この記事の目次
集客コンテンツの作り方
集客用コンテンツはニーズが高く非常に重要なものですが、担当者がただやみくもに情報を集めてブログなどを作成していても効果につなげることができないでしょう。ユーザーがコンテンツページを読んだ時に、次の行動に導くことができなければ、わざわざコストをかけて作成する意味がないのです。そのため、思いついたネタを手あたり次第書くのではなく、大きな枠組みでコンテンツをとらえて総合的に設計を作り出すことが大切になります。マーケティングにおいて何が重要になるのか見てみましょう。
コンテンツの目的と導きたい結果を考える
効果的なコンテンツを設計するためには、目的と導きたい結果を分析することからはじめましょう。見込み顧客となるユーザーは何に悩み、どういった情報やサービスを欲しているのかを検討し理解すれば、どのような目的を持ったコンテンツページを作成する必要があるかが見えてくるはずです。
(例)
- 目的:商品・サービスをPRする
- 結果:商品・サービスを認知してもらい、購入してもらう
- 目的:ユーザーの疑問を解決する
- 結果:企業へのエンゲージメントを高める
- 目的:話題のトピックスを紹介する
- 結果:サイト来訪頻度を向上させる
- 目的:検索からの流入数を上げる
- 結果:企業や商品・サービスを認知してもらう
このように、企業の利益につながる目的と結果をもったコンテンツを洗い出し、総合的に設計していきます。そうすることで、今後作成すべきコンテンツの方向性が明確になります。質の高いコンテンツの作成を効率的に進めていくことが可能になるでしょう。
目的に応じたコンテンツを作成する
コンテンツは目的によってネタや書き方を工夫することで、よりユーザーのインサイトを刺激することができます。
例えば、商品・サービスをPRするコンテンツなら、企業のブランディングにも効果的であるため、商品の比較記事やメリットを訴求するレポート記事にするとよいでしょう。企業へのエンゲージメントを高めるコンテンツは、このサイトを見ると知りたいことが何でも書いてあると感じてもらえるように、やさしく分かりやすい言葉でユーザーの疑問に寄り添います。
サイト来訪頻度を上げるための話題のトピックス紹介記事は、とくにSNSとの親和性が高いはずです。検索からの流入数を向上させる記事は、SEOを意識した辞書コンテンツなどがいいかもしれません。
さらに、ターゲットとなるユーザーや企業のカラーによってコンテンツのテイストを調整していくべきです。どのようなネタやライティング手法が適切かを事前に検討することで、各コンテンツの軸やトーンがしっかりと定まっていくでしょう。
コンテンツの優先度をつける
コンテンツ全体の設計が完了したら、目的や導きたい結果ごとに優先度をつけていきます。潤沢な予算や人員があれば問題はありませんが、コンテンツ作成は時間と手間、お金がかかるものなので、全てを一度にやりきることが中々難しいものです。そのため、本当に必要なコンテンツを検討し、優先的に効果を上げたいものから作成していくとよいでしょう。
集客コンテンツの成功事例
デジタルマーケティングの一環として、集客用のコンテンツを制作している企業や、今後制作を検討している会社は少なくないでしょう。しかし一方で、広告は水物でもあり、その効果のほどが具体的に読めず、導入に対して足踏みをしてしまっている人も多いのではないでしょうか。
今回は、集客用コンテンツに成功した実例を紹介し、その方法やもたらされた効果について解説していきます。
日本電気株式会社
社名:日本電気株式会社
実施内容:自社サイトWISDOMの制作
目的:ユーザーとの接点の少なさに課題を感じ、見込み顧客を効果的に取り込むことを目的に実施
運用と効果:WISDOMはビジネスポータルサイトとして、国内外のビジネスシーンにおけるさまざまなトピックスを紹介。中でも、歴史からビジネスのヒントを学ぶ「歴史の変革者たち」や、アメリカのトレンド情報を紹介する「米国発、ITトレンド」が人気シリーズとなり、メールマガジン購読者数は70万人を突破、メディア換算効果も数億円と言われている
株式会社テリロジー
社名:株式会社テリロジー
実施内容:自社サイトに記事コンテンツを導入
目的:マーケティングの主な施策だった広告や展示会の効果が芳しくなく、オウンドメディアの強化を狙い実施
運用と効果:これまで企業紹介が主なコンテンツとなっていた自社サイトに、市場のトレンドや新たな技術に関するトピックスを載せた記事コンテンツを掲載し、問い合わせ数を以前の3倍に増やすことに成功
Hubspot
社名:Hubspot
実施内容:自社サイトにブログやホワイトペーパーを掲載
目的:自社が提唱するインバウンドマーケティングの有効性を証明するために実施
運用と効果:Hubspotは、インバウンドマーケティングと、それらを実践するためのインラインサービスを提供する企業。自社サイト内にブログ記事や業界や事業の研究を行ったホワイトペーパー、そしてWeb上で行うセミナー「ウェビナー」などを行い、集客を実施。結果、顧客1,400社を達成。また、見込み顧客のうちWeb経由の割合を75%とすることに成功。
SAP
社名:SAP
実施内容:自社製品を宣伝しないブログ記事を掲載
目的:見込み顧客の取り逃しを防ぐため、クライアントとなる経営者やビジネスパーソンを自社サイトのファンにすることを目標として実施
運用と効果:あえて自社製品には触れないトレンド記事を制作することで、コアなファンを獲得することに成功。月間 40万PV、開始2ヶ月で立ち上げ費用の6倍の売上を達成しました。
株式会社クールミント
社名:株式会社クールミント
実施内容:ECサイト「babytopia」の運営
目的:リスティングやSNS広告の効果性が芳しくなく、更なる顧客開拓のためにオウンドメディアを新設。
運用と効果:週3本のペースで育児中の人が読みたくなる記事を掲載。記事掲載前に比べてユニークユーザー数 10倍、PV数 4倍を達成。また売上だけでなく、注目のECサイトとして育児雑誌やファッション雑誌でも取り上げられることが増え、自社のブランド確立にも貢献した。
まとめ
集客用コンテンツの制作は、マーケティングの基本になりつつあります。今回紹介した集客用コンテンツの制作における成功事例はほんの一部に過ぎません。チラシや展示会といった、これまで高い効果を期待できていたマーケティング手法に陰りが見え始めた昨今、集客用コンテンツを筆頭とするデジタルマーケティングは、ますますその効果を高めていくのは間違いないでしょう。
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