」の考え方に基づいています。ユーザーにとって良質なコンテンツを提供するサイトを作ることが、ドメインパワーを高めるための近道です。
サイトの運営期間だけは、中古ドメインを購入することで対応可能ですが、その他のポイントに関しては、全て良質なコンテンツを定期的に更新することで後からついてくるものばかりです。


3.市場の検索回数
次に優先すべき内容は、検索回数です。正、販売する商品や提供するサービス、現在運営中のオウンドメディアの状況などにより、判断すべき数値が異なるため、一概にどれだけの検索回数であれば優先すべきとは言えません。
同様に、検索回数自体はそれほど多くないものの、検索するユーザーが高い確率でコンバージョンするといったケースも考えられます。
その他、競合調査の中で確認できた情報は、単独で判断するのではなく、総合的な視点を重視してください。

コンテンツを継続して発信する

優先順位の高いキーワードからコンテンツを制作する段階に入ることができれば、次に目指すべきことは、継続的な発信です。すぐに効果が現れにくいコンテンツマーケティングだからこそ、新しいコンテンツを配信し続けることが求められます。
しかし、現実的には多くの担当者が「ネタ切れ」に悩まされています。コンテンツのネタに悩み、思いつきで進めてしまっては、本来目指すべきゴールから離れてしまう可能性もあります。
あくまでユーザーが求めるコンテンツであることを前提に、ネタ切れに悩まないよう、継続的にコンテンツを作るためのコツについて紹介します。

ネタづくりの基本となる3つのポイント

ネタづくりの基本として業種を問わず役に立つのが、次の3つのポイントです。
・新しさ
・数
・異なる素材の組み合わせ
「最新技術」「新発売」のように、新しい情報にまつわる内容は、ネタとしての鮮度も高く、ユーザーにとってのメリットも十分にあります。情報はスピードが命です。速ければ速い方が好ましいですが、誤字脱字や誤報に注意する必要があります。
次の「数」は、情報を説明する際に役立つワードです。小見出し「ネタ作りの基本となる3つのポイント」のように数字を入れる方法です。具体的な数字を使うことで、ユーザーの関心を惹きやすくなります。
そして最後の「異なる素材」。新しい情報は価値があるとお伝えしましたが、毎回のコンテンツで新しい情報を届けることは、難しいものです。重要な情報であれば、コンテンツとして配信する前に、すでにニュースで報道されていたり、企業のプレスリリースで告知されていたりすることもあるでしょう。だからこそ、別の切り口で伝えるために必要なものが、異なる素材というわけです。
特定の商品を販売している企業であれば、「人」「場所」「時間(過去・現在・未来)」「ミスマッチなイメージのもの」「流行・トレンド」と、それぞれ組み合わせることでコンテンツネタが生まれます。
仮のタイトル案を作成し、ポイントを書き出すなどしてコンテンツ案を作ってみましょう。トータルのコンセプトと合っているか、自社ブランドイメージを損なわないか、過去に似た記事はないかなどのチェックを経て、情報収集、コンテンツ制作へと進みます。

5W1Hを活用し、ネタの種を育てる

「コンテンツ制作にあたっては、切り口を変えることが必要」だと言われることがあります。しかし、視点を変える、切り口を変えると漠然と言われたとしても、具体的行動に移すのは簡単ではありません。
ひとつの方法として覚えておくと役に立つのが「5W1H」です。5W1Hとは、When、Where、Who、What、Why、Howを意味する言葉であり、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
まず、When、Where、Whoの3カテゴリを洗い出します。
When(いつ)→コンテンツの公開日は?
Where(どこで)→配信するツール(オウンドメディア、各SNS、メールマガジンなど)は?
Who(誰に)→情報を届けたい相手は?
今回のテーマを「オンラインセミナーの開催」とした場合、コンテンツの公開日は、開催1ヶ月前、2週間前、前日、当日などが考えられます。配信ツールはオウンドメディアとSNSとしましょう。
情報を届けたい相手は「以前セミナーに参加したことがある人」「セミナーの内容や自社の事業に興味がある人(これまで参加したことがない人)」「セミナーの存在も自社事業の存在も知らない人」の3種類と設定します。
When、Where、Whoを組み合わせることで、自動的に「What(何を)」の内容が見えてくることにお気づきでしょうか。そして、さらに「Why(なぜ):コンテンツ作成の目的」を合わせていきましょう。例えば「セミナーの認知度向上」と「参加者の増加」であれば、掲載すべき内容が変わります。さらに、集客をメインとするのであれば、セミナーも自社事業の存在も知らない層に向けての認知コンテンツの優先順位を下げ、集客できるコンテンツ作成に力を注いだ方が効果的だとの判断も可能です。
そして最後の「How(どのように)」では、表現の形式を考えます。過去のセミナーの様子をマンガで掲載する、実際の参加者の声をインタビュー形式で伝える、セミナーの内容を少し先取りで見せつつ、数字やグラフを多用し興味を引くなど、発信方法は多岐に渡るため、浮かぶアイデアをリスト化しましょう。
このように「5W1H」を活用することで、コンテンツのネタを広げることが可能です。ただし、この考え方は、あくまでさまざまなアイデアを生み出すための手法であり、出てきた案が全て最適とは言えません。オウンドメディアとしての目的や企業ブランドから外れてしまっては、元も子もないのです。
ただし、ひとつのキーワードやネタの種を元に、発想を広げるコツを掴むことができれば、新しいコンテンツ制作の際に応用が可能になります。優先順位をの高い重要なコンテンツを生み出すことができれば、使えなそうな案は、即座に却下すれば良いのです。
作業のコツを掴めば掴むほど、柔軟な発想ができやすくなり、ネタ出しそのものが楽しくなるはずです。あとは、コンテンツ公開後の結果分析を元に、考え方の方向性が正しいかどうかを確認した上で、さらに上質なコンテンツづくりを目指しましょう。

ターゲットが抱える課題に対する解決を提示

ターゲットが抱えている悩みや課題、ニーズをひとつずつ書き出し、解決に役立つ情報をコンテンツ化する方法です。
(例:ターゲットの悩み)
「自分の足に合う靴が見つからない」「左右で足の大きさが違う」「長時間履いているとすぐに足の先が痛くなる」
それぞれの悩みに応じた解決策・原因をピックアップし、簡易的にタイトルにまとめていきます。
・靴を正しく選ぶための●つのポイント
・左右で足の大きさが違う理由は?
・痛む場所でわかる歩き方のクセ
・長時間履いていても疲れにくいパンプスランキング
実際にコンテンツとして採用するかどうかは、チェックする必要がありますが、課題やニーズに対する回答の視点から生まれた企画のため、ペルソナ設定が正しければ、コンテンツ公開後コンバージョンにつながる確率は高くなります。

長期的な計画を立てる

コンテンツのネタに困る担当者は、短期的な締切に追われていることが多いです。実際に、ネタを見つけたからといって、すぐにコンテンツ制作に入れるわけではありません。ネタはあくまで「種」であり、不足分の情報収集や練り込みなどが必要です。
だからこそ、問題を解決するためには、1ヶ月、2ヶ月、半年先など、ある程度長期間のコンテンツのネタを一度に考えておくようにしましょう。集中して一定期間のネタ出しを行うことで、季節感なども意識することが可能となります。また、適切なコンテンツ発表の時期を考え、逆算することで見えてくるものがあるはずです。
特に、ライティングの外注を計画しているケースであれば、余裕を持ったスケジュールでのネタ作成を行いましょう。

ネタづくりが可能な環境を構築

コンテンツ制作に関しては、情報のインプットが重要です。ネタ作りはアウトプットの連続であり、良いコンテンツを作りたいのであれば、インプットにも十分な時間を割くことが求められます。日常業務の中で新しい情報が入ってくる仕組みを整えることで、ひらめきやヒントが生まれやすくなるでしょう。
例えば社長や役員、上司とのミーティング時間を確保し、定期的にノウハウや知識を得ることも好ましいでしょう。また、特定の部門や部署に偏ることなく、さまざまな部署の社員と話すきっかけを作ることで、別視点での情報収集が可能となります。個別に時間を作ることが難しければ、ランチミーティングなどでも構いません。
自分の思考や自分が所属する部署の考え方だけに凝り固まることのないよう、新しい情報を取り入れていきましょう。

効果測定を行い、随時改善を繰り返す

コンテンツマーケティングは、コンテンツを制作し配信を続ければ完成というわけではありません。Googleアナリティクスやサーチコンソールといった解析ツールを活用し、PV数や回遊率、検索エンジンでの表示順位などを分析しながら、随時コンテンツの改善に努めます。
新規事業でない場合は、コンテンツマーケティング導入前の数値(セッション数、PV数、お問い合わせ回数など)と、導入後の数値を比較し、分析します。
下記は、基本的な指標の一例です。

指標内容
UU(ユニークユーザー数)訪問したユーザーの数
セッション数訪問された回数(同じユーザーが複数回訪れると複数回カウントされる)
PV特定ページの表示回数
離脱率サイト訪問後、別サイトに移動したりブラウザを閉じた割合

ユーザーの行動をより細かく知りたい場合は、ヒートマップツールを導入するとよいでしょう。ヒートマップツールを利用することで、サイトを訪問したユーザーの行動を、色で理解することができます。
例えば、下記のような内容を専門知識なく、知ることができます。
・マウスの動き
・クリックされているポイント
・ユーザーがスクロールした場所
・ユーザーが離脱した場所
・ページ閲覧エリアの滞在時間
制作する側は、意識していない部分であっても、ユーザーからすると使いにくい、わかりにくいと感じることがあります。ヒートマップツールは、ページごとのユーザーの動きを的確に示してくれるツールです。サイト全体の情報を分析するGoogleアナリティクスなどと併用し、より深い分析を行うことをおすすめします。

効果測定を行うメリット

効果測定を行うことで、次の3つのメリットを得ることができます。
●問題点の把握
目標に対し、達成率を明確に把握することで、実行した施策の良かった点、悪かった点が明らかになります。例えば、アクセスが集まっていない(=上位表示されていない)記事であれば、加筆修正をすることで改善できる可能性があります。また、アクセス数は十分あるものの、コンバージョンに至っていないようであれば、導線の見直しやデザインの調整が必要でしょう。
●トラブル発生前に対処が可能
効果測定を行うことなく、計画・実行だけを繰り返した場合、効果が出ていない施策を継続してしまうことにもなりかねません。効果測定は、一旦立ち止まり、施策の方向性が間違っていないかどうかを確かめる役割を果たしています。
●現状やるべきことの確認
よくある例として、最初は企業または部署にて同じ目標に向かって進んでいたにも関わらず、時間が経つにつれ、進みたい方向がバラバラになってしまうといったことが挙げられます。しかし、効果測定を行い、現状を把握すると同時に「今やるべきこと」「やめること」を、明確にすることが可能です。

改善ポイント

ここからは、サイト公開後の分析から判明した一般的な改善内容を紹介します。実際にPDCAサイクルを回した後に、ぜひ参考にしてください。
●サイト構成
オウンドメディアやwebサイトの構成は、ユーザーにとってわかりやすく親切な設計になっているでしょうか。デザインとして優れていたり、他社との差別化ができていたりするものの、実際には使い勝手が悪く、サイト内でユーザーが迷子になっているケースは少なくありません。「問い合わせをしたいのに、問い合わせフォームのある場所が見つからない」といったことがあればどうでしょうか。
諦めずに問い合わせをしてくれるユーザーはごく稀でしょう。一般的には離脱し、同業他社のサービスに流れてしまいます。さらに、使い勝手の悪いサイトを運営している企業に対しても、ネガティブな印象を抱いてしまいます。ヒートマップツールの利用により、ユーザーが迷子になっていると感じたら、まずはサイトの構成を見直すことをおすすめします。
●表示速度
サイトの訪問者がストレスなく、コンテンツや画像、動画を読み込むことができるかどうかは、とても重要なポイントです。現在では、さまざまな場所でWi-fiを利用することができるようになっているものの、全てのユーザーが、快適な環境で閲覧しているとは限りません。電車の中や混雑した街中で閲覧される可能性も踏まえてサイトを構築する必要があります。
どれだけ優れたコンテンツを制作したとしても、そもそも表示されなければ読まれることはありません。自社サイトの表示スピードを計測し、もし、他社と比べて明らかに遅いようであれば、デザインや使用画像を今すぐ見直しましょう。
●ユーザーにとってのわかりやすさ
コンテンツマーケティングにおいては、必ず目的を元にゴールを定めているはずです。購入、会員登録、申し込み、予約など、内容は各企業により異なるものの、ユーザーがゴールに到達するための道筋はわかりやすくなければなりません。
大切なことは、ユーザーを迷わせないことです。例えば、単純なことですが申し込み方法が「電話」「メール」「LINE」「問い合わせフォーム」の4つあるだけでも、ユーザーはクリックする手を止めて、考え込んでしまうものです。サイト下部までスクロールしているにも関わらず、最後のゴール(例:問い合わせ)で離脱しているケースなどは、選択肢の多さが原因となっている可能性があります。
●ストーリーとしての構成
回遊率の低さが課題となっている場合、サイト全体のストーリー構成について、再度見直してみましょう。そもそも、ユーザーは、最初からあなたの会社の商品やサービスを求めて訪問しているわけではありません。
偶然たどり着いた、少しよさそうな気がする、もう少し見てみようか、といった段階です。ひとつのコンテンツを読んだ上で、別のページに飛んだとしましょう。いいことは書いてあるけれど、内容に統一性がなく、しっくりこない状態では、素直にゴールにまで足を運ぶことはないでしょう。
全てのコンテンツを関連づけることが難しい場合は、ストーリーを伝えるページを作成し、各ページから導線を作るといった方法もあります。
●ネガティブな要素も加える
担当者としてコンテンツを作成する際には、どうしても良いポイントばかりをPRしたくなるかもしれません。しかし、ユーザーからすれば「素晴らしい」「良い」「改良を重ね、最高傑作が出来上がりました」など、耳障りのいい言葉ばかり並んでいると、どうしても胡散臭く感じてしまうものです。
マーケティング担当者の立ち位置から離れて考えてみると、あなたもプライベートでは心当たりがあるのではないでしょうか。良いことばかり書かれていると、なんだか裏があるのでは?と思ってしまう心理は、誰しも共通です。
ネガティブ要素を伝えると言っても、何もかもさらけだす必要はありません。見様によってはポジティブとも捉えられるような内容を加えることで、信頼できる、誠実といった印象を与えることができるのです。

集客コンテンツの成功事例

デジタルマーケティングの一環として、集客用のコンテンツを制作している企業や、今後制作を検討している会社は少なくないでしょう。しかし一方で、広告は水物でもあり、その効果のほどが具体的に読めず、導入に対して足踏みをしてしまっている人も多いのではないでしょうか。
今回は、集客用コンテンツに成功した実例を紹介し、その方法やもたらされた効果について解説していきます。

日本電気株式会社

社名日本電気株式会社
実施内容自社サイトwisdomの制作

目的

これまでのユーザーは、各社の情報システム部門がメイン。事業部門やユーザーとの接点の少なさに課題を感じ、見込み顧客を効果的に取り込むことを目的に実施

運用と効果

2004年、wisdomはビジネスポータルサイトとして、国内外のビジネスシーンにおけるさまざまなトピックスを紹介。中でも、歴史からビジネスのヒントを学ぶ「歴史の変革者たち」や、アメリカのトレンド情報を紹介する「米国発、ITトレンド」が人気シリーズとなり、メールマガジン購読者数は70万人を突破、メディア換算効果も数億円と言われている。
その後、他社のオウンドメディアが乱立。集客力の低下に危機感を持つと共に2016年wisdomを抜本からリニューアル。コンテンツの50%程度をNECの新たなテクノロジーやソリューションに関わる内容に、残りの50%も社会課題やNECの事業領域に沿ったテーマを深堀したもので構成するよう編集方針を変更。wisdomにて長年培ってきたデジタルマーケティングのアセットを組み合わせ、立体的な提案を行う。

株式会社テリロジー

社名株式会社テリロジー
実施内容自社サイトに記事コンテンツを導入

目的

マーケティングの主な施策だった広告や展示会の効果が芳しくなく、新しいマーケティングとしてオウンドメディアの強化を狙い実施

運用と効果

これまで企業紹介が主なコンテンツとなっていた自社サイトに、市場のトレンドや新たな技術に関するトピックスを載せた記事コンテンツを掲載し、問い合わせ数を以前の3倍に増やすことに成功。製品に関する問い合わせや、eBookのダウンロードをされた方には、ステップメールでフォロー。クライアントを1件1件回りながらニーズを探るというヒアリングを行い、読まれる記事コンテンツを作成。

Hubspot

社名Hubspot
実施内容自社サイトにブログやホワイトペーパーを掲載

目的

自社が提唱するインバウンドマーケティングの有効性を証明するために実施

運用と効果

Hubspotは、インバウンドマーケティングと、それらを実践するためのインラインサービスを提供する企業。自社サイト内にブログ記事や業界や事業の研究を行ったホワイトペーパー、そしてWeb上で行うセミナー「ウェビナー」などを行い、集客を実施。結果、顧客1,400社を達成。また、見込み顧客のうちWeb経由の割合を75%とすることに成功。

SAP

社名SAPジャパン株式会社
実施内容自社製品を宣伝しないブログ記事を掲載

目的

見込み顧客の取り逃しを防ぐため、クライアントとなる経営者やビジネスパーソンを自社サイトのファンにすることを目標として実施

運用と効果

運用と効果:あえて自社製品には触れないトレンド記事を制作することで、コアなファンを獲得することに成功。月間 40万PV、開始2ヶ月で立ち上げ費用の6倍の売上を達成。

Inside Out

社名株式会社リクルートホールディングス
実施内容コーポレートブログ

実施内容

コーポレートブログ

目的

「数字だけでは伝えきれない私たちのストーリーを、世界中のステークホルダーにお届けする」ためのツールとして活用

運用と効果

HRテクノロジー、メディア&ソリューション、人材派遣のグループ企業単位において、社内の取り組みや企業文化を発信。旧「統合報告書」を、より幅広いステークホルダーに向けて紹介する「会社紹介メディア」へと再編。

Web Bellmark

社名一般社団法人ウェブベルマーク協会
実施内容オウンドメディア事業「Web Bellmark」の運営

目的

ウェブベルマークの活動を知ってもらい、被災地の支援につなげたい

運用と効果

2015年2月の公開後、毎月25本ほどのコンテンツを配信。公開前と比較し、流入数は約6倍に。限られた広告宣伝費の中で、保護者へのPRを依頼すると共に「ウェブベルマークPRコンテスト」を開催し、幅広い層へのPRを行う。

コクヨマガジン

社名コクヨ株式会社
実施内容コンテンツマーケティングを内製化。SEOに特化したプロ人材を投入

目的

2015年からコアユーザー向けのオウンドメディア「inspi」を開始。2020年、能動的に情報収集をしていない8割の文具ライトユーザーへのアプローチへと刷新。

運用と効果

2015年からコアユーザー向けのオウンドメディア「inspi」を開始。2020年、能動的に情報収集をしていない8割の文具ライトユーザーへのアプローチへと刷新。

運用と効果

2020年3月に投稿した「現役大学生100人にアンケート! ルーズリーフvsノート どちら派?」が、8月現在「ノート ルーズリーフ」で検索1位を獲得。在宅勤務や保育園・幼稚園の休校等、社会のニーズを先読みし、素早い情報発信を行う。

事例から見るコンテンツマーケティング成功の法則

成功している事例には、全て共通の法則が存在していることにお気づきでしょうか。

長期的な視点を持つ

コンテンツマーケティングにおいては、Web広告のように即効性のある成果を得ることは困難だとの認識の元、長期的視点で取り組むことが必要です。
しかし、ゴール設定が不明瞭な場合、継続のモチベーションが上がりにくく、結果が出る前に、コンテンツの更新が滞ってしまうケースは少なくありません。一時的にコストがかかることから、上層部の理解が得にくいといった声もあります。
しかし、事例で紹介した「コクヨマガジン」のように、コンセプトやカスタマージャーニーに力を入れた企画書を作成し、社内メンバーに方向性を共有し理解を得た上で、進めることで、社内一丸となって取り組むことが可能となります。
マーケティング担当者1人に負担がかかるような方法ではなく、ライティングを外注したり、コンテンツ選定を工夫したりするなど、継続的な方法を考えることが必要です。

ユーザーが求める情報を発信する

ユーザーが求める情報の発信は必要ですが、事業と無関係な内容やコンバージョンにつながらない内容を発信したとしても、成功にはつながりません。
まずやるべきことは、「企業側が伝えたいこと」「ユーザーが求めていること」の定義です。その上で、「どのように伝えるか」「伝えることにより、ユーザーはどのように感じるのか」の段階を踏んだコンセプトを作ることで、コンテンツの軸が生まれ、統一感のある発信が可能となります。
SNSは、フォロワー数が多いとしても、発信した情報が閲覧されるのは数日です。長期的に投稿記事を活用することは困難ですが、アンケートをとり、ユーザーのニーズを探るには最適です。
SNSのコメントを拾い上げ、アンケートを求める。回答をオウンドメディアでコンテンツとして提供し、再度SNSでシェアするといった拡散方法もあります。
ユーザーの声を拾い上げることが難しい業種の場合は、新入社員にヒアリングするのもよいでしょう。入社当時、理解できなかった専門用語は何か、違いがわからなかった内容は何かなどを確認してみましょう。
新入社員が理解できなかった内容は、一般消費者にとっても疑問に感じている部分である可能性が高いです。また、コンテンツとして作成しておくことで、新入社員向けの研修資料として活用することも可能です。

リード獲得のための導線設計をおこなう

コンテンツマーケティングでは、従来の広告と異なり、一方的に商品やサービスの情報を押し付けるような手法は好まれません。リード(見込み客)を含むサイトの訪問者に対し、一見商品やサービスと無関係に思われるような情報なども含む、有益な情報を継続的に届けることにより、信頼関係を築くことが重要です。
もちろん、信頼関係を得るだけでは、成功とはいえません。最終的にはリードが求めている内容を見極めた上で、適切な情報提供を行い、商品やサービスの購入につなげることが必要です。さらに関係を深めることで優良顧客へと育て、次は自ら周囲の人へと紹介したり、自社の他ブランドへの関心を高めたりといった行動をしてもらえるようにすることが理想的といえます。
リード獲得に向けた導線設計は、コンテンツマーケティング成功に向け、非常に重要な役割を持ちます。検索キーワードによって、ユーザーのニーズは変わるため、キーワード別にコンテンツの導線を考える必要があります。

キーワードユーザーのニーズ必要な導線
●●とは基本的な知識、用語の意味を知りたい・用語説明
・ホワイトペーパー
・メールマガジン登録
●● 事例・具体的な導入事例を知りたい
・導入することによる変化を知りたい
・事例紹介
・セミナー案内(オンライン含む)

上記の例は、大変シンプルな内容ですが、コンテンツで狙うキーワードごとにユーザーのニーズと必要な導線を書き出し、一覧化することで、適切な対処法が判断できます。
サイト上の導線は、ユーザにとってわかりやすいものである必要があります。アクションの方法は複数ありますが、ここではよく使用される例を紹介します。

施策内容
ポップアップ・画面に情報を表示する機能
(ユーザーが下まで画面をスクロールしたら表示するなどの設定が可能)
プッシュ通知・画面表示や音声で通知する機能
CTA・アクションを促すボタン
(見積もり、メルマガ登録、資料請求など)

ポップアップやプッシュ通知は、効果的な手法ではあるものの、大きすぎたり表示されるタイミングが悪かったりすると、ユーザーの気分を損ねてしまいます。CTAも同様に、ただボタンを設置すればいいというものではありません。適切なタイミングで設置することで、ユーザのクリック率を高めることができます。

適切な初期投資を行う

コンテンツマーケティングには、初期投資とランニングコストが必要です。外部委託をせずに、自社のリソースだけで回していくとしても、人件費は必要です。
またコンテンツマーケティングは、短期的に成果を発揮できる手法ではありません。中長期的な計画と予算組みを行わなければ、途中で頓挫しかねません。成功企業の多くは、適切な予算配分を行った上で、長期的な計画を練っています。

ユーザーやターゲットに応じて最新の手法を活用

時と場合によりますが、時代に合わせた手法も、積極的に取り入れることが重要です。コンテンツを始めるにあたり、スタートしやすいのはテキストですが、訴求したいユーザーの年齢層や趣味嗜好などに合わせて、動画やSNSを活用することも必要です。

BtoBとBtoCでの違いに注意

近年、BtoBマーケティングという言葉を耳にする機会が増えてきたと感じることはありませんか?インターネットの普及により、活発化しているBtoBマーケティングですが、BtoCと同じ手法では求めるゴールにたどり着くことは困難です。
いわゆる企業をターゲットとするBtoB、個人をターゲットとするBtoCでは、コンテンツマーケティングを行うにあたり、大きく異なる点があるためです。
異なる点について、そしてWebサイトに必要なマーケティング施策の違いについて解説します。

意思決定・決裁者の違い

BtoCの場合、意思決定者と決裁権は個人であり、多くの場合同一人物です。そのため、意思決定者=ペルソナ、ターゲットであり、直接的なアプローチが可能です。
しかし、BtoBの場合、サービスや商品を購入するのは企業です。購入には、組織としての合意が必要であり、意思決定者・決裁者が誰であるのか、外部からは見えにくい状態です。さらに、意思決定者が一人とは限りません。その上、事業部門、購買部門など、複数の部署が関わっているケースが多く、商談が進まない場合でも、予算、ニーズ、納期など、どの部分がボトルネックになっているか明確にならないケースもあります。意思決定者=製品を実際に使用する人物とは限りません。
個人の感情により決定されるBtoCとは異なり、BtoBでは、組織による合理的判断が行われます。

検討・取引期間

BtoCの場合、一般的には判断までに時間を要することはありません。家や車といった高額商品の場合は、BtoBに近い考え方になるものの、検討期間は短く、取引期間も短いケースが多いです。
一方、BtoBでは、検討期間そのものが長く、信頼を獲得し取引がスタートした場合、長期的な関係が続きます。設備投資に関する取引であれば、高額、かつ減価償却期間がかかることから、検討・取引共に長期化するケースが一般的です。また、意思決定者、決裁者も、プライベートの購入とは異なり、業務での判断となるため「失敗したくない」「よりメリットの高い取引を行いたい」との心理が働くため、より丁寧なアプローチが求められます。

Webサイトに必要なマーケティング施策の違い

そもそも、BtoBとBtoCでは、ターゲットが大きく異なるため、必要なマーケティング施策が異なることを理解する必要があります。
仮にBtoC商材とBtoB商材を同じターゲットに販売する場合でも、企業の一担当者として、業務用商材を選ぶ場合の視点や考え方と、家庭で使用するための商品を購入する場合の視点は、大きく異なります。
BtoB、BtoCにおけるペルソナ設定の具体的事例につきましては、下記ページにてさらに詳しく解説しています。

サイトの目的の違い

BtoC、BtoB共に、最終的なゴールは商品やサービスの購入や利用申し込みです。しかし、サイト閲覧から最終ゴールまでを紐解いていくと、大きな違いがあることがわかります。
BtoCの場合「商品や企業のファンになってもらう」「ブランドを好きになってもらう」といった好意を必要とします。自社商品と同業他社の商品を選択する場面においても、自社を選んでもらうためのファンづくりが基盤にあります。
一方、BtoBの場合、サイトを閲覧し良質なコンテンツに出会ったからといって、即購入に結びつくわけではありません。興味・関心を持ってもらい、信頼できそうだと感じてもらった上で、問い合わせや資料請求、または複数の選択肢のひとつとして検討してもらうといった行動が入ります。
コンテンツを通じて、促したい行動とは何かを考える必要があります。

サイトに掲載すべき内容

前述しましたように、目的が異なる以上、サイトに掲載すべき内容も異なります。BtoCの場合は、購買ターゲットの年齢層にもよるものの、消費者の購入意欲を高めるため、華やかなデザイン、写真、イラスト、漫画、購入キャンペーンなども効果的です。
一方、BtoBの場合は、具体的な実績、商品のスペック一覧、簡易ダウンロードが可能な資料など、社内で検討する際に役立つような情報を掲載しておく必要があります。スムーズに問い合わせができるよう、問い合わせフォームを設置したり、代理店の情報を掲載しておくことも重要です。

より複雑化するBtoBマーケティング

BtoCと比べると、BtoBはかなり複雑な印象を受ける方も多いかもしれません。さらに、BtoB企業も、今までの手法とは大きく変わっている点があります。そのひとつが営業力です。
インターネットが普及するまでのBtoBであれば、飛び込み営業やテレアポ、見込み客のリスト作成や、優良顧客の元に実際に足を運び契約をとる手法が一般的でした。企業としても、マーケティング戦略に力を入れるよりも、優秀な営業マンを育てることに注力していたと考えられます。
しかし、現在では、企業側も単なる「待ち」の状態ではありません。デジタル化が進むにつれ、多くの企業は自ら情報を探し、初の取引先であっても、信頼できる・自社にとってメリットがあると感じるようであれば、積極的にアプローチを行なっています。営業担当者が来る前に、すでに情報を得ていたり、他社との比較検討に入っているといったケースも珍しくありません。
さらに購買プロセスも、従来のAIDMAと現在のAISCEASでは大きな違いが生まれています。

AttentionInterestDesireMemoryAction
認知興味欲求記憶行動(購入)
AttentionInterestSearchComparisonExaminationActionShare
認知興味検索比較検討行動(購入)共有

従来の購買プロセスにはなかった「検索」が新しく入ったことで、ユーザーは「比較」「検討」を行うようになりました。自ら情報収集することで、より警戒心が高まり、購入に至る前の期間が長くなっていることがわかります。
だからこそ、BtoB向けの製品を提供する企業は、ターゲットとなる企業に対し、スピード感を持ちつつも、信頼できる情報を提供することが求められています。BtoBマーケティングに注力している企業が増えているのは、自然の流れというわけです。

BtoBマーケティングを成功させるために、狙うべきは潜在顧客

オンライン上では、顕在顧客(購入意欲が高い)に対するアプローチは、競合他社との争いが必要なため、コンテンツマーケティングだけでなく、リスティング広告にも注力する必要があります。すぐに契約に結びつくことが多いため、直近の売上を求め、獲得に動く企業が多いことも事実です。
一方、潜在顧客は現段階での購入意欲は低いものの、ゼロというわけではありません。少なくとも2年以内には、潜在顧客のうちの80%は、購入の意思を示すと言われています。だからこそ、現段階で獲得しやすい潜在顧客にアプローチをかけ、信頼関係を築きながら、購入へと導くことが求められます。
長期的な戦略を元に、潜在顧客を顕在顧客に育てることは、コンテンツマーケティングとの相性が良い点にも注目です。既存客や顕在顧客へのアクションだけでは、頭打ちになる可能性が高く、現段階であればブルーオーシャンの領域である潜在顧客の獲得は、大きなチャンスがあります。
同時にコンテンツによるリード獲得だけに頼らず、営業部署と連携し、顧客化・商談化を進めることが、必要となるでしょう。
またBtoB企業のSEO対策に関しましては、下記ページにてさらに詳しく解説しています。ぜひご覧ください。


事例を学んで効果的なコンテンツマーケティングを

集客用コンテンツの制作は、マーケティングの基本になりつつあります。今回紹介した集客用コンテンツの制作における成功事例はほんの一部に過ぎません。チラシや展示会といった、これまで高い効果を期待できていたマーケティング手法に陰りが見え始めた昨今、集客用コンテンツを筆頭とするデジタルマーケティングは、ますますその効果を高めていくのは間違いないでしょう。
コンテンツマーケティングは、適切なコンテンツを制作することで、コンテンツが財産となりデータとしての蓄積が可能となります。これは事実ではありますが、継続的に成果を高めるためには、良質なコンテンツの発信だけにとどまらず、訪問者の行動を常に把握し、データ分析を続けることが必要です。
過去の訪問者の行動事例だけを鵜呑みに戦略を練っていると、いつの間にか本筋からズレていたということにもなりかねません。勘や経験は、ひとつのノウハウとして役立つこともありますが、コンテンツマーケティングにおいては、データを分析し、継続的に改善を行うことが必要です。
弊社では、コンテンツマーケティングのプロとして、コンテンツの企画・制作から、効果測定、改善の提案まで企業様に寄り添ったサポートを行なっております。コンテンツマーケティングに関してお悩みの企業様は、お気軽に、ご相談ください。
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