コロナ禍で30代・40代の「買い物」への考え方はどう変化したか?

コロナ禍で新しい生活様式を求められるようになったことに伴い、私たちの金銭感覚にも変化が生じています。特に、結婚・出産などの大きなライフイベントが多い30代・40代の金銭感覚、特に買い物への考え方には大きな変化があったようです。それを知るうえで参考となるのが、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が2021年3月に公表した「30 代・40 代の金銭感覚についての意識調査 2021」です。

この記事では、同調査結果をもとに、30代・40代の買い物への考え方がどう変化したかについて解説します。

コロナ禍収入が減った人は約3割

まず、買い物の財源となる「収入」はどう変化したでしょうか。「30 代・40 代の金銭感覚についての意識調査 2021」によると、コロナ前より収入が増えた30代・40代は全体の約8.9%でした。一方で、収入が減った人は約31.4%、変わっていない人は約59.6%という結果となっています。収入が減った理由は、主に以下の通りです。

  • 飲食業などの営業自粛やリモートワークが広がり残業代が減った
  • コロナ禍で副業の機会が減った

しかし、約6割の人は「収入が変わっていない」と回答しており、2021年2月時点ではコロナ前と同じ生活水準を保てている人も多い傾向です。ただ、今後コロナ禍が長引くにつれて経済がますます悪化し、今よりも収入が減る人が大きく増える可能性もあります。

コロナ禍の影響で買い物の内容に大きな変化が

コロナ禍の影響で買い物の内容には、大きな変化がありました。

コロナ禍で支出が増えた項目は「家で過ごすために必要なもの」

コロナ禍では、家で過ごすために必要なもの・ことに対する出費が増えたようです。トップ3は以下の通りです。

順位支出が増えた費用
1位水道光熱費
2位酒代を除く食品・飲料費
3位日用消耗品・雑貨費
出典:SMBC コンシューマーファイナンス

上記に次いで、酒類費、インターネットや携帯などの通信費、外食費、ゲーム代などの支出額が増えたと回答する人が多くなっています。いわゆる、「巣ごもり消費」が増加しているのです。これらの買い物が増えた背景には、感染予防を目的とする外出自粛やリモートワークによって人々の在宅時間が長くなり、自宅にいる時間を充実させたい欲求やその必要性が強まったことが挙げられます。

また、「自宅で家族などの親しい人と過ごす時間を充実させたい」という思いもこれらの消費の増加に反映されているようです。

コロナ禍で減った支出項目は「外出に関するもの」

一方、コロナ禍では外出に関する出費が減りました。こちらは以下の通りです。

順位外出に関する費用
1位外食費(飲み会費など)
2位旅行・レジャー費
3位交際費
出典:SMBC コンシューマーファイナンス

こちらも納得の結果が出ました。感染予防を目的に外出に関する行動が大きく制限されているため、外出関係の買い物が大きく減っています。ただ、外食や旅行・レジャーは「コロナ後にやりたいこと」でもトップ2に入っているため、感染が収束すれば再び外出に関する買い物が増える可能性は高いでしょう。

貯蓄は30代・40代ともにコロナ前より大きく増加

家や車などの大きな買い物に備えた「貯蓄」にも、コロナ禍による大きな変化が見られました。2021年12月時点の30代・40代の平均貯蓄額は283万円で、コロナ前となる2019年12月の平均貯蓄額(192万円)より91万円増えています。年代別に見ると、30代の貯蓄平均額は前回の183万円から50万円増の230万円、40代は202万円から162万円増の364万円の大幅増。

ここ1年の間に収入が増えていない人が大半にもかかわらず、意外にも多くの人が大きく貯蓄を増やしているのは驚きです。この結果から「コロナ禍による経済悪化に強い危機感を抱いている人が多い」ということが考察できます。

万が一の事態に備えて、少しでも多くのお金を貯蓄に回しておこうと考え、減少した支出額を極力貯蓄に回しているなど、家計を維持するために工夫をしている世帯が多いのかもしれません。

コロナ禍による生活の変化で新たに増えた「おひとりさま消費」

コロナ禍によって、新たに増えた買い物もあります。いわゆる「おひとりさま消費」です。「おひとりさま消費」とは、「一人カラオケ」など、一人で行動するための買い物を指します。その平均金額は、1ヵ月9,637円で、前年(5,436円)の約1.7倍(4,201 円)です。

その背景として、感染を避けるために一人での行動が多くなったということが考えられます。

コロナ禍の今30代・40代が買い物をするうえで重視していること

最後に、コロナ禍の今「30代・40代の人がどのような買い物をしたいと望んでいるか?」という点についても確認しましょう。30代・40代の多くが「良い買い物」として挙げたのは以下の5つです。

順位望んでいる良い買い物
1位将来の役に立つもの
2位買って満足できるもの
3位自分が欲しいもの
4位買って後悔しないもの
5位コスパがいいもの
出典:SMBC コンシューマーファイナンス

この結果から、30代・40代の多くが「役に立つ」「満足度が高い」といった買い物を望んでいる様子がうかがえます。「お金を出した以上は満足度の高い買い物をしたい」という思いが強まっていることの表れでしょう。

コロナ禍の中で30代・40代が買い物に求めるのは「個人的な満足度」

以上の結果から、30代・40代の金銭感覚がコロナ禍を機により堅実な方向に向いていることが分かります。特に、買い物では、買うものの有用性や満足度の高さを極めて重視する人が多い印象です。しかし、そこには「お金を出す以上は個人的な満足度を追求したい」という思いが垣間見えます。

その点、巣ごもり消費や、おひとりさま消費は個人的な満足度を追求できる買い物であり、30代・40代の買い物への欲求とも合致しそうです。そのことから、今後コロナ禍が収束しても巣ごもり消費やおひとりさま消費へのニーズはしばらく続く可能性は高いでしょう。また、新たな形で個人の満足度を追求するタイプの消費スタイルが誕生するかもしれません。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替・口座振替などの業務経験を生かしたマネー関連の記事や、30年の家計管理経験を生かした節約系の記事、ライフスタイル系記事を多数執筆。所有資格:FP3級。

デファクトコミュニケーションズでは年間1万2000本を超える制作実績のもと、専属ライターや各種有資格者による執筆や監修を実施。
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