コロナ禍により社会の在り方が変化し、企業や事業主も大きな影響を受けています。士業に関しても例外ではありません。「従来のような顧客獲得方法ではなかなかうまくいかない」という場合も多いでしょう。しかし、「どのようなサイトであれば、効果が期待できるのかわからない」といった声も聞かれます。そこで、今回は士業の新規顧客開拓につながる、サイト構築に必要な知識を解説していきます。
この記事の目次
コロナ禍で士業の働き方も変化
2021年1月に帝国データバンクが公表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020 年 12 月)」よると、コロナウイルスによって業績へのマイナス影響がある企業は2020年12月時点で79.9%(前月比+0.1ポイント)でした。前月と同様、約8割という高い水準で推移していることから、その厳しい状況がうかがわれます。
一方、人材求人の様子を見ると、士業についてはあまり影響を受けていないとも感じられ、「不況に強い業種」という一面が見えてきます。しかし、士業の取引先の多くは一般企業です。取引先が厳しい現状にある中、士業の業務がいつまでも順調というわけにはいきません。
士業の業務へのニーズは、どのような社会情勢にあってもなくなることはありません。しかし、コロナにより対面での相談を控える動きや、不特定多数を対象とするセミナー開催が難しい状態では、新規顧客を獲得する機会が失われているといえるでしょう。特に、個人で事務所を開設している小規模な士業の場合、顧客が減少する一方では事業の存続が危ぶまれます。
士業は、もともと個人情報や重要データをたくさん扱うデリケートな職種です。対面での仕事が慣例となっている業界において、オンライン化は他の分野と比較しても遅れていたといえるでしょう。
しかし、コロナ禍に伴い、士業の業界でも変化が起こり始めています。
例えば、オンラインによる顧客対応やデータセキュリティの強化など、業務へのICT活用が士業の分野でも加速。同様に、広告や紹介、イベントによる集客に頼っていた新規顧客開拓についても、サイトを使ったコンテンツマーケティングへとシフトする動きが見えています。
士業のサイトを拡充する方法とは?
必要性は感じていても、士業の営業手法をオンライン化するためには、どのようなサイトを構築・拡充していけば良いのか悩む人もいるのではないでしょうか。自社サイトへの潜在的な顧客候補の流入を促し、実際の相談へとつなげていくためには、まずSEOについて知る必要があります。
SEOとは、「Search Engine Optimization」、日本語では検索エンジン最適化と呼ばれるものです。Googleに代表される検索エンジンは、インターネット上の膨大なサイトの中から、検索キーワードに合わせ、最もユーザーが求めていると考えられるサイトを検索画面に順位表示します。
検索エンジンは、クローラーと呼ばれるプログラムによる情報の収集と分析による評価で成立します。SEOは、この検索エンジンの評価基準に合わせて、サイトの精度を高めることで、検索上位に表示させることを目指します。
SEO効果を上げる要素は、キーワードやサイト構成といった技術的な項目もありますが、中でも重要なのは記事コンテンツの質と量を高めること。検索エンジンは、中味の薄いサイトを評価しません。たとえページ数が多かったとしても、文字数が少ないページばかりのサイトや、意味のない言葉の羅列が多いサイトでは、検索エンジンの対象から除外されます。
ユーザーが求めているキーワードが十分に盛り込まれ、有益な情報を提供しているサイトであれば、それだけ上位表示の可能性が向上するのです。
では、士業のコンテンツマーケティングで成功するにはどうすればよいでしょうか。
士業の仕事の多くは、法律に関わる問題や、各種の手続きに関する疑問、専門家に相談したいような悩みを持っている人に対して、それらを解決に導けるような適切な情報を提供することです。
しかし、難解な用語が並び、一般の人が読んでも理解が難しい記事では、共感を得ることは難しいでしょう。サイトを閲覧した人が疑問についての回答を見いだし、なおかつサイト運営者に対して、より個人的な相談をしたい気持ちを喚起していくことが大切です。
そうしたコンテンツで満たされたサイトであれば、士業の顧客開拓に寄与してくれるでしょう。
士業でウェブサイト構築・コンテンツマーケティングでリード獲得に成功している事例
リード獲得に成功している事例をいくつかご紹介しましょう。
・QUEST法律事務所/クエストリーガルラボ
社会のルールとなる法律について、トラブル回避のための知識を可能な限り分かりやすく解説することを目的としたサイトです。「不倫・男女関係」「労働問題」「交通事故」「刑事事件」など、各カテゴリ別に数多くのシチュエーションごとの解説が提供されており、身近な悩みを解決するヒントがもらえます。
解決実績で、実際に取り扱ったケースを紹介しているのが特徴です。ユーザーが自身の相談を検討する材料にできるため、顧客化へとつながります。
・船橋つかだ行政書士事務所/公正証書をはじめて作成する
「公正証書」という分野にスポットを当て、「公正証書の基礎知識」「必要となる状況や効力」「作成にあたりしておくべきこと」などが網羅されています。項目に特化し、そのものズバリをサイト名とすることで、検索上位表示が実現しました。詳細情報を提供することで無料相談という段階を経ずに、顧客化できる可能性を高めています。
・升メディア/廣升健生税理士事務所
「人工知能時代のサバイバル仕事術」「ニューノーマル時代の事務所作り」など、時代にマッチした記事をシリーズで掲載。また、動画による税理士試験受講生向けゼミを配信しています。税理士本人の個性を強く打ち出すことで、知識の提供をしながらファン創出や顧客化の流入を狙います。
・ビズ部/株式会社アカウンタックス
起業家・経営者向けに特化して情報を発信しています。節税や黒字化に向けた運営手法、税務調査対応、資金調達、資金繰りなど、会計事務所らしく経営者なら誰もが知りたい情報が満載。国が打ち出す施策に合わせて常にタイムリーな解説を提供し、信頼性を高めてリピーター獲得に努めています。
・LEGALL MALL/ベリーベスト法律事務所
「使える!役立つ!」をコンセプトにした法律情報サイトです。一般的な項目以外に、「B型肝炎」「企業法務」などの情報も掲載。情報量の豊富さに加え、SNSでの発信によりFacebookでは1,900人を超えるフォロワー数を誇り、サイトとの相乗効果を上げています。
ビジネスに不可欠な法律の知識もまんべんなく網羅しており、特に悩み事がない人でも訪れれば、さまざまな知識が得られるサイトです。まさに、ユーザーに対して、有益で質の良い情報を提供し続けているサイトといえるでしょう。
あなたの会社のアピールできるポイントは?
士業は、各分野により、提供できるサービスにほとんど違いがないといえるでしょう。しかし、自社の持つ強みや会社としてのオリジナルの魅力をコンテンツの力で波及させることができれば、まだ見ぬお客さんとのコミュニケーションを作りあげることができます。「価値のある役立つサイトにできるか」は、自社に対する新たな発見と情報提供への工夫です。
「何をコンテンツにすれば良いのか」など、コンテンツ作りに対するお悩みもあるでしょう。そうした際には、第三者の客観的な視点を加えることが有効です。
自社の魅力を改めて探してみましょう。
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