しかし、十分な役割を果たすサイトでなければ意味がありません。企業の魅力を伝えるページにしたいと思っていながら、「求職者から企業を発見してもらえない」「発見されても、求職者にうまく企業の魅力を伝えることができない」という課題を抱えている会社もあるようです。
サイトに何を掲載すれば良いのか分からない……そんな悩みを抱える企業のために、人材採用の効果を上げるための施策について解説します。
この記事の目次
コロナ以後、採用市場は変わる?
日本の人口は、2008年10月1日の約1億2,808万人をピークに減少に転じ、以降は継続的な右肩下がりとなっています。少子高齢化を受けて労働人口が減り続ける中、人材獲得競争は激化、採用現場では長く求職者に有利な状態となっていました。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、現在は「売り手市場」から「買い手市場」へと転換しています。ある意味採用を望む企業にとっての有利ともいえますが、コロナが収束した後の見通しは不透明です。
コロナ禍に伴い、業績不振にあえぐ企業が多い中、採用強化を目指す企業も少なくありません。どのような状況下であっても、経営安定の大きな柱である即戦力となる人材へのニーズが絶えることはないでしょう。
コロナの影響で、一時的にゆるんではいるものの、日本の人口構造を考えれば、採用市場での優秀な人材獲得競争が今後も継続することは明らかです。
人材採用における採用サイトの役割
採用活動を進めていくうえで、採用サイトの存在は欠かせません。現代の求職者の多くは企業サイトをチェックしてから応募を決めます。
例えば、いくら求人広告を出しても人が集まらない場合、求人媒体の良し悪しではなく、自社サイトに問題がある可能性もあります。実際に、転職活動中の情報収集に関するアンケートによると、88.7%(2017年)の人が企業のホームページを確認しています。
2015年の調査では、「企業のホームページを確認する」人の割合が76%、徐々に増えてきていることが分かります。求職者がサイトを訪問した際に見たいのは、一般的な企業紹介ではなく、「自分がその会社に入って活躍できるか」「働く価値があるのか」といった情報です。
そこに注目すれば、「採用に特化したサイトや、採用コンテンツがいかに大切となるか」が理解できるでしょう。採用コンテンツの充実度は、採用活動の成功を左右するカギです。求人媒体の効果が思うように出ないのは、採用サイトがなかったり、採用コンテンツに問題があったりするからかもしれません。
人材採用のためのウェブページを構築するには、単なる会社紹介ではなく、採用活動において、いわば求職者に対するセールスマン的な役割を持つ意識が必要です。魅力を伝えて、入社への意欲を高め、この会社で働くことへの前向きな気持ちを喚起させるコンテンツが求められています。
人材採用の効果を高めるコンテンツのポイント
即戦力となる自社にマッチした人材であることはもちろん、非常時への対応力に期待する企業も多くなってきました。人材採用において、企業の魅力を理解されるように務めるのは当然ですが、自社が求める人材について、その背景とともに正しく伝えることも重要でしょう。
これらの課題をコンテンツで払しょくしたい場合、どのようなポイントを考えれば良いのでしょうか。「どういう人材を欲しているか」説明するには、具体的な事業内容のほか、会社のミッションやバリューなど、ベースとなる点についても示していくことが大切です。
採用コンテンツを作成する場合には、求職者側の視点を常に意識していきます。一般的な情報は、分かりやすくまとめて、画面上から問い合わせがしやすいレイアウトを考えるなどの工夫が必要です。
採用サイトのコンテンツとして掲載する項目には、以下のようなものがあります。
・企業紹介(経営方針・事業戦略・社風・企業文化)
・募集要項/職種詳細(勤務地)
・選考ステップ
さらに、入社後のキャリアへのイメージを広げ、他社との差別化を図るために、活きた社内情報を掲載するのがポイントです。社長メッセージや人事メッセージ、現新人社員の声や各部署の現場の声など、ひと味違った魅力あるコンテンツを目指します。
実際に働いている社員の姿から、キャリアの可能性や多彩なワークスタイルなど自社の魅力として押し出せる点を強調することで、より魅力ある会社としてのアピールが可能となるでしょう。
また、まとまりのあるコンテンツとするために、5W1Hをもとにして作成する方法もあります。
求職者が「なぜ」「どこで」「何のために」「何をしに」「どうなるために」この企業で働くのか掘り下げられるストーリーづくりを意識することが大切です。サイト訪問者が順を追ううちに、自身の将来のイメージと重なるよう記事を配置していきます。
採用コンテンツへ求職者を誘導していくには、SNSやウェブ広告など多彩なメディアを駆使したアプローチを実施しましょう。このときに、自社の採用ターゲットにマッチした手法を選択することが大切です。
人材採用におけるコンテンツマーケティングの事例4つ
人材採用において、成功しているコンテンツマーケティングの参考事例を4つ紹介します。
・エン・ジャパン株式会社/キャリアハック(CARRER HACK)
「WEB・IT業界で働く人々の人生を少し豊かにするメディア」というコンセプトの下、WEB・IT業界で働く人たちのインタビューやライフスタイルの紹介などを掲載。また、海外の事例・最先端技術など業界のトレンドや、社長が自ら語る自社事業の未来など、興味深くも夢のあるコンテンツで充実を図っています。
WEB・IT業界で働くことについて、具体的なイメージを持つとともに、「働いてみたい」という意欲を刺激するサイト構成です。
・ナイル株式会社/ナイルのかだん
ナイル株式会社では、デジタルマーケティングやスマートフォンメディアなどの事業を行っています。サイト表題に“「生のナイル」を発信する”とある通り、社員のインタビューや、現場の声など、日常的な社内の様子を伝えているのが特徴です。求職者が就職への不安を払しょくできるように、社内部を詳しく知ることができます。
「ナイルの組織」「働くヒト」「制度とイベント」「ナイルな日常」などカテゴリ別の見やすい構成で、会社訪問をしている気分になれそうです。
・株式会社リクルートホールディングス/就職ジャーナル
もともとは、紙媒体の月刊就職情報誌がオンライン化されたサイトです。就活や研修といった身近な疑問解決の記事から、「働くとは」「社会人とは」といった深く考えさせられるコラム的な記事までを網羅しています。
企業家や芸能人へのインタビューもあれば、社内で総合職として働く女性社員の日常など、多彩な生き方を見ることが可能です。いずれも読みごたえのある内容で、自分のキャリアを描いていくうえでの参考となるでしょう。内定者、先輩社員に実情を聞く調査系の記事も人気です。
・株式会社メルカリ/メルカン
フリマアプリでおなじみの株式会社メルカリが運営しています。特筆すべきは、ほぼリアルタイムで社内の様子が分かるほどの更新頻度の高さです。会社内部の様子が毎日伝えられています。急成長を遂げた勢いのある企業ですが、働く人の価値観や仕事への姿勢が生で伝わり採用への効果とともに、社内コミュニケーションの一端も担っているようです。
社内の人事制度や取り組みも公開、発信しており、オープンな社風が良く分かります。
採用におけるコンテンツマーケティング施策強化のために
会社の魅力を可能な限りアピールするには、自社の強みの洗い出しやターゲット人材の明確化など、基本的な作業が必要です。そのうえで、「どのようなコンテンツであれば、それらを反映し自社の人材ターゲットに対して強く訴えかけられるのか」、考えていきます。 業界別のお役立ち情報、
ただ、自社内だけで行うと、近視眼的発想となりがちです。第三者的な客観性を高め、人材採用に向けた効果的なコンテンツ作りを検討していきましょう。
コンテンツ制作お役立ち資料
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各種フレームワーク集などをご用意しました。
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