インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングとの違いとは?/アウトバウンドマーケティングとの比較から解説

PCに集まる小さな人間たちのイラスト

マーケティングとは、企業が自社製品・サービスを売るために、製品や広告など、あらゆる手段を講じて販売を、効率的かつ効果的に体系建てて支援する手法です。

オーストリア出身の経営学者で、「マネジメント」の祖と言われるPeter Ferdinand Drucker(=ピーター・ファーディナンド・ドラッカー)は、マーケティングの目的を、「顧客について十分に理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにして、セリング(営業・販売)を不要にすること」と述べています。

マーケティングは、Product=製品、Price=値段、Promotion=宣伝・広告、Place=販売チャネルの4つのPを組み合わせ、売上を最大化する戦略を指します。ただ、一般的にマーケティングというと、宣伝・広告を表すプロモーションばかりに目が向けられる傾向にあります。

 

「これまでのように、自社製品が売れなくなった」、「従来のマーケティング施策では成果が上げられない」など、企業のマーケティング担当者の不満はよく聞かれるようになりました。今までのマーケティング施策に限界を感じ、新たなマーケティング手法を待ち望む声は日増しに大きくなっています。

従来型マーケティングを「アウトバウンドマーケティング」と称し、効果が限定的であるとして、そのカウンターパートの手法として、「インバウンドマーケティング」に注目が集まっています。
そこで今回は、インバウンドマーケティングを取り上げ、マーケティングの歴史を振り返るとともに、アウトバウンドマーケティングとの関係性や、コンテンツマーケティングとの違いについて、詳しく解説します。

マーケティングの歴史

自由の女神と青空

マーケティングの未来を予見するには、過去から現代までの状況を理解しておくことは重要です。そこでこの項では、マーケティングの歴史を振り返ってみたいと思います。

アメリカにおけるマーケティングの変遷

マーケティングが生まれたのは、19世紀の終わりから20世紀初めのアメリカであるというのが通説です。当時のアメリカでは、フォードの自動車生産がけん引した大量生産技術があらゆる産業で導入され、生産段階での効率の追求により、コスト削減、競争力強化が図られました。ただ、供給体制を構築するために先行投資がなされ、市場における競争優位を獲得しても、製品が売れなければ、成果という果実を勝ち取ることはできません。

マーケティングは、販売を体系的、効率・効果的にサポートするために生まれました。企業が供給体制を整える中で、どうすれば自社製品が売れるのか、を解決する活動がマーケティングの出発点です。

1920年代から1930年代にかけて、第一次大戦後のアメリカは、海外需要が停滞すると不況を迎えます。当時の政府は、産業の合理化を進め、各メーカーは生産技術の発展と製品の平準化により、大量生産体制を確固たるものにしました。そしてメーカーは、大量生産体制を支えるマスマーケットをいかに開拓し、広げていくかに意識を集中するようになります。そうした市場では、消費者のニーズを犠牲にしてでも、「いかに生産した製品を売るか」という、「高圧的マーケティング」が展開されるようになったのです。

1929年に世界を襲った大恐慌により、大手メーカーは余剰設備を抱え、中小規模の企業では倒産が相次ぎました。こうした状況を見かね、政府はニューディール政策を掲げて不況対策に乗り出します。その間、企業はそれまでの高圧的マーケティングを捨て、新たなマーケティング手法を模索しました。それが、消費者の購買行動の分析を主体とした市場調査により、製品計画や広告・サービスを見直して販売活動に活かす「低圧的マーケティング」です。

売り手である大手企業は、大規模な生産設備を擁しているのに対し、大恐慌を背景として、買い手側の購買力が低迷し、需要が停滞すれば企業間の競争は激化します。さらに、消費者は少ない手元の資金で購買を強いられるのですから、製品を見分ける目は自然と鍛えられていきます。市場を取り巻く環境がこのように変化していくと、企業が競合社に勝って消費者に選択されるためには、より顧客志向のマーケティングが求められます。生産した製品をいかに売るか、という「プロダクトアウト」ではなく、消費者が買いたくなる製品をいかに作るかという、「マーケットイン」のマーケティングが誕生したのです。

日本におけるマーケティング

日本において、本格的にマーケティングが導入されたのは、第二次大戦後の1950年代後半からです。高度経済成長を背景として、急激に需要が伸び、供給がそれに追いつかず、それこそ、「作ったそばから売れる」状況でした。従って、当時のマーケティングは、高圧的マーケティングの性格を帯びていたと言えるでしょう。

そのような市場環境では、企業の業績におけるマーケティングの役割は、今ほど大きくはなかったのかもしれません。しかしその後、1970年代中頃からは、経済成長の勢いは緩やかなものになり、さらに1990年代に入るとバブル経済が崩壊。長い経済低迷期を経て、「モノが売れない」時代を迎えます。そうして、本格的なマーケティングの必要性が次第に叫ばれ、顧客志向のマーケティングの到来が待ち望まれるようになったのです。

アウトバウンドマーケティングとは?

後ろに手を組み、曇天を眺めるスーツ姿の男。

時代の変遷や、消費者のニーズの変化に伴い、企業側はそれに則した消費者へのアプローチを選択する必要があります。本来、自社とは関係のない消費者と接点を持ち、新規の顧客へと転換させていく行為は、企業が事業を維持し拡大していく上で、不可欠のビジネスサイクルと言えます。そのために、より多くの消費者に自社の存在を認知させ、製品・サービスを知ってもらう手段として、マーケティングが重要な意味を持つことになるのです。

アウトバウンドマーケティングとは、企業側が、自社がターゲットとする顧客に対し、アプローチを仕掛けるマーケティング施策です。「アウトバウンド(Outbound)」とは、内から外への動きを表しています。例えば旅行業界では、海外から日本国内への旅行者を指す「インバウンド」の対義語として、海外への渡航者を意味します。

つまり、企業が何らかのツールを用いて、社内から社外の消費者に向けて情報発信するマーケティングの手法ということになります。情報を発信する企業が主体となり、半ば一方的にアプローチを投げかける方法でもあるため、「プッシュ型」とも呼ばれています。プッシュ型は、企業側が自社の都合により、伝えたい情報だけを前面に押し出す手法であり、ターゲット側は自身の意思とは関係なく、受動的に情報を受け取ることになります。

アウトバウンドマーケティングで活用される情報発信ツールとしては、テレビやラジオのCMや新聞・雑誌広告といったマス広告、企業が媒体社に対して送るパブリシティ、営業担当者やテレアポによるテレマーケティング、ダイレクトメールなどが挙げられます。

アウトバウンドマーケティングは、一度に多くの人々へ向けての情報発信が可能であり、あらゆる属性の消費者に働きかけることができます。ただ、企業が伝えたい情報が、ターゲット層に確実に届いているかは疑問です。テレビCMの場合、消費者が求めている商品の情報が流れ、消費者がそれに反応し、購買行動を起こすことはあります。しかしそのようなケースは、確立としてはかなり低いと言わざるを得ません。それでも企業がCMの配信に、多額の費用を支払うのは、マス広告の伝播力の高さゆえです。日用品や食品などを扱う、B to C企業の多くは、幅広い消費者からの認知を得るために、アウトバウンドマーケティングを積極的に取り入れているようです。

インバウンドマーケティングとは?

青空に指を突き上げるスーツの男。

一方、インバウンドマーケティングは、企業がターゲットとする消費者にとり、魅力的かつ有益な情報を継続して提供し、ターゲット層に企業への興味を抱かせ、購買行動を起こさせるマーケティング手法です。

「インバウンド(Inbound)」とは、日本語で「内向きの」、あるいは「外から内に入ってくる」を意味します。これは、企業側から見ると外側に位置する消費者が、自主的に企業や製品・サービスに関心を持ち、自らの意思で企業側にアプローチする行為を指しています。アウトバウンドマーケティングでは、情報発信が企業からの一方的なものであるのに対し、インバウンドマーケティングのそれは、ベクトルが消費者から企業へと向けられている点が異なります。つまり、企業の定めるターゲット層が、能動的に情報を取りに行く行為を企業が引き込むことを目的としているため、「プル型」とも称されています。

インバウンドマーケティングは、企業が運営するオウンドメディアで公開するブログ記事、個人情報をもとに作成されたリストにより、タイミングを計って配信されるメールマガジン、ソーシャルメディア(SNS)を介した口コミなどが主なツールとなります。

消費者から企業に働きかけるインバウンドマーケティングでは、企業が志向する見込み顧客を絞り込めることが、大きなメリットと言えるでしょう。事前に、自社の存在や製品・サービスを認知した消費者のみが、さらに多くの情報を得ようとサイト訪問やメルマガ登録を行うため、企業側は有益な情報をコンテンツとして定期的に提供することで、効率的に顧客として囲い込むことが可能になるのです。

ただし、「プル型」という施策の性格上、企業側が提供するコンテンツを、ターゲット層に見つけてもらうまでには相応の時間を要します。増してやその先、消費者に購買行動を起こしてもらうことを想定するのであれば、企業はさらなる忍耐を強いられることになるでしょう。

アウトバウンドマーケティングと違って、即効性には欠けるインバウンドマーケティングですが、それでも、企業が自社のブランド向上を企図し、顧客との緊密な関係を構築したいと望むなら、有効なマーケティング施策であることに間違いはないでしょう。

変化するマーケティング

外国の街並み

市場を取り巻く変化、とりわけテクノロジーの進歩に伴う、消費者の行動変容は、企業のプロモーションやマーケティング活動にも多大な影響を与えました。
この項では、インターネット技術が社会に浸透する前後で、消費者の購入プロセスはどのように変貌し、企業のマーケティング施策がどのような変化を遂げたのか、見ておくことにします。

インターネット台頭以前のマーケティング(1990年代以前)

企業のマーケティングにおいて、どのような製品を生産し(Product)、どの程度の価格で販売するか(Price)は、重要なファクターです。しかし、どんなに優れた製品を作り、適正価格で販売してとしても、消費者にその事実が知られていなければ意味がありません。仮に、消費者がその製品について認知していても、それが優れていると認識していなければ、購入してくれることはないでしょう。

マーケティングにおけるプロモーション(Promotion)とは、消費者に製品・サービスについての情報や、それを供給する企業について伝え、価値を認めさせ、彼らの需要を喚起し続ける活動です。従って、プロモーションの最終目標は、消費者による製品・サービスの購入ということになります。

一般的に消費者は、自らの欲求を認識し、購買を意識する前の段階でも、日常に氾濫する情報に触れ、また以前の購入経験から、製品について何らかの知識を得ているものです。それでも、事前に仕入れた情報が十分ではない場合、消費者は必要に応じてさらに情報を求めるようになります。

広告をはじめ、プロモーションは消費者ニーズを認識し、彼らが購買を意識する以前を含めて、購買意思決定プロセスの中で、製品を認知させ、製品についての知識を正しく理解してもらうために展開されます。また、消費者が製品の価値をはっきり認識していない場合でも、訴求することにより、彼らの購買意識を喚起することも可能です。消費者の購買意思決定プロセスに関与するために、企業は高額な資金を投入してプロモーションを行い、消費者を購買行動へといざなうのです。

消費者が購買行動に踏み切るまでには、購買を意識する以前を含めて、購買意識決定プロセスの各段階において、自らの意思かどうかはともかく、あらゆる情報源に接しています。そして企業は、様々なプロモーション手段を用いて、これらの情報源に働きかけています。

この企業からの働きかけは、インターネットが台頭する以前の市場では、広告、営業・販売担当による営業活動、パブリシティ、セールス・プロモーションの4つが挙げられます。

広告はかなり広範囲に、あらゆる層の消費者へ情報を波及させる手段であり、短期的効果はもちろん、時には長期的な累積的効果をも期待できる手法です。また、企業側では制御不能な、消費者同士のコミュニケーション(口コミ)を喚起する手段ともなります。

営業・販売担当は、対面呼び非対面の接触により、人的情報源として消費者へ情報提供を行います。他のプロモーション手段と唯一異なる点は、1対1を基本とした、双方向のコミュニケーションが図れることです。彼ら・彼女らの役割は、製品の売りや優れた点を分かりやすく、消費者へ伝えることです。しかし、営業からの一方的な情報の伝播では、消費者の心を掴むことは難しいでしょう。人と人との会話である以上、双方向の情報のやり取りが欠かせません。優秀な営業マンがそうであるように、相手の様子を窺いながら、時には聞き役に徹するなど、生きたコミュニケーションを展開することが求められるのです。

パブリシティとは、テレビ局や新聞社などの媒体社に、企業がプレス・リリースなど、製品・サービスに関する資料を、メールや郵便物、ファクシミリなどで送り付ける手法です。媒体社側が資料内容を吟味し、ニュースバリューありと認めれば、テレビ・ラジオの番組で取り上げられたり、新聞・雑誌の記事として掲載されることも期待できます。このパブリシティという情報源は、消費者側から見ると、情報の送り手が企業そのものではなく、第三者のフィルターがかかっているため、客観的な事実として受け入れられやすいという特性があります。

セールスプロモーションは、店頭での各種ディスプレイ、実演販売、試供品の提供、プレミアムなど、前述した3つのプロモーション以外の様々なものが含まれます。これらのセールスプロモーションは、例えば、店頭ディスプレイであれば、消費者の目を引き付けることにより、製品への関心を喚起させ、販売員からの説明に繋げることができるでしょう。また、試供品の提供やプレミアムであれば、消費者に試用を促し、さらにその製品についての情報を欲しがらせる、という効果が期待できます。

企業は、これらのプロモーション手段により、消費者に直接、あるいは間接的に
情報提供することで、自社に注意を向けさせ、自社の製品・サービスに関心を持たせて、購入まで誘導していきました。これらのプロモーション手法は、単独で機能することはまれで、大抵の場合、消費者に複合的に作用して、最終的に購買行動を取らせることになります。この4つのプロモーションの組み合わせは、「プロモーション・ミックス」と呼ばれています。

この4つの手法は、それぞれに独自の特徴と性格を持ちますが、共通していることが1つあります。それは、情報発信の起点が企業であり、消費者は受動態、つまりは受け身に徹しているということです。あくまで、ベクトルの方向は企業から消費者へと向いており、企業側は半ば一方的に、こちらが伝えたい情報のみを発信していました。

これらの手法は、今日で言うところの、「プッシュ型」の性格が強く、アウトバウンドマーケティングというカテゴリーに分類されるものでもありました。

インターネット登場後のマーケティング(1990年代後半以降)

1990年後半から、日本においても、急速にインターネットは普及・発展し、社会生活、経済活動の両面において、様々な影響を与えました。消費者行動の観点からも、インターネット上には新たな購買場所が出現し、従来とは比較にならないほど、大量な情報の取得を可能にしました。さらに企業には、新しいマーケティングツールを与えることにもなります。

消費者情報源としてのインターネットは、消費者の購買意思決定プロセスの各過程において、またそれに伴う情報取得との関係性の中で、語られることになりました。

しかし一口に、情報源としてのインターネットといっても、いくつかの形態に分けられます。インターネットはコミュニケーションズ手段であり、消費者にとってみれば、色々なタイプの情報源となったのです。

1つは、企業、組織・団体、個人レベルで開設、運営するWEBページです。消費者は、パソコンやスマートフォン、タブレットを活用して、様々なWEBページを訪問し、サイト内に掲示されているコンテンツを閲覧するなどして、欲しい情報を探し出すことが可能になりました。

もう1つは、インターネットのコミュニケーションツールとしての側面です。消費者は、Eメールや、企業サイトの問い合わせフォームから、企業側の担当者とダイレクトにやり取りできるようになりました。また企業からも、より詳しい製品説明の提供や、セミナーへの勧誘などを、ピンポイントに行えるようになったのです。

そしてもう1つ、インターネット上には、ユーザーからの情報と投稿内容の集合体として生成されるWEBサイト、及びネットサービスが現れます。それが、消費者生成メディア、CGM=Consumer Generated Media です。CGMには、ソーシャルメディア(SNS)、ブログ、口コミサイト、写真・動画共有サイト、ウィキペディアなどが含まれます。さらに、サイトを構成するコンテンツが企業から提供するものであっても、サイトの一部にユーザーからの投稿内容を反映した形態も見られるようになり、これをユーザー生成コンテンツ、UGC=User Generated Contentと称しています。ニュースを掲載するサイトのコメント欄や、オンラインショップや食べログなどのレビューなどが挙げられます。多くの人々が書き込み閲覧できる、インターネット上のコミュニティ、「ネットコミュニティ」が形成され、消費者はそこから、あらゆる情報を収集することが可能になったのです。

インターネットの出現と、社会生活と経済活動への浸透、及びパソコンやスマートフォンなど、諸ツールの消費者への普及とともに、消費者には2つの大きな能力がもたらされることになりました。

1つは、「情報収集能力」です。インターネットが台頭するまでは、消費者がある事柄について情報を集めようとした場合、手段は限られていました。ある企業の新製品について知りたいと思ったら、営業担当者を呼びつけて、製品に関しての説明を受けるか、説明会に参加して情報を得るぐらいしかなかったのです。インターネットが普及すると、消費者は圧倒的な情報収集能力を手に入れました。ある製品について知りたければ、その製品を扱う企業のWEBサイトから、営業マンから提供される程度の情報は、簡単に取り出すことができます。

もう1つは、「情報発信能力」です。消費者はスマートフォンがあれば、個人的なつぶやきや、写真機能を用いて撮ったスナップショットを、時間や場所を選ばずに、世界中の誰にでも送ることが可能になりました。交通事故の決定的瞬間や、火事現場の模様を視聴者が撮影した映像が、地上波のテレビ番組で報道されることは、もはや日常茶飯事となったのです。

そのような環境が生まれると、単なる消費者は、「モノ言う消費者」へと変貌を遂げます。前述したCGMやUGCには、ユーザーから無数の投稿が寄せられ、インターネット上には、膨大なネットコミュニティが形成されるに至りました。
そこで接触する情報は、それこそ玉石混交であり、ある企業の製品についてであれば、ユーザーからのレビューが掲載されることもしばしばです。

問題はその内容であり、必ずしも、当該製品のパフォーマンスを、好評価するものばかりではないということです。これは、企業側からすると困った現象であり、同時に消費者から見ると、興味深く受け取られる事実です。企業発信の情報であると、自社に都合のよいデータばかりを集め、自社製品・サービスの優位性のみを訴求する、片寄った内容になりがちです。その点、ネットコミュニティに寄せられるレビューは、利害関係のない第三者によるものであり、消費者には信憑性があると映るのです。

もちろん、そのような現象に対し、企業側も手をこまねいていた訳ではありません。消費者に提供する情報についても、自社のWEBサイトで公開するコンテンツを中心に、再考を迫られることになりました。それまでは、自社製品に精通した開発者や宣伝担当者が、製品のパフォーマンスの高さと豊富な事例などを集約して、コンテンツとして仕上げていました。しかし、誰もがインターネットを通じて容易に情報を得られる今日、消費者はより能動的に行動するようになります。企業のWEBサイトはもちろん、口コミサイトやSNSで飛び交うレビューなど、あらゆる手を尽くして、貪欲に情報を求め始めたのです。それと同時に、彼ら・彼女らは、情報を独自に吟味する知恵を身に付けます。企業からの一方的な情報発信に対しては、受け入れもするし、気に入らなければシャットアウトしてしまいます。これまで当たり前だった「プッシュ型」のプロモーションは、ともすれば敬遠される事態となり、企業はそれに替わるマーケティング手法を探し始めるのです。

インターネットが浸透した社会・経済では、企業と消費者との関係は、イーブンなものへと移行しました。企業から発せられた情報は、それを受け取るか否かは、消費者に委ねられることになったのです。そのような状況では、企業が作るコンテンツに必要な要素の基準は、「消費者に有益かどうか」ということになります。

企業側は、消費者にとって有益なコンテンツを用意し、消費者の方から動いて見つけてもらい、購買行動までのステップを踏んでもらうことが重要であることに、ようやく気付いたのです。このプロモーション手法は、コンテンツの力で消費者を企業側へと引き込むことから、「プル型」と称され、アウトバウンドマーケティングのカウンターパート的な概念を持つことから、インバウンドマーケティングと名付けられたのです。

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングとの違い

モバイルPCを腕に抱え、微笑みながら操作する若い女性

ここまで読まれた方の多くは、次のような疑問を抱いているのではないでしょうか。「インサイドマーケティングと、コンテンツマーケティングとはどこが違うの?」。

その疑問に解答する前に、コンテンツマーケティングの定義について、確認しておきましょう。

CONTENT MARKETING INSTITUTEの創始者であり、コンテンツマーケティングの第一人者としても有名なJoe・Pulizzi氏は、コンテンツマーケティングを以下のように定義しています。

「コンテンツマーケティングとは、価値のある一貫したコンテンツを作成・配布することに焦点を当てた、戦略的なマーケティングアプローチです。明確に定義されたオーディエンスを引き付けて維持し、最終的には収益性の高い購買行動を促すことを目的としています」。

ここから、コンテンツマーケティングの施策の本質が明らかになります。
ターゲットと定める顧客に対し、彼ら・彼女らにとって価値のあるコンテンツを継続して提供することにより、自社の存在に気づかせ、自社の製品・サービスに興味を抱いてもらい、最終的には購買行動を起こしてもらうこと、ということになります。

さらに昨今では、顧客を自社のファンへと昇華させ、SNSを介して自社製品・サービスの拡散をしてもらうことにより、口コミ効果を狙う手法も注目されています。

実は、インサイドマーケティングとコンテンツマーケティングとは、同義的に扱われるケースが多いのです。では全く同じ手法かと問われると、それも違うと言わざるを得ません。あえて述べるなら、インサイドマーケティングは、顧客に企業の存在や製品・サービスを認知させ、購買させるまでの全体の流れを包括的に捉えた概念であり、コンテンツマーケティングはそれを具体化するための戦略、ということになります。

インバウンドマーケティング関連のソフトウェアを販売するHubSpot社において、Vice president of marketingを務めるJoe Chernov 氏は、インバウンドマーケティング及び、コンテンツマーケティングに興味を持つ北米の成人に対し、Facebookを介して、インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングとの関係についての調査を行いました。※1

それによると、一番多い回答は、「コンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングの一部である」というものでした。Joe Chernov 氏は、「インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングとの関係は、『or』ではなく、『and』で関連付けられるべきである、と述べています。インバウンドマーケティングという施策を推進させるには、コンテンツという燃料が必要です。ただ、コンテンツマーケティングの範疇の外には、テクニカルCEOやフリーミアムトライアルなどのインバウンドプロジェクトがあります。ビジネス上の成功は、どちらか一方ではなく、両者に存在していると強調しました。

※1 HubSpotによる調査結果

まとめ:インバウンドマーケティングは、企業のブランド向上、顧客との綿密な関係構築に有効

笑顔で右手の人差し指を出す女性。

今回は、インバウンドマーケティングについて、アウトバウンドマーケティングとの関係から語り、さらにコンテンツマーケティングとの違いなどについて解説しました。

アウトバウンドマーケティングとは、企業がターゲットとする顧客に対し、積極的なアプローチを仕掛けるマーケティング施策です。「プッシュ型」とも呼ばれ、企業側が自社の都合により、伝えたい情報だけを届ける手法であり、ターゲット側は自身の意思とは関係なく、受動的に情報を受け取ることもあります。活用される情報発信ツールは、テレビやラジオのCMや新聞・雑誌広告などのマス広告、パブリシティ、テレマーケティング、ダイレクトメールなどが挙げられます。

それに対してインバウンドマーケティングは、企業がターゲットとする消費者にとり、魅力的かつ有益な情報を継続して提供し、ターゲット層に企業への興味を抱かせ、購買行動を起こさせるマーケティング手法です。アウトバウンドマーケティングとは反対に、企業のターゲット層が、能動的に情報を取りに行く行為を企業が引き込むことを目的としており、「プル型」とも称されています。

アウトバウンドマーケティングと異なり、インバウンドマーケティングは即効性には欠けますが、企業ブランド向上、顧客との緊密な関係を構築したいなら、有効なマーケティング施策です。

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングとは、しばしば同義語として扱われますが、厳密には違いがあります。インバウンドマーケティングが、消費者の購買意思決定プロセス全体を見通した概念であるのに対し、コンテンツマーケティングは、それを具体化する戦略と言えるでしょう。

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大庭隆之
大学卒業後、新聞社に勤務。企業へのインタビュー記事作成業務を経たのち、広告制作会社に勤務。退社後は、フリーランスのライターとして活動中。得意分野は、ビジネス、マーケティング、各種マーケットリサーチなど。
コンテンツマーケティングを成功に導く3つのステップ