コンテンツマーケティングとは?基本から実践まで手法を解説します

最新の集客手法として、注目を集めているコンテンツマーケティングですが、これまでのマーケティングに比べ、自社で運用するためには、様々なノウハウや知識が必要なことから、開始に二の足を踏んでいる中小企業担当者の方も多いかもしれません。
さらにオウンドメディアは、一度立ち上げれば終わりではありません。継続的にコンテンツを発信し続ける必要があるため、戦略的に進めることが必要です。
今回の記事では、コンテンツマーケティングの基本から実践まで、具体的手法やメリットと共に、自社運営において効果を出すための方法を解説します。

この記事の目次

コンテンツマーケティングとは何か

まず、コンテンツマーケティングの『コンテンツ』が示すものは、テキスト、動画、イラスト、音声などによって制作された、ユーザーにとって価値のある、良質な情報であることをご理解ください。
潜在的な顧客、見込み顧客は、検索エンジンなどを通し、自分が求める情報を見つけ、サイトを訪問してくれます。能動的にサイトを訪れ、コンテンツを通して購買意欲を高めてもらうことで、購入や利用のコンバージョンとファンとしての定着を目指します。
ここで注意したいのは、従来の広告のように、企業が伝えたい情報だけを一方的に流しても、コンテンツの価値は高まらないという点です。運営方針や戦略を立てるにあたり、下記の3つのポイントは、常に意識する必要があります。
【コンテンツマーケティングにおける3つのポイント】
・ユーザーにとって価値のあるコンテンツをつくる
・見込み顧客の購買意欲を育てる
・購入者をファンとして定着させる
そもそもコンテンツマーケティングとは、単なるツールを示す言葉ではありません。ユーザーが商品やサービスに対して興味を持ち、購入に至るまでの間、段階を踏みながら構築するための概念です。
簡易的ではありますが、段階の例を挙げておきます。
1.見込み客をサイトへ流入(集客)
2.リードを獲得(メルマガ登録、アンケート記入等により見込み客の情報を集めます)
3.リードを育成(コンテンツやSNSを通し、見込み客との結びつきを強めます。少しずつ購買意欲を高める段階です)
4.購買
5.ファン化、リピーター
各段階により、必要なコンテンツや行うべき施策は異なるものです。現在、どの段階に位置しているのかを見極めた上で、適切なコンテンツを配布するようにしましょう。

コンテンツマーケティングのメリット

多種多様な企業がオウンドメディアを運用し、コンテンツマーケティングに参入する理由は、他のメディアにはないメリットが多数あるためです。コンテンツマーケティング参入のメリットを解説します。

1.導入ハードルの低さ

コンテンツマーケティングの一番のメリットは、手軽に始められる点です。オウンドメディアを始めるにあたり、ブログで記事を配信するならば、パソコン、インターネット環境、ライティング担当者の3つの条件が揃っていれば可能です。人的コストのみの初期費用で始められることは、特に中小企業にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
さらに自社の顧客や見込み客が知りたがっている情報などを元に、テキストコンテンツを制作することから始めると聞けば、導入ハードルはかなり低く感じるはずです。コンテンツには映像や動画、音声なども含まれますが、もちろんテキストだけでも問題ありません。
ただし、成果を出すためには相当の努力とリサーチも必要です。戦略的なコンテンツを制作するためには、ペルソナ設定や適切なキーワード選定も求められます。良質なコンテンツは、長期的なアクセスを稼ぎ、コンバージョンにも役立ってくれるものの、最初から素晴らしいコンテンツが作れるとは限りません。
だからこそ潜在顧客のニーズを理解した上で、コンテンツを制作し、無料のアクセス解析ツールなどを活用しながら、分析を進める必要があります。実際のユーザーの反応を確認しながら、コンテンツの内容やキーワード選定の精度を高めることで、目的を達成しやすくなるでしょう。

2.資産としての蓄積

企業や商品、サービスをPRするための方法として、従来であれば、テレビやラジオ、新聞、雑誌などのマスメディアに広告を打つことが一般的でした。しかし、近年では、移住地や趣味嗜好を絞った上で活用できるSNS広告やWeb広告も使用されています。ターゲット層を絞ることで、広告としての価値は高まります。
ただ、マス広告、Web広告共に、露出を続けたければ、広告費を支払い続ける必要がある点は、大いなるデメリットでしょう。また、広告から流入したユーザーが、必ずしも自社の商品やサービスに興味・関心があるといえない点も問題です。
一方、コンテンツマーケティングにおいて、一度制作したコンテンツは、公開し続ける限り半永久的にユーザーの流入が可能です。SNS配信記事のように、最新の投稿だけが閲覧されることはありません。コンテンツそのものが、ユーザーにとって利益をもたらすものであるとの条件付きではありますが、資産として積み重ねることができる点は大きなメリットといえます。
さらに良質なコンテンツを長期間、複数公開し続けることで、サイト自体の評価も高くなり、さらに読者が流入します。1記事1記事を積み重ねることで、資産となる点は、広告費のコスト削減以上のメリットです。

3.顧客ロイヤリティ

コンテンツマーケティングの目的は、商品の販売だけではありません。オリジナルコンテンツを発信することは、自社のファンを増やすことにもつながります。
不特定多数ではなく、製品やサービスに対して興味を持つユーザーに対し、コンテンツを届けるため、必然的に見込み客を引き付けることができます。売上を高めるだけでなく、自社に対して顧客が抱く忠誠心(=顧客ロイヤリティ)を向上させます。
サイト訪問時に有益な情報を与えることができれば、訪問者はサイトそのものや運営企業に対し好感を抱くようになります。求めている情報が手に入る経験を繰り返させることで、「このサイトを訪問すれば、自分の求めている情報がある。自分にとってメリットのあるサイトだ」と思わせることができれば、成功です。
企業やサービス、製品に対する好感度が上がり、他の商品やサービスの購入・利用を検討する際にも、他社ではなく自社を選んでくれるようになるでしょう。

4.ソーシャルメディアとの相性の良さ

コンテンツマーケティングは、ソーシャルメディア(Facebook、Twitter、InstagramなどのSNS)との相性の良さにも注目です。
記事、音声、動画といったコンテンツの内容を問わず、人は「面白い」「役に立つ」と感じた情報は、誰かに伝えたいとの思いを持つものです。インターネットが普及する前までは、口コミとして拡散されていた内容も、現代ではSNSを通じ、瞬時に拡散されるようになりました。
“バズる”状態を作り出すことができれば、さらに情報は拡散されます。これまでサイトやコンテンツ、サービス、製品の存在を知らなかった潜在顧客もが流入する可能性もあります。一度拡散したコンテンツは、時間が経過した後も、アクセスに貢献してくれるでしょう。
また、広告として流れてきた内容に対しては、興味を示さない、嫌悪感を感じるといった消費者も少なくありません。しかし、SNS上でのシェアに対しては第三者からの情報提供ということもあり、興味を示す可能性も高まります。

5.専門分野のオピニオンリーダーになれる

マーケティング用語のオピニオンリーダーとは、周囲への影響力の強い人やサービスを意味する言葉です。専門分野に関するオリジナルのコンテンツを配信し、継続することができれば、ユーザーに対し「○○のことなら、このサイトを見ればいい」との印象を意識づけることが可能となります。
業界のオピニオンリーダーとしての位置付けとなるオウンドメディアを制作することができれば、自社のブランディングにも効果的です。

コンテンツマーケティングは戦略的に取り組もう

コンテンツマーケティングは、即結果が出るタイプのマーケティング手法ではありません。1〜2年単位での時間が必要となるものの、ユーザーとの接点を確実に作り上げることに成功すれば、理想的な顧客との関係が作れる点は大きなメリットです。
コンテンツマーケティングを行うにあたり、陥りやすいのは、明確なゴール設定ができていないケースです。ターゲットが求めるニーズを満たすコンテンツ制作は必要ですが、コンテンツマーケティング全体としてのゴール(企業としての目標)を目指さなければなりません。
コンテンツの力を最大限に活かすためには、既存のマーケティング活動を整理した上で「誰に」「何を」「どのように」伝えるかを定義する必要があります。
オウンドメディアを運営し、コンテンツによる情報発信を続けるだけでは「見込み客の集客、ファンの育成」「顧客との密なコミュニケーション」ができているとは言えません。
コンテンツは、企業の理念や扱っている商品の紹介を兼ねることもありますが、一方的に伝えたい情報だけを伝えるのであれば、カタログサイトと同じことです。
コンテンツ制作に入る前段階に、戦略を立てることは、コンテンツの基幹づくりにもつながります。具体的手順について、見ていきましょう。

伝えたい相手は?=ターゲット設定

自社コンテンツを通じて、情報を届けたい相手は、一体誰でしょうか?コンテンツマーケティングをより効果的に行うためには、ペルソナ設定やターゲット設定が重要です。例えば、これまでの人的リソースでは情報を届けられなかった層へのアプローチと、すでにある程度の関係性を築いている優良顧客に対し、別カテゴリの商品に対するアプローチを行う場合、効果的なコンテンツは大きく違います。
また、コンテンツによる情報発信と、人的リソースによる営業活動やメディアによる広告宣伝は、あくまで共通のゴールに向かわなければなりません。共通の認識を持った上で、連携と住み分けを行う必要があります。

伝えたい内容は?=コンテンツ設計

消費者の意識は「認知→興味・関心→理解→検討・比較→購入→満足→他者への推薦」のように、段階を踏んで進んでいきます。設計では、各段階に合わせたコンテンツの企画が必要です。
例えば「認知」段階の人物に対し、商品の詳細な説明や購入後の感想といったコンテンツを伝えたとしても、全く心に響くことはないでしょう。あくまで広く浅く、トレンド感を意識しつつ、業界としては多少関連があるといった程度の話題が好まれます。基礎知識、ニュースといったカテゴリが適切です。
一方、「満足→他者への推薦」の段階であれば、すでに商品やサービスに対する満足度は高い状況です。ここからは、さらに商品、企業への信頼やブランド力を高めるための企画が求められます。例えば、愛用している著名人のインタビュー記事なども効果的でしょう。

伝え方は?=媒体の選択

伝えたい相手(ターゲット)のペルソナを設定することで、情報接点が見えてくるはずです。メディア行動やトレンドなどを分析し、自社コンテンツとの相性を確認した上で、最も効果的な媒体を選びましょう。

コンテンツマーケティングの強み・弱み

コンテンツマーケティングを始めるにあたり、強みと弱みを比較しました。
強み
・潜在顧客との接点を生み出す
・顧客ロイヤリティを育てる
・双方向のコミュニケーションにより顧客インサイトを得る
・専門企業としてのブランディングに活用可能
・長期的視点で考えた場合、費用対効果が高い
弱み
・運営ノウハウ、時間、手間が必要
・長期間にわたり取り組む必要がある
・即効性が低い
あらかじめ弱みを理解しておくことで、中長期的視野を持ち、コンテンツマーケティングを進めることが可能となります。大切なことは、目標(KGI:Key Goal Indicator、重要目標達成指標)をしっかりと定義し、そこにたどり着くための段階的な指標(KPI:Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を設定することだと理解しておきましょう。

顧客ニーズ

コンテンツを考えるにあたり、まず顧客のニーズを「潜在」「顕在」の2種類に分けます。

潜在ニーズ顕在ニーズ
・自分の課題に対し、気づいていない
・課題には気づいているが、問題視していない
・問題を認識しており、解決したい
・解決に向けた行動を起こしたい

潜在ニーズを抱えている顧客に対しては、いくら解決策を促しても、すぐに行動に移すことはありません。すでに設定したペルソナを元に「一般的なユーザーが考える質問に答える」「トレンドに関する内容を紹介する」などのコンテンツが必要です。
「潜在ニーズ=知りたい」「顕在ニーズ=行動したい」の理解を理解した上で、各ニーズの段階によって感じ方が異なること、さらに潜在ニーズを顕在ニーズに高めることを意識しましょう。

ブログでコンテンツマーケティングを始めるには

コンテンツマーケティングを始めるにあたり、初期投資が少なく、テキスト主体で開始できるブログは、重要な役割を果たしてくれます。オウンドメディアを育てるにあたっても、情報のハブとしての役目を担ってくれます。
ただし、コンテンツマーケティングにおいて使用するブログは、ビジネスブログとしての立ち位置です。単なる趣味やプライベートのブログとは異なるため、注意すべきポイントを3つ紹介します。
・回遊性
・SNS対応
・行動喚起(CTA/コール・トゥ・アクション)
まず、回遊性です。自社サイトとブログは、容易に行き来できる構成を心がける必要があります。また、人気記事ランキング、関連記事、前編・後編、おすすめ記事のレコメンドリンクなどを活用し、訪問者に対し、次の記事を読むように促す方法が望ましいでしょう。
同時に、ユーザーが良質な情報だと感じた際に、すぐにSNSでのシェアができるよう、わかりやすい場所にシェアボタンを設置するSNS対応を行います。
最後は、ユーザーへの行動喚起(CTA)です。記事を読み終えた後にしてほしい行動経路(商品やサービス紹介ページへの誘導バナーやメルマガ申し込み、資料のダウンロードページなど)を、記事の最後など適切な場所に配置します。

基本情報のコンテンツ化を目指す

コンテンツマーケティングの担当者からは「うちの会社には、コンテンツ化できるような情報がない」といった声を聞くことが多いです。しかし、どのような会社においても必ず使えるコンテンツ、かつ自社の公式ウェブサイトに掲載しておくべき情報があります。具体例を次に挙げます。
1.会社の歴史、沿革
創業の理由、創業者について、ビジョン、ミッション、バリュー、経営に対する思い、会社の転機となった出来事など
2.商品・サービス
開発経緯、商品・サービスに込めた思い、特徴、強みなど
3.社員、従業員、スタッフなど働く人たち
どのような人が働いているのか、働く姿勢、社内の雰囲気、商品・サービスに関わる中で生まれた思いなど
4.顧客の声
商品・サービスをすでに購入、利用した人の意見、感想、リピーターとなった理由
上記に挙げた内容は、全く特別なものではありません。しかし、各企業しか持ち合わせていない、完全なるオリジナルの情報です。だからこそコンテンツとしての価値があります。
もし自社の公式サイトに上記のような情報が掲載されていないのであれば、コンテンツ制作を進めると共に、自社サイトにもすぐに掲載すべきです。
なぜなら、検索サイトから流入したユーザーが、初めて自社のノウハウ記事を読んだとしましょう。良質な記事であれば、発信している企業に対しても、すぐに興味を持つでしょう。次にユーザーが行うことは、社名での検索です。しかし、訪れた先の公式サイトは、オウンドメディアとは全く別物であり、具体的な情報が書かれていなければどうでしょうか?せっかくの期待も失望に変わり、本来ならば獲得できたはずのファンを逃してしまう事態が起きています。
自社ホームページに掲載した情報は、さらに工夫し、ペルソナに合わせた情報に変換することで、有益なコンテンツとして生まれ変わる可能性も高いです。

最低限これだけはやっておきたいSEO対策

コンテンツマーケティングとは、良質なコンテンツを作成し、見込み客や顧客を商品の購入やサービスの利用につなげる手法です。一方、コンテンツSEOとは、コンテンツ作成時の検索エンジン対策(Search Engine Optimization)であり、上位表示させ、流入数を増やすことをいいます。
ここで注意したいのは、コンテンツマーケティングの目的は、集客だけではない点です。クロージングや顧客との良好な関係構築なども含みます。つまり、コンテンツSEOだけに目を向けてしまうと、集客には成功したものの、一向にコンバージョン率が上がらないといった状況にも陥りかねません。
しかし、だからといってSEO対策は無意味だと考えるのは問題です。適切なコンテンツ対策は、見込み客の集客にもつながるためです。ここでは、最低限取り組むべき内容について解説します。

検索エンジン対策の基本

2022年最新のGoogleの検索アルゴリズムが求めているのは「良質な情報と高い信頼性」です。ユーザーの検索には、何らかの意図があり、目的を持って行われているものです。だからこそ検索エンジンは「検索ニーズを満たす回答ができているコンテンツ=良質なコンテンツ」と判断し、上位表示を行います。
一見難しいことのようにも見えますが、まずやるべきことは、ターゲット層(ペルソナ)が知りたいと思っていること、検索の際に使うキーワードを知ることです。
Googleの検索窓にキーワードを入力した際、関連するキーワードが表示された経験はありませんか?別名「オートコンプリート機能」ともいいます。この内容は、Googleで行われた実際の検索を元に表示されているため、コンテンツ作成にも役に立ちます。
【オートコンプリート機能に使用されている情報】
・検索ボリューム
・検索の言語
・検索された場所
・注目されているワード
・検索履歴
一般的な検索ボリュームだけではなく、ユーザーの検索回数や現在地、トレンド、過去の検索履歴といったパーソナルな情報までを含み総合的に判断されているキーワードです。だからこそ、信頼性が高いといえます。

Googleキーワードプランナーを活用しよう

Googleキーワードプランナーは、キーワードの検索回数を調べることができるGoogleの公式ツールです。アカウント作成は無料ですが、利用できる機能は有料ユーザー(広告出稿)と無料ユーザーにより違いがあります。
ただし、下記のような内容であれば、無料で使用が可能です。
・キーワードの検索回数を確認
・競合が少ないキーワードを調べる
・広告を出稿する際の予算をチェックする
・自社サイトや製品に関するキーワードを調べる
検索回数の多いキーワード=人気キーワードのため、コンテンツとしての評価が高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、競合相手が多い場合、検索上位に表示する難易度も高まります。大手企業が多額の予算や大勢の人員を割いてSEO対策を行なっていることが多く、これからコンテンツマーケティングに参入する企業が始めるには、現実的ではありません。
一方、検索ボリュームがあまりに少なすぎるキーワードも、知りたいと思う人が少なく、情報としての価値が低い可能性もあります。競合性が低く、自社商品やサービスとの親和性が高いキーワードを選ぶと効率的です。

ロングテールキーワードを意識

キーワード選定の際には「ロングテールキーワード」の考え方に注目します。ロングテールキーワードとは、3語以上を組み合わせた検索キーワードです。1語だけで検索するキーワード、いわゆる「ビッグワード」「ヘッドワード」は、検索ボリュームが多い反面、上位表示を狙う業者も多いです。
また、検索するユーザーの幅も広いため、特定層にのみむけてアプローチすることも難しいです。
ここで、ビッグワード「SEO」を例に挙げてみましょう。「SEO」を検索する人は、SEOの意味を知りたい人、SEO対策の方法を探している人、SEO対策に使えるツールを探している人などさまざまなケースが考えられます。さまざまなニーズに対し、全ての回答を網羅するコンテンツを提示することは、かなり難しいと感じたはずです。
次に、ロングテールキーワードの場合です。「SEO 対策 事例」「SEO とは わかりやすく」「SEO対策 オススメ 本」であれば、どうでしょうか?ビッグワードに比べ、検索する人のイメージが容易に浮かぶはずです。
もちろんビッグワード「SEO」に比べると、検索ボリュームは小さくなります。しかし、検索ユーザーのニーズがわかりやすく、またコンテンツの中で適切な答えを提供することで、コンバージョン率が高くなるといったメリットもあります。

コンテンツ制作における基本のSEO

適切なキーワードを選択し、コンテンツ作成において、ユーザーが求めている情報と回答を提供することで、上位表示される可能性は大きく高まります。正この場合、コンテンツに力を入れると同時に、検索エンジンに評価されるための対策を行う必要があります。
例えば、タグの見直しもやるべき対策のひとつです。

タグポイント
Title(タイトル)・主要キーワードを前方に
・ページの内容と合っている
見出し・主要キーワードを入れる
・文章構成に合わせて数字を順番に入れる

meta description

・ページ概要をわかりやすく記入
・検索エンジンに表示されるため、ユーザーのサイト訪問の判断材料になる
画像情報・画像説明にキーワードを入れる

さらに内部構造の整理・見直しも重要です。サイトの構造は、トップページからジャンル、テーマ、詳細記事のように、ピラミッド型の構造になっていることが好ましいとされています。
ただし、階層は最大でも5階層程度にとどめておきましょう。構造が複雑になりすぎてしまうと、ユーザー同様、検索エンジンも巡回が難しくなり、評価が下がってしまいます。

ネイティブ広告とは

マーケティング業界で耳にする機会が増えてきたワードのひとつが「ネイティブ広告」です。ネイティブ広告とはメディアの記事、コンテンツの中に表示される広告を意味する言葉です。従来のバナー広告のように、一目見ただけで明らかに広告と認識できるような広告ではなく、通常コンテンツと同じ形式で表示されることや、コンテンツと関連のある広告が表示されるなどの特徴があります。
ネイティブ広告には特別な定義はないものの、ユーザーの関心・興味のある分野の広告を掲載し、コンテンツと同様にクリックしてもらう狙いがあります。また、「広告」「Sponsored by」「PR」などの、適切な表記を入れることで、不正広告とは見なされません。
ネイティブ広告が生まれた背景には、従来型の広告を消費者が敬遠する傾向が強まってきたことが挙げられます。またSNSやキュレーションメディアの市場が活性化するにつれ、ユーザーが興味のある内容と関連する広告に反応しやすくなっていることからも、広告価値が高まっています。
ただし、ネイティブ広告を活用するには、あらかじめルールを知っておく必要があります。利用を検討中の方は、2016年11月に一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が公開した「ネイティブ広告ハンドブック 2017」がおすすめです。

コンテンツマーケティングの効果測定 KPIとKGI

コンテンツマーケティングでは、試行錯誤を繰り返し、より良いコンテンツをつくり、投資に合う見返りを得ることが求められます。その経緯で何より重要なのが、効果測定です。KGI(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)、KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)単語の意味、設定方法、実際の効果測定方法についてご説明します。

KGI=コンテンツマーケティングのゴール

コンテンツマーケティングを行う上での目指すゴールです。オウンドメディア運営における会社として求めている内容ともいえます。ここでの注意点は「集客」「製品のPR」といった曖昧なものではなく、具体的な内容を設定します。
(例)
・メディアからの問い合わせ件数を前年比30%増にする
・公式SNSのフォロワー数1万人達成
・求人応募者数20%増など

KPI=ゴールへの通過点・前段階

次に、最終ゴールを達成する前段階として、途中経過でのゴールを設定します。例えば問い合わせ件数を増やすのであれば、現状の資料請求の数とサイトのPV数、問い合わせの数を把握し、コンバージョン率を計算します。PV数とコンバージョン率を一定と考えると、PV数を何倍にすれば良いか、目標が見えてくるでしょう。
ただし、上記はあくまで一例です。ゴールは同じでも、現在の自社にとって、どの改善が最も取り組みやすいのか、下記の3種類から考え、選択する必要があります。
・PV数だけを改善する
・コンバージョン率を改善する
・PV、コンバージョン率の両方を改善する
KPIを正しく設定することは、ゴールへの道筋にもつながります。判断に迷ったときや、施策の進め方に困った際の判断材料としても役立ってくれます。
さらに細かくKPIを設定する際に「認知」「理解」「比較」の例を挙げておきます。
認知
コンテンツを見てもらえたかどうかに特化した測定です。キーワードの検索順位、滞在時間、検索エンジンによる流入数、新規訪問率などを表します。
理解
ニーズの取り込みに関する測定です。コンテンツのページ滞在時間、離脱率などを表します。
比較
複数の選択肢の中から、いかに自社を選んでもらうかといった観点からの測定です。お問い合わせ、資料請求、商談の申し込みの数などを表します。

コンテンツマーケティングの効果測定と改善

コンテンツマーケティングの効果測定とは、商品の購入、サービスの利用、会員登録、資料請求、お問い合わせ、予約などのコンバージョンを意味します。
BtoBの商材とBtoCの商材の大きな違いとして、購入サイクルが挙げられます。最初の接触から購入に至るまでの期間が長いBtoBでは、「顧客との接点を作り出しているか」「顧客のニーズに合った提案ができているか」「段階を踏み、次のフェーズに進む流れができているか」といった点を測定する必要があります。
一方、BtoCの商品やサービスの場合、認知から購入までの期間は、BtoBに比べると短いケースが多いです。(車、住宅など高額な商品・サービスの利用の場合は、BtoBのように長期的な戦略が必要なケースがあることに注意します。)
BtoCの場合は、検索エンジンの表示順位やコンテンツからECサイトへの流入率など、測定する指標がかなり多くなります。

改善のポイント

コンテンツマーケティングにおいてPDCAサイクルを活用することで、改善しやすくなります。Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返す手法ですが、コンテンツマーケティングの成果を上げるためにも活用できます。
そもそもコンテンツマーケティングは、検索エンジンや実際のユーザーを相手に取り組んでいるものです。だからこそ、予測を立てたとしても、その通りに実現できるとは限りません。そのため、成果につながる改善が必要なのです。
改善点を考えるにあたっては、ユーザー視点を重視します。訪問者にとって価値のある情報が提供できているか、タイトルとコンテンツの内容は一致しているか、サイト内の回遊はスムーズにできるか、ペルソナに適したトンマナで記事は作成されているかなど、ユーザーとして客観的に眺めることで、気づく点はたくさんあるはずです。

コンテンツマーケティングの失敗事例

企業にとって、オウンドメディアの運用は当たり前のものとなりました。コンテンツマーケティングに関しても、多くの企業担当者がスタートしています。
しかし、残念ながら全ての企業が成功しているとは言えません。特に多い例として「アクセス数は増えたが、コンバージョンにはつながっていない」「コンテンツの量は増えたが、反響が伴わない」「検索エンジンで上位表示されない」と行った悩みです。
最後に、具体的な失敗事例を紹介します。コンテンツを成功に導くため、参考にしてください。

短期間で結果を出すことを求めた

そもそもコンテンツマーケティングは、長期的に取り組むべき施策です。制作したコンテンツがユーザーに認知されるまでには時間がかかるものです。さらに検索エンジンの評価を得て信頼を獲得するには、最低でも1年以上の時間がかかると考えておきましょう。
オウンドメディアを立ち上げ、コンテンツマーケティングについて学んだ知識を元に発信を続けたからといって、すぐに結果が出るとは考えないことです。

アイデア先行でスタートし、計画性が不足

「コンテンツマーケティングというものが流行っているらしい。とりあえず、ウチも始めてみよう」と見切り発車でスタートしたケースです。
前述しましたように、コンテンツマーケティングは、ユーザの動きや検索エンジンの表示順位などもあり、完全に計画通り進むものではありません。しかし、だからといって最初から無計画で進めていいものではないのです。
コンテンツ設計にだけ力を入れたものの、ゴール設定やゴール計測の仕組みを整えていないケースも同様です。
ゴール(コンバージョン)は、企業ごとに異なるものですが、一般的には次のようなケースが多いです。曖昧な内容ではなく、データや数値で明確に判断できる内容が好ましいでしょう。
・商品の購入やサービスの利用
・来店予約
・PV、フォロー数
ビジネスにおいては、使える予算が決まっており、その中でいかに結果を出すかが求められます。予算を確認すると共に、達成するべき時期を決めておきます。
その上で、最後にゴール計測の仕組みを整えます。ゴール設定はしたものの、計測方法を決めていなかったために、成功・失敗が曖昧になるケースは少なくありません。

読者にとって有益なコンテンツが作れなかった

コンテンツマーケティングにおいては、サイトを訪問したユーザーに対し、メリットや有益な情報を与えることが大前提です。ペルソナ設定やニーズの掘り起こしなどを丁寧に行ったにも関わらず、各部署や上層部との連携をとっている間に、コンテンツの内容がブレてしまい、いつしか自分たちのPRしたい内容だけを掲載していたといったケースもあります。
また、読者目線に立っていた“つもり”は、さらに危険です。キーワードやペルソナ設定が正しいばかりに、なぜ離脱率が高いのか、コンバージョンにつながらないのかといった悩みが増えてしまうケースが多くなります。
そもそも、一般的には、読者は専門知識を持たない人々です。専門用語を多用したり、わかりにくい表現ばかりを使ったりしていては、ページからの離脱率は高まる一方です。
コンテンツマーケティングは、読者と企業の信頼構築を目指すための手法です。自分のことばかり一方的に話してくる人に対して、好意を抱くことが難しいように、企業としてのPRだけを押し付けてくるコンテンツに対し、魅力を感じてくれる消費者はいません。
その上で、もう一度消費者目線、読者目線に立ち返る必要があります。
コンテンツを考えるためのヒントをいくつか挙げておきましょう。
・ユーザーが困っていることは?
・お問い合わせの多い内容は?
・ユーザーが喜ぶコンテンツの内容は?
・自社のファンが喜ぶ内容は?
上記内容をもとに、もう一度ユーザー目線のコンテンツ制作に立ち返ってみてください。

運用体制が整っていなかった

コンテンツマーケティングは、気軽に始められる一方で、継続する難しさがあります。一度でもコンテンツマーケティングに携わった人であれば、この難しさを実感しているのではないでしょうか。
最初は順調に運用が進んでいたにも関わらず、途中でストップしてしまうオウンドメディアの多くは、運用体制が整っていないケースが多いです。役割分担を定め、複数名で運用できる体制がなければ、部署の異動や退職等、人的ソースが割けなくなった際に、運用の継続が難しくなってしまいます。
運用体制を整えるためには、大きく「コンテンツそのものを制作する人(ライティング担当)」「SEO対策の知識・技術を有する人」の2種類が必要です。もし、社内メンバーだけでライティング部門を補うことが困難な場合、ライティングを外注するというのもひとつの方法です。
外部ライターを外注するにあたっては、クラウドソーシングサイトなどを活用する方法もありますが、ただコンテンツ作成の代行を依頼しても成果を上げることは困難です。
コンテンツマーケティングの記事を外注する場合のポイントにつきましては、下記ページをご確認ください。
https://defacto-com.net/blog/content-marketing-outsourcing/
ディレクターとしての役割を果たし、効果測定や指示を行う人物と、ライティング担当者を決め、運用体制を整えた上でスタートすることが重要です。

まとめ:コンテンツマーケティングで結果を出すには適切な方法での長期運用が必要

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